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“他者の目”が情報収集のカギ

vol.111

当社の先代社長である谷口正和が、私たちに残してくれた貴重な財産の1つが「イマジナス」という時流分析会議です。

毎週火曜日の朝にメンバーが集まり、1週間のトピックス今後の新しい兆しを出し合う会議。

それを3つのキーワードに集約レポートにまとめ、翌週月曜日会員企業さんメルマガ配信しています。

この会議の特徴は、メンバーが流動的であること。

3人の固定メンバー以外はローテーションで回すので、毎回集まる人が変わります

当然、ベテラン社員、中堅社員、若手社員など、様々なキャリア・年代の社員が集まる。

その上で、以下の3ヵ条を徹底しています。

(1)毎回テーマを決めない
(2)他者の発言を否定しない
(3)忖度が生まれないよう工夫する

特に(1)「毎回テーマを決めない」という話をすると、初めて聞いた人からは驚かれます

谷口が一番求めていたのは「他者の目」

彼に会ったことがある方なら分かると思いますが、その圧倒的な知識量に驚かされます。

他界する80歳まで、私たちミドル世代よりも若者文化・トレンドのことをよく知っており、一体頭の中の構造がどうなっているのか、近くにいながらいつも不思議に思っていました。

そんな谷口の知識量を支えていた1つがイマジナスだったのですが、彼は徹底的に他者の目を活かして、自分が見落としている時流の目を拾っていたのです。

だからこそ、なるべくフラットで意見しやすい会議の環境を整えたのだと思います。

最近でこそ、「フィルターバブル」「エコチェンバー」という言葉によって、情報収集自分の興味関心や信条によってセグメントされやすいことが知られるようになりました。

そうした傾向を回避することをイマジナスが始まった1980年代から、ずっと続けてきたわけです。

谷口は生涯で88冊の本を出したのですが、そうした意識と努力の賜物だったのだと思います。

私もなるべく自分のフィルターから漏れた時流の種を拾おうと努めているのですが、これが本当に難しい…(汗)

最近でいうと、Z世代ではお馴染みになりつつある「Yap」というトレンドワードを見逃していました…😅

〈TABI LABO / 2024年7月3日〉

Yapとは、(他愛もない話を)けたたましく喋り続けること。

もともとは子犬がキャンキャンと吠える様子を表す言葉だったそうなのですが、Z世代の間では前者の意味で浸透しているとのこと。

TikTokには、yapする自分の様子や、ついついyapしてしまう「yapper」としての苦悩を語る動画が連日投下。現在「#yapping」の投稿件数は、実に19万件以上にのぼっているのです。

著名人の間でも、よく使われるようになっており、ビヨンセさんも新アルバム『Cowboy Carter』の収録曲の歌詞に「yap」を使用。

K-POPアイドル「NewJeans」ハニさんも、自身のことを “完全なるYapper” だと語っております。

「yap」を知ることで、“おしゃべり好き”という場合によってはネガティブに捉えられる特徴を、「親しみやすさ」「愛嬌」など、ポジティブなイメージに昇華しようとする現代人のインサイトが垣間見えます。

そうしたことがマーケターとしてのインサイト理解にもつながるというわけです。

これは、noterさんも同じだと思います。

新しいムーブメントを知ることで、社会全体のマインドの傾向が分かり、より読み手の心に刺さる記事を生み出すことができる

そんな一歩として「他者の目」を活かした情報収集というものを理解していただけると幸いです😊

ちなみに、ハニさんといえば『青い珊瑚礁』でしょう。

東京ドーム公演で松田聖子さんの懐メロを披露したことで、SNSでバズりにバズっています。

〈VIET JO / 2024年7月5日〉

これも、最初に知るきっかけになったのは、私の妻です。

ある日突然、家で普段歌わない『青い珊瑚礁』を歌い出したので

何で急に松田聖子??

と、ツッコミを入れたつもりだったのですが、返す刀で

えっ…?? 知らないの? 遅れてるよ!

と斬られました(笑)

ちなみに、私もSNSで動画を見ましたが、ベトナム人のハニさんが上手な日本語で歌っており、確かに多くの人の心を掴んだワケが分かります。

そして、昭和レトロ文化は日本の若者だけではなく、世界の若者を魅了できるようなパワーがあると改めて感じました。

〜ということで、他者の目で自分の目から抜け落ちた時流の種を拾い分析し、より “今” を深く理解する。

そして、その積み重ねが次の時代の予測につながっていくという、谷口流の情報分析技術の一端を感じていただけたでしょうか?

今回の話が、何かのヒントになったらと願っております😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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