見出し画像

ゲーム企画書のベースをAIのパワハラプロンプトで構築してみた

はじめに

本記事はゲーム企画やゲームデザインを学習する方向けに記載しておりますが入社課題の企画書作成や、自身のポートフォリオなどでこの手法を多用すると、あなたのアイディア発想力の上達や創造性を阻害しかねません
参考程度に、お読みいただければと思います

ゲーム企画書とは、新しいゲームを商品化するにあたって開発の提案が記された資料です。
ゲームコンセプトやゲームシステムという遊びの骨子から、ルールやキャラクター、世界観、イメージアートというゲームのイメージはもちろん
企画として売れるか売れないか、開発コストはどれくらいかといった商業的側面も記載されています。

本記事では、ゲームコンセプトとゲームシステムの「遊び」の部分に絞って企画書を構築してみたいと思います

アイディアを出してAIに投げる

先にパワハラプロンプトのやり取りを結果を公開しておきます

まずは簡単なアイディアを出していきましょう。こちらは思いついたものをすぐに書き出してもらえればと思います。
私は飛行機に乗る機会が多く、そのたび上空と地上付近で感じる気圧差を遊びにできないかと考えました。気圧をテーマにChatGPTなど、AIにプロンプトを投げかけます
以下のようなプロンプトを投げてみます

ゲーム企画書を作成しています。
私のアイディアの草案をゲームメカニクスに絞って厳しく評価し、改善できるポイントは改善してください
また、面白いメカニクスがあれば追記をしてください
以下草案です
・気圧を利用した2Dパズルアクション
・高いところは膨らみ、低いところは凹む
・空気の膨張や収縮を利用
・あらゆるものが膨張と収縮する

そうするとこのように返ってきました。

評価と改善点
1. 物理エンジンとルールの明確化
現状の課題: 「高いところは膨らみ、低いところは凹む」というルールが面白そうですが、具体的なプレイヤー操作やゲーム内での反応が不明確です。
改善提案:
地形による気圧の変化がどう影響するかを明確化しましょう(例:重い物体が下に落ちるとその周囲の気圧が上がり、膨張が起きる)。
気圧の変化が「スローアクション」的な影響を与える(物体やキャラクターの速度が変化する)など、
物理演算を活かしたシステムを検討。
2. プレイヤーの操作感
現状の課題: プレイヤーが直接的に何を操作するのかが曖昧です(キャラクター?空気そのもの?地形?)。
改善提案:
プレイヤーが「空気ポンプ」や「真空装置」を使って空気を吸い込んだり放出したりできる仕組みを追加。
地形やオブジェクトの膨張・収縮をリアルタイムで調整しながら、目的地に進むパズル要素を強調。
3. チャレンジの幅
現状の課題: 「膨張と収縮」がゲームのコアであることは良いですが、単調にならない工夫が必要です。
改善提案:
時間制限や連鎖的な膨張・収縮を発生させることで、瞬間的な判断力を求める要素を追加。
特定のオブジェクト(例:ゴム製、金属製など)で膨張・収縮の特性が異なるように設計。
4. 世界観の統一
現状の課題: 気圧という物理的なテーマが面白い反面、ゲームの世界観やストーリーとどう結びつくのかが分かりにくい。
改善提案:
世界観を「空気によって形を変える生物が住む惑星」や「気圧変化を制御する古代のテクノロジー」に設定。
ストーリーに「失われた空気制御技術を取り戻す」や「膨張を引き起こす暴走機械を止める」など、
テーマに沿った動機付けを追加。
追記アイディア
1. 気圧ゾーンのシステム
特定のエリアに「高気圧ゾーン」と「低気圧ゾーン」を配置。
高気圧ゾーンではジャンプ力が低下、膨張が抑えられる。
低気圧ゾーンではジャンプ力が向上、物体が大きく膨らむ。
これを使い分けることで、戦略的な行動が求められる。
2. 膨張・収縮による姿勢変化
主人公キャラクター自体が膨張・収縮できる仕組みを導入。
膨張すると敵を押し退けたり高い場所に届けるが、動きが鈍くなる。
収縮すると狭い隙間を通れるが、移動速度が増して制御が難しくなる。
3. 多段階の膨張・収縮
膨張や収縮が段階的に進む仕組みを導入し、プレイヤーが適切なタイミングで止める必要がある。
例えば、一定以上膨張すると「破裂」するペナルティが発生。
4. 環境ギミック
気圧の変化で扉が開閉したり、橋が膨らんだりする環境ギミックを追加。
プレイヤーが空気を調節しながら安全な道を作る必要がある。
5. 競技性の導入
時間内に最も多くの膨張・収縮を成功させるスコアアタックモードを追加。
サンプルシナリオ
惑星「エアリス」は、気圧で形を変える特殊な物質に覆われている。
主人公は、この物質を使って古代遺跡の謎を解く冒険に挑む。遺跡には「膨張ゾーン」と「収縮ゾーン」が点在しており、これを駆使して敵を避けたり、崩れかけた橋を修復したりする。

