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軽やかに「挑戦」する企業たち
column vol.993
昨日は【「憂鬱な月曜日」を前向きに過ごす】という記事の中で、今日は「Try Tuesday(挑戦する火曜日)」でいくことを宣言させていただきました。
そのことが達成できたかは微妙なのですが…、せっかくなので「Try Tuesday」にちなんで、今回はさまざまな企業の「挑戦」についてお話しさせていただくことにいたします。
まずは「罪悪感」という観点で新しいマーケットを創造しようとする方の挑戦です。
「借りたものを返せずにいる…」という “借りパク” 状態でお悩みの方はいらっしゃいませんか?
そんな方にピッタリのお助けサービスが今、生まれてようとしているのです。
〈朝日新聞ツギノジダイ / 2023年4月5日〉
「罪悪感」を商機に変えた和紙問屋
そんな画期的なサービスを企画した会社とは昭和23年の和紙問屋「株式会社オオウエ」。
4代目社長の大上陽平さんは「借りパク」から生まれる人間関係のギクシャクを解消しようと、借りパクの返却専用BOX「かりパック」を考案。
クラウドファンディングの「CAMPFIRE」で5月11日まで支援を募っています。
〈CAMPFIRE / かりパック〉
しかし、なぜ和紙問屋が借りパクしている人たちを救おうと思ったのか?
その心は、謝罪と感謝の気持ちを伝えるために「紙」が必要だからです。
伝えたい気持ちを便箋やシールにしたためてBOXに梱包する。
大上さんたちが周囲の70人にインタビューしたところ、借りパクしてしまっている理由の中で最も多かったのが「返すタイミングを逃して返しにくい」という回答でした。
中でも特に「怒られないか」が気になっていたそうです。
そして、そんな意見をもとに、商品開発のポイントを次の4つに定めたとのこと。
(1)郵送タイプにすることで直接顔を合わせることなく返せる
(2)ユーモアのパワーで怒る気をなくさせる
(3)手軽に書けて、しっかりと感謝・謝罪の気持ちを伝える手紙を用意
(4)ギフトカードを同梱し許す空気を後押し
そうして誕生したのが、こちらのセットです。
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返却する商品を梱包する箱のデザインのコンセプトは「帰巣本能」としてサケや旅人、イヌなどを描いています(笑)
そして中に入れる便箋・封筒(文例付き)、ギフトカードホルダー、外箱にも貼れる感謝・謝罪のシールなどがセットになっています。
もしも、借りパクしたままでお困りの方はぜひクラウドファンディングでサポートしていただけると良いかと思います😊
個人的には非常に鋭い視点で、面白いと感じました!
コーヒーの「サブスク」に挑戦するコンビニ店
続いては、恐らく皆さんに馴染みのある「コンビニコーヒー」についてです。
ローソンが、コーヒーのサブスクサービスを地域限定で開始し、話題を集めているのです。
〈ITmediaビジネスオンライン / 2023年4月7日〉
実験店に選ばれたのは愛知県内の「MACHI cafe」展開店舗。
「MACHI cafe Prime(マチカフェプライム)」というサービスを開始しています。
月額料金1500円を支払うことで、1日1杯、通常価格110円の「マチカフェコーヒーS(アイス/ホット)」を店舗で受け取れ、毎日利用すればコーヒー代が「実質半額」となるという仕組み。
いわゆる「フードサブスク」に分類される業態なのですが、…フードは原価率が高いことから難しいとされていました…
しかし、ローソンは勝算を次のように考えています。
コーヒーは弁当などのコンビニ取扱商材と比較して品質維持が容易で、運送が平易であることから毎日安定した供給が可能。
そして、コンビニコーヒーの原価率が一般的に50%程度であることを踏まえると
サブスク購入者全員が「土日祝日含めて毎日必ずコーヒーのみを購入する」という条件でもトントンに収まる
と考えているのです。
そして、コーヒーはビジネス層に一定の需要がありつつ、土日祝日には利用しない人が多いはず。
仮に休日も含めて毎日利用されたとしても、店舗への集客効果というトータルの売上向上効果が期待できるわけです。
つまり「ついで買い」効果ですね。
ITmediaの記事の筆者、古田拓也さんはこのように解説しています。
ローソンの客単価が23年2月時点で794円であり、22年2月期の粗利率30.9%を当てはめると、顧客1人当たりの粗利は約245円となる。仮に、コーヒーサブスクで来店した顧客が他の顧客と同じように買い物を行う場合、110円のコーヒーが実質半額となったとしても全体の粗利のうち、8割弱の粗利は保たれる。
なるほど、なるほど〜
結果、これはコンビニ各社が発行する弁当の100円引きクーポンなどと比較しても割安な集客施策になるのかもしれませんね。
上手くハマるかは分かりませんが、コーヒー好きには嬉しい施策なので、今後の展開が楽しみです。
「タメ口」接客という新しい風
最後は、コーヒーからの〜という事例なのですが、「タメ口」で接客するスタッフが集まる今話題のカフェをご存知でしょうか?
原宿に今月22日にオープンしたばかりの「友達がやってるカフェ/バー」です。
〈みんなの経済新聞 / 2023年4月20日〉
こちらは店名の通り、店員が「友達のように接する」ことをコンセプトにしたお店。
役者やモデルなどエンターテインメント業界で活動する人たちが働いており、来店客を「来てくれたんだ」「久しぶり」などと出迎えるそうです。
その勢いで、雑談を交えながら「席ここで良い?」「何にする?」などタメ口を交えながら気さくに接客。
そして、店を後にする際は「バイバイ」と見送ってくれるというわけです(笑)
同店を手がけた株式会社kakeru社長で動画クリエイターの明円卓さんは
日本の飲食店は完璧な接客が求められすぎている。それをちょっと壊したい
と、意図を語っており、昨今のちょっとでも嫌なことがあると低評価をつけられる風潮の中、「友達」という設定にすると設定上目線が対等になると考え、店のコピーを
Because I’m your friend(友だちなんだから許して)
としたそうです。
メニューは約30種類をラインアップ。
●大変そうだから簡単なので大丈夫だよ(ドリップコーヒー)(680円)
●店員さんの間で一番人気なのってどれ?(いちごミルク)(900円)
●あの田中が、いつも飲んでたの何だっけ?(りんごジュース)(780円)
●この間試作でくれたやつ美味しかったよ(パウンドケーキ)(650円)
●サッと出てくるおつまみ、何かある?(スパイシーオリーブ)(500円)
など、会話するように注文するメニュー名が揃っています。
極め付けは「いつも飲んでるやつ」を頼むと、スタッフがランダムで選んだソフトドリンクが提案されるそうです(笑)
当社の若手スタッフがオープン初日に行ったら、「こりゃ無理だ…」と思うほど長蛇の列になっていたそうです…(驚)
46歳のおじさんからすると、令和の若者の気持ちがまだ消化できてはおりませんが…、新しい着想の凄さは十二分に感じております。
閉塞感溢れる今の世にあって、こういったさまざまな挑戦を見ると非常に元気が出ます。
刺激をエネルギーに変えて、私も日々の業務に取り組んで参りたいと思います😊