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「一次情報」に触れるモードへ
column vol.917
コロナ禍において、マーケターとして辛かったことの1つに「一次情報」に触れにくいことがありました。
一次情報とは「自分が直接体験をすることで得た情報、もしくは自ら行った調査や実験で得た情報」という意味。
一方で二次情報とは「自分の直接的体験による情報ではなく、一次情報を持つ他人から得ることのできた情報」という意味。
メディアから入手した情報がまさにそうですね。
当社では小売業のマーケティングが多いのですが、来館調査や、イベントを通じてクライアントの顧客と触れ合う機会が多いので、そこである程度実態を掴むようにしています。
また、さまざまな業界の人と交流したり、現地取材をすることで得られるたくさんの情報もあります。
しかし、コロナによる行動制限により、一次情報に接する大幅に減少してしまいました。
それでも去年から少しずつ一次情報に接する機会も増え、特に今年に入ってから急激に回復してきたので、社会認識の解像度がよりクッキリと上がってきていると感じています。
二次情報だけに触れる危険性
一次情報の獲得は二次情報で得た内容を検証する目的でも行われます。
二次情報はあくまでも伝聞であり、直接事実を見聞きしているわけではありません。
二次情報は悪気はなくても発信者のスタンスは出てしまう…
また、メディアは一方向に大勢をつくりやすい傾向にあります。
例えば最近、メディアの報道に待ったをかけた記事があったので共有させていただきます。
マネーポストWEBの【「若者に風呂なし物件が人気」報道への違和感 女子学生は「『レトロブーム』で若者の貧困を片付けないで」】という記事です。
〈マネーポストWEB / 2023年1月22日〉
最近、若者たちの間で「あえて風呂なし物件を選ぶ」というライフスタイルが人気化していると複数のメディアが報じており、これは昭和レトロブームの一環だと定義しているわけです。
もしくは、最小限のモノを中心とした“持たない生活”である「ミニマルライフ」志向であるとしている。
しかし、若者からすれば、好き好んで風呂なし物件を選んでいるわけではなく、お金がなく、仕方なしに激安物件を選んでいるに過ぎないのです。
二次情報には「知らんけど」を添えておく
実際、若い人たちへのリサーチでは、「お金がない」「お金をもっと他のことに使わざるを得ない」という切実な思いもあることが多い。
それは、シェアエコノミーやリセールについても同じで、確かにSGDsの観点で意識高く選択している人もいますが、一方で、コスパ良く生活するための選択肢として賢く利用している人もいる。
やはり、二次情報だけでは分からない世界です。
私の専門である小売業でも改めて一次情報を得ることの大切さを唱えています。
小売業はこれまで販売代理業という役割を担ってきてきました。
その原点に回帰し、いかに顧客の要望を直接聞けるかが非常にカギになるかと思います。
今年こそ一次情報を得られるよう努力したいと思います。