あの企業も「宇宙」へ
column vol.1180
10日の日米首脳会談で協力強化が鮮明になった1つが「宇宙」分野です。
それは防衛・安全保障の面だけではなく、次なる産業の育成という経済面でも重要視されています。
具体的な事例として、日系宇宙開発企業のアストロスケールの米国子会社であるアストロスケールUSは昨年、米宇宙軍と人工衛星に燃料補給を行う衛星の開発に関する契約を交わしており、同分野における日系企業の今後の活躍が期待されています。
そして、「4月10日」「日米」といえば、度々私の記事でもご紹介させていただいている日本のスタートアップ「ispace」がアメリカの「Blue Canyon Technologies」と協力していくことがニュースになっていました。
〈UchuBiz / 2024年4月11日〉
ispace USが予定している2026年の月着陸ミッションに活用する2機の小型衛星の基盤となる衛星バスの設計と製造を、Blue Canyonが担っていくことになったのです。
〜と、4月に入ってから盛り上がりを見せている宇宙分野。
そんなワケで、宇宙ビジネスについて本日はお話ししようと思うのですが、今年入ってからチョイチョイ取り上げているテーマだけに
今回は少し変化球でいきたいと思います😊
というような事例をお届けさせていただきます。
ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。
保険会社が「情報サイト」を開設
まずは「4月10日」の2日前、今月8日に東京海上日動火災保険株式会社が宇宙関連の情報サイト「SpaceMate(スペースメイト)」を開設。
宇宙旅行に関連した保険やさまざまな情報を発信していくそうです。
〈スマートモビリティjp / 2024年4月11日〉
実は同社は、宇宙ビジネスが盛り上がりを見せる遥か前、1970年代から人工衛星やロケットの打ち上げなど宇宙特有のリスクに対する保険商品の提供やコンサルティングを行ってきているのです。
そして昨年4月、およそ50年にわたって培ってきた知見を活かして、産業の発展に貢献する「宇宙プロジェクト」を始動
同プロジェクトでは保険商品の開発だけでなく、宇宙産業企業との協業、人工衛星データによる災害予測精度の向上、宇宙飛行士を始めとする人材の育成など、関連する幅広い取り組みが行われています。
また、JAXAが展開する宇宙飛行士募集のサポーターとして参画。
他にも、宇宙ゴミを軌道から外して大気圏に突入、焼却廃棄するEDT(導電性テザー)装置を開発するALE社との協業など、すでにいくつかのプロジェクトが進んでいます。
そして、今回開設した「SpaceMate」は、宇宙旅行が当たり前になるであろう近い未来に備えて情報を発信いくというわけです。
スペースXが宇宙旅行を始めたとはいえ、まだまだ人類にとって宇宙に旅立つことが身近になることは、まだまだ先の話…ですが
こうした動きがあることで一般化が近づくことは確かでしょう。
不動産会社が進める「拠点」づくり
続いては不動産業界です。
三井不動産が、社内に「宇宙ビジネス・イノベーション推進部」を新設したことを発表。
併せて、一般社団法人のクロスユーと共に日本橋三井タワー7階の「X-NIHONBASHI TOWER」を2025年1月に拡張することも明らかにしました。
〈UchuBiz / 2024年4月10日〉
拡張するフロアには、コアテナントとしてJAXAが入居して、「宇宙戦略基金」を運営。
こちらは