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出店は、“超”顧客視点で

vol.1349

先週放送された『カンブリア宮殿』(テレビ東京)に、C-United社長の友成勇樹さんが出演されていました。

〈テレビ東京 / Webサイト〉

友成さんといえば、マクドナルド普通は10年かかると言われる店長に、入社3年昇進

その後、子会社の社長まで昇り詰めた敏腕ビジネスパーソン

独立後は「珈琲館」を皮切りに、「カフェ・ド・クリエ」「カフェ・ベローチェ」を買収し、いずれも低迷していた店舗を再建させています。

その再建の肝がマクドナルド仕込みのオペレーションと徹底的した顧客視点

珈琲館なら「中高年のくつろぎ空間」

カフェ・ド・クリエなら「健康意識の高い女性客にウケるメニュー展開」

そしてベローチェなら「ビジネスパーソンがリモートワークしやすい環境」といったように

既存客のニーズ深掘りして多くの顧客を呼び込むことに成功しているのです。

いかに顧客の心に寄り添うかということを改めて認識させられた回だったのですか、友成さんが在籍していた日本マクドナルドの創業者、藤田田さん徹底的な顧客視点の方でした。

その徹底ぶりが垣間見える逸話の1つが、マクドナルド第1号店を出店したときの話。

当時、銀座に店を出したことが物議を醸したのをご存知でしょうか?


人気店舗へのストーリーを描く

マクドナルドは、言わずもがな庶民の味方のお店です。

しかし、第1号店は東京都心の銀座三越1階に出店。

アメリカ本社「郊外にドライブイン方式で出店すべき」という意見を押し切っての決断でした。

〈JBpress / 2024年12月5日〉

そして、本社の心配をよそに第1号店ヒットします。

成功した理由の1つが、銀座という立地であったために「話題」になったこと。

銀座4丁目なら、例えば徒歩で訪れる学生など、若者も気軽に入店できます。

また、その場でマクドナルドのハンバーガーを食べてもらえなくても、地方からの旅行客修学旅行生の目に留まり、認知してもらうきっかけにもなります。

何年後かに、その人たちが住むエリアにマクドナルドが出店した際、「銀座で見た店だ」とすぐ分かり「行ってみよう」と思ってもらえるだろう、と考えたわけです。

銀座に出店することで話題を創出し、庶民に受け入れられるようになった段階郊外に展開する。

その考えが、まさにドンピシャだったわけです。

これは、人々が対象に対して、どのように認知し、価値と感じ、話題にするのかというストーリー明確に思い描けていたからこそ。

最近は行動経済学など、よりファジーな人間の心理を読み解く傾向が強まっていますが、やはりいかに顧客理解をするための努力をするかが肝要ですね。

ちなみに、この日本での成功体験は、他の国の出店戦略にも影響を与えることになりました。

まさに、今日のマクドナルドのグローバル戦略において重要視される「ローカライゼーション」につながる話なのです。

ローカライゼーションがカギ

このローカライゼーション、つまり「出店する国、地域に合わせる」という考えはとても重要で、そこを今、巧みに設計して海外で成功を収め、注目を集めている日本企業があります。

その企業とは、エンターテインメント複合施設を展開するラウンドワンです。

〈日刊SPA! / 2024年9月14日〉

こちらはボウリングを始め、カラオケバッティングセンターゲームセンターなどなど、多彩なエンタメを一ヵ所で楽しめる「複合エンターテインメント」施設

横浜駅近くにもあるので、度々お世話なっています😊

そのラウンドワンが、アメリカで人気施設になっているのです。

その要因としては、現地市場への柔軟な適応ターゲット層の選定、さらには多様なアクティビティを提供する独自のエンターテインメント体験が挙げられます。

例えば、アメリカ人にとってカラオケ日本ほど日常的な娯楽ではない

そこでラウンドワンは、グループで楽しむスタイルから広いオープンスペースのステージを設け、観客の前で歌うスタイルに。

アメリカ人の「ショー」文化に上手く適応したのです。

また、フードサービス成功の一端を担っているとのこと。

ラウンドワンのアメリカの店舗では、現地の食文化に合わせたメニューを導入。

フライドフーズピザといったアメリカ人が好む定番メニューに加え、日本食のエッセンスを取り入れることで、エンタメ融合を実現しています。

これにより、家族連れグループ施設に長時間滞在するようになり、収益を上げる要因となっているのです。

こうした適応力によって、アメリカで50店舗以上を展開するまでに成長。

同社の売上の37%(24年3月期)が同国からの収益となるまでになっています。

適応した上で「個性」を出す

一方、地域に合わせたから良いというものでもありません。

合わせ過ぎてしまえば、個性は薄まってしまいます

適応した上で「個性」を出す。

そこがポイントになります。

ラウンドワンも、先ほど

「アメリカ人が好む定番メニューに加え、日本食のエッセンスを取り入れることで〜」

と語ったように、やはり「日本食のエッセンス」があることで、特別な存在になれている。

さらにフードといえば、同社の「ラウンドワンデリシャス」にも注目が集まっています。

この新規事業は、寿司ラーメン和牛など、アメリカ人が好きなメニューを提供すべく、国内の超人気レストラン16店舗提携

日本食に対する彼らの期待に応えているのです。

2025年夏ニューヨークロサンゼルスラスベガスを皮切りに、サンフランシスコシカゴホノルルなどの主要都市で、日本の食文化を広げようとしています。

ちなみに、出店計画としては向こう5年10都市200店舗が目標。

今後の展開が非常に楽しみです。

〜ということで、本日は成功企業の出店戦略についてお話しさせていただきました。

やはり、とことん顧客が求めているものを把握し、その上で個性を打ち出し、存在感を示していく。

そして認知からファン獲得という展開のストーリーが描けるかが重要ですね。

とてもシンプルだけど、大変奥深い

改めて、基本を追究する大切さを教わったような気分です😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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