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絵とか写真とか。写真のメインはInstagramですけどね。 (Instagram @tatsu_kichi)
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指で描く電柱

指で描く電柱

どこかでキャラクターに話させたけど電柱好きです。
生活と文化の象徴だと思っているんです。
人が生活しているところに電柱がある。
固定電話が減ってきて電線も減ってきてるし、地下ケーブル化も進んでいる。いわば電柱は絶滅危惧種・・・なのかもしれない。

ずっと電柱の写真を撮っている。
電柱はみんな同じようでいてみんな違う。
人に似ている。
なくちゃ困るけど、そこにいると邪魔にもされる。
恩恵を受けている

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紙の加工

紙の加工

紙の風合いを出すのにハマった。
額装の加工をするだけで、そこにそれがあるように見えるのに、紙の風合いを出してもらうとリアル感が倍増するし、なんか物語が見える。
取っておこうと思った包装紙を捨てられて、「どうして勝手に捨てるの?」って半べそで紙の皺を伸ばしている自分とか。
「そんなもののどこがいいの?」と呆れかえられている自分とか。

マクドナルドの紙袋好きで、ブックカバーにしたりするんです。
あと

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ポップアートごっこ

ポップアートごっこ

仕事をしなくてはならないんだけど、ちょっと現実逃避。
最近ずっと「瓢箪型」が頭から離れないので、とりあえずiPad のアプリで指で描いてみた。
あら案外可愛いじゃん。加工して、額装(加工)したら、家に飾ってもよさげな感じになった。

瓢箪というより豆じゃん。
と自分に突っ込みながら色加工。
そうしているうちにお魚もいいんじゃない?となった。

やる気なさげな目が今の自分に似ている。

さてとそろそ

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名前を知らない木だから

名前を知らない木だから

昔流れていたCMは嘘ではなかった。
「この木 なんの木 気になる木 名前の知らない木ですから」
まさにそのとおり。
台風で折れた枝もそのままの木を、いつも見上げる。

近くには栗林がある。
白樺の群生もある。
ニセアカシアも身を寄せ合うように立っている。
栗は誰かが植えたものだし、白樺もニセアカシアも時々間引かれるのを見ると誰かが管理しているのだろう。
この木の斜め向かい側に大きな朴木があった。

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この裏切りは・・・

この裏切りは・・・

ずっと僕は勘違いをしていた。
僕は君を裏切った。ずっとそう思っていた。
君の一番そばにずっといると言葉にして誓ったのに、僕は君を裏切って、僕は彼の娘と結婚した。
「おめでとう」と笑う君の顔が見れなくて、「おめでとう」の言葉が信じられなくて、あれ以来、僕は君の一番そばから少しずつ距離を置いた。

今までと少しも変わらぬ笑顔を向けながら、君は少しずつ僕から遠ざかり、仲間と共に笑い合う。
そうか、君が僕

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春を待たずに

春を待たずに



もうすぐ春が来るという。
春を迎える支度をしよう。
思い立ってカーテンを開けたら、窓枠で蝸牛が死んでいた。
殻だけ残した蝸牛の体は何処へ消えたのだろう?
いつから此処に居たのだろう?
どうして此処に居たのだろう?

冬の終わりを告げる雨は、どこか投げやりに思えてしまう。
折角開けたカーテンを黙って引いたその向こうで、雨が今日も降っている。

蝸牛の殻を付けたまま、今日も春を待っている。

この町の何処かに

この町の何処かに

この町の何処かに忘れてきた何かを探している。
そういう日々の送り方をしている。
いつ、どこで、なにを、どのようにして忘れてきてしまったのかもわからない。
そんなものを探しているような気がする。

足下に転がっている。
隙間に挟まっている。
木の葉に埋もれている。
そんなものを見つけては、それは自分のものではないと首を振る。
誰のものかもわからないものを、自分のポケットに入れて、歩き出す。

誰に伝

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