聴くと、実る
column vol.1253
BSテレ東の『いまからサイエンス』に今週、豪雨被害の抑制を目指す千葉大学の小槻峻司教授が出演されていたのですが、非常に胸に刺さる言葉を仰っていました。
〈BSテレ東 / いまからサイエンス〉
その前に、小槻さんについて簡単にご紹介させていただきます。
小槻さんは、内閣府が2050年まで進めるムーンショット目標の要素研究に、ご自身が考えた「気象制御のための制御容易性・被害低減効果の定量化」プロジェクトが採択されるなど、まさに科学界の期待のホープ。
そんな小槻さんが
という趣旨のとこを仰っていたのです。
実際、ムーンショット目標に採択された際も、コンサルタント会社に勤め、企画書づくりのプロである奥さんにボコボコに言われながらも「ありがたい」と感謝して完成させていったとのこと。
と、分かっちゃいつつも、…なかなかできない…というのが本音です…
…ということで、本日は自戒の念を込めて、聴くことの大切さを改めて確認したいと思います🫡
「働きがい」を生む聴く力
ちなみに、「聞く」ではなく「聴く」と表記しているのにはワケがあります。
『まず、ちゃんと聴く。コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比』の著者で、エール株式会社 代表取締役の櫻井将さんが
と定義していることに倣っております。
聴くは、「自分の解釈を入れることなく、意識的に耳を傾ける行為」。
そうした姿勢を体現していらっしゃるのではないかと思う経営者の一人が、サイボウズ株式会社 代表取締役社長の青野慶久さんではないでしょうか。
同社は今年、日本経済新聞による調査で「働きがいと働きやすさを両立したプラチナ企業」の1位に選ばれているのですが、最近、求人ボックスジャーナルの青野さんへのインタビュー記事を読んでますますそう思いました。
〈求人ボックスジャーナル / 2024年7月18日〉
青野さんは物事を会社で決める際、あくまでも「社長=平等な一票」の意識を持っていらっしゃいます。
働き方の改善についての議題は、社員全員に対して公開しているようで
と、フラットに意見を言い合う風土を築き上げていらっしゃる。
そして、青野さんが「これだ!」と思って立案したものも、反対する社員が多ければ「見送り」と判断されています。
逆に、誰かの意見に青野さんが反対したとしても、賛成する社員が多ければ採用する。
「自分の意見を通したい」という気持ちを捨てて
ということを追究されているわけです。
見習うべきリーダー像です…😅
聴くと、応援される
聴くべきは社員からだけではなく、お客さんからもそうでしょう。
顧客の声を熱心に聴く好事例といえば、日本で一番売れている雑誌「ハルメク」です。
座談会やイベントで興味や悩みを吸い上げて特集テーマを決め、オリジナル商品を開発。
長い人生をよりよく生きたいとの価値観を共有する読者組織がファンクラブ的に機能し、雑誌と物販を支えているのです。
〈産経新聞 / 2024年7月20日〉
編集部が最も大切にしているのが読者との対話で、年間70回近くの座談会を開き、読者はがきは毎月約2千通も届くとのこと。
読者の声に耳を傾けていると、時代の変化を感じられる。
例えば、「お金」というテーマについても、以前は「節約」の話が多かったそうなのですが、今は「投資」に関心が移ってきているようです。
もちろん、中には厳しい意見が飛び交うことも覚悟しなければなりません…
ハルメクのおせち試食会では
という率直な意見も出たそうですが、こうした声も受け止めなければならない…
中国史上最大のリーダー書との呼び声が高く、日本でも徳川家康、渋沢栄一、栗山英樹監督にも影響を与えたとされる『貞観政要』がまさにそうですが、
だと改めて感じますね…(汗)
ちなみに、『貞観政要』に興味を持った方は、ぜひこちらもご覧くださいませ。
「ありがとう」は長生きの秘訣
結局、諫言を「痛い」と思うのか、小槻教授のように「ありがたい」と思うかが大きな差を生むということなのでしょう。
…ついつい、忘れがちになってしまうのは、…私だけでしょうか…(苦)
もしも、「ワイも」と同感してくれる方がいらっしゃったら、「感謝の想い」が持つ力を共有して、本日は締め括りたいと思います。
ハーバード大学のイン・チェンさんが4万9,000人以上の女性を対象にした調査によると、
感謝の気持ちを測定する質問票での得点が高かった女性では、低かった女性に比べてあらゆる原因による死亡(全死亡)のリスクが9%低いことが明らかになったそうです。
〈@DIME / 2024年7月21日〉
調査結果を受けて研究グループは
と説明。
またチェンさんは
と仰っているのです。
こうした感謝の念が持つ素晴らしさも頭に入れつつ、心を磨いていきたいと思います😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
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