たいてい1回目のプロンプトでは、誰でも考えれそうなアイディアや、メカニクス以外のことが返ってきますね。

パワハラプロンプト実行!

ここからがパワハラプロンプトの神髄ですね。パワハラプロンプトとは、深津貴之さんが発表した、AI生成の出力の成果を急激にUPさせる方法です。

あなたのアイディアは60%のクオリティでした。100%のクオリティを出力してください。

このようなプロンプトを2回目、3回目と繰り返していく手法です。再度生成された回答はこちらです。

コアメカニクス
気圧の操作能力

プレイヤーは「空気制御デバイス」を使い、地形や物体の気圧を操作可能。
膨張・収縮による物理的変化を駆使してステージを攻略する。
例:
膨張: 岩を浮かせて橋を作る、敵を空中に放り投げる。
収縮: 地形をへこませて水路を作る、重量オブジェクトを縮めて通路を確保する。
複数の影響要素

気圧操作が以下に影響を与える複合的な仕組みを導入:
キャラクターの移動: 気圧が高いとジャンプが低くなり、低いと高く飛べるが風に流されやすい。
オブジェクトの動き: 木箱が風で転がる、膨らんだ物体が弾みを持つ。
環境変化: 天井のシーリングファンが高速回転して新たな道を開く、気圧差で扉が開閉。
プレイヤーキャラクターの形態変化

主人公自身が膨張と収縮を活用可能:
膨張形態:
巨大化して敵を押し潰す、風を遮るバリケードになる。
ただし移動速度が低下し、狭い通路を通れない。
収縮形態:
細くなって隙間を通る、敵の視界から隠れる。
ただし攻撃手段が減少、敵に押されやすくなる。
動的な気圧エリア

ステージ内で気圧が変動するエリアを追加。プレイヤーが適応しなければならない。
例:
「低気圧ゾーン」: ジャンプ力が向上、浮遊する足場が頻出。
「高気圧ゾーン」: 行動が重くなるが、風に影響されにくい。
進化させたギミックアイデア
エネルギー制御システム

プレイヤーが気圧を操作するたびにエネルギーを消費。エネルギーを補充するには特定の装置を操作したり、
アイテムを収集する必要がある。
戦略性を高めるために、「どこでエネルギーを使うか?」をプレイヤーに考えさせる設計。
時間経過によるギミック変化

ステージ内の気圧がリアルタイムで変化。例えば、一定時間後に低気圧が発生し、膨張した足場が沈む
といったダイナミックな変化を追加。
連鎖反応のパズル

気圧操作による膨張・収縮が一つのトリガーとなり、複数のギミックが連動する仕組み。
例: 気圧で風車を回す → 扉が開く →水が流れ出して地形が変化する。
マルチフェーズボス戦

気圧操作を駆使したボス戦を追加。例:
第一形態: ボスが膨張して地形を圧迫。プレイヤーは空気を抜いてスペースを確保。
第二形態: 縮小したボスが高速で移動しながら攻撃。プレイヤーはタイミングよく膨張を利用して隙を作る。

なんとボス戦のことまで考慮してアイディアを出してくれましたね。しかも、オブジェクトが受ける気圧の影響なんてものも、出してくれています。1回目とは大違いですね。

ゲーム企画は遊んでもらう人のことを考える

この手法は多用してしまうとAI依存度が高くなり、自力で発想するという能力が低下する恐れがありうるため、多用はしないほうがいいと思います。
自分で考えたゲームで他人に遊んでもらい、喜んでもらうということを常に心がけて開発中は特に忘れないようにしておきたいものです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集