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テレビの復活劇
column vol.1271
「若者のテレビ離れ」と言われて久しいですが、最近はテレビ局各社、様々な知恵を絞っていると感じます。
〜というわけで、今日は早速そんな一端をご紹介したいと思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ〜😊
放送後の金の鉱脈
番組を見逃したらTVerで
視聴者にとってお馴染みのことになりましたが、このTVerがテレビ局の大きな収入源になっているのをご存知でしょうか?
〈東洋経済オンライン / 2024年5月20日〉
日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビ、それぞれ配信広告収入が伸びているのですが、そのほとんどがTVerによるものだと言われています。
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『拡張するテレビ』の著者で、メディアコンサルタントの境治さんは
「今時、50億円規模の事業が3割も4割も伸びているなんて滅多にないだろう。TVerはテレビ業界の希望の星だ」
と仰っていますが、確かになかなかのインパクトです。
しかも、現在は放送収入が右肩下がりになっている状況ですが、境さんの試算によると、放送収入に配信収入を足した収入全体で見れば、2027年以降、テレビ局の収入は増える可能性もあると予測されています。
一方、大幅に再生数やユニークユーザー数を伸ばしているのはドラマ配信。
ドラマに限らず、バラエティ、ニュース、情報番組、ドキュメンタリーなどなど、テレビは多彩なコンテンツが揃うことが魅力なはずなので、やはりドラマ配信に頼ってばかりはいられないというのが現状です。
そうした点を踏まえながら、各社新しい試みを試していくことになるでしょう。
境さんがもう1つ注目しているのが、日本テレビが昨年11月に発表したアドリーチマックス(AdRM)プラットフォームです。
来年4月からスタートするのですが、こちらはテレビCMの取引をこれまでの習慣から解き放ち、ネット広告の取引に近づけるのがコンセプトとなっております。
例えばこれまでは、テレビCM素材は放送日の中4日前に入稿する必要があったのですが、AdRMでは直前でも入稿可能に。
広告主からすれば、天気など世の中の動きに合わせてCM素材を使い分けられるというメリットがあります。
また、「インプレッション取引」にも注目です。
これまでのスポットCMの取引ではGRPが使われていました。
GRP(Gross Rating Point)…一定期間に放送されたテレビCMの視聴率の合計
これが、インプレッション取引になることで、テレビCMとネット広告が同じ単位で揃えることができます。
よりメディアミックスという観点で広告主も考えることができる😊
AdRMが新たなゲームチェンジャーになることが期待されているのです。
縦型ショートドラマでZ世代を掴む
日本テレビといえば、先月「ごっこ倶楽部」を始めとした縦型ショートドラマでZ世代から支持を受け続けるGOKKOとの資本業務提携を決定。
若者に観てもらえるよう新たな一手を打ちました。
〈CreatorZine / 2024年7月16日〉
日本テレビは現在、若者を中心に人気が高まる縦型ショート動画への取り組みを強化しています。
GOKKOとは昨年、TikTokで縦型ショートドラマアカウント「毎日はにかむ僕たちは。」を開始。
同アカウントは、何とZ世代の約3人に1人が認知しており、約4人に1人が実際に視聴している人気アカウントに成長しています。
平均再生数350万回、総再生回数10億回以上を記録。
そして、TikTok上半期トレンド大賞2024でのノミネートやショードラアワードでバズり賞を受賞しています。
そうした実績もあって、GOKKOとのよりいっそうの共創体制を構築するため、資本業務提携を決定したというわけです。
今後は2社の得意な部分を重ね合わせながら、地上波や配信ドラマを絡めたZ世代向けメディアミックスコンテンツを創出していくとのこと。
そのためには、優秀なドラマクリエイターが増えていくことが必要ですが、2社としては
「世界中の人々が感動するショートドラマ制作を通してドラマクリエイターの収入が増え、日本のドラマクリエイターが憧れの職業になり、その結果としてドラマクリエイターが増え、さらに多くの良質なドラマで世界の感動総量が増えることを目指していく」
と熱き想いを胸に抱いています。
さらに日本テレビといえば昨年、スタジオジブリを子会社として迎え入れましたが、こうした新しい組み合わせを模索することは、テレビ業界全体で活性化されていくでしょう。
「切り抜きOK」の新番組
SNSとの共創ということでいえば、フジテレビがTikTokとタッグを組んだ『1分deトレンドシェア キリヌキ🉑TV 〜ウチのキリヌキはご自由に〜』に注目が集まっています。
〈めざましmedia / 2024年8月19日〉
これは番組タイトルにあるように「切り抜き自由」な番組。
SNSでは既存のコンテンツの一部を切り取って加工する「切り抜き動画」(違法使用動画)が少なくないですが、この番組はあえて逆に「全てOK」にし、SNSへの配信を促しているというわけです。
加えて注目のTikTokクリエイターやタレントも出演し、最新トレンドや、切り抜き動画の仕組みを紹介するとともに、収録中に人気のクリエイターとTikTokライブを行うという試みも。
非常に「斬新だな〜」と感心したのですが、考えてみると、今年の東京都知事選で躍進した石丸伸二さんも、公式アカウントの力以上に、ユーザーに切り抜き動画がバズり、知名度を高めたと言われています。
今回のフジテレビの挑戦は、「マイナスをプラスに変える」というカウンターパンチのような発想に「お見事!」と言うしかありませんね〜😊
とはいえ、芸能人の権利問題など、調整はきっと大変だったことでしょう…
そうした壁を乗り越えるからこそ、新しい光が見えてくるという良きお手本です。
イノベーションには勇気と覚悟が必要ですが、非常に刺激になりました。
〜ということで、本日は【テレビの復活劇】と題して、3つの事例をご紹介させていただきました。
「ピンチはチャンス」と言いますが、なかなかチャレンジできないというのも本音です。
こうした事例を参考にしながら、私も斬新かつ有益なものを生み出せればと思っております。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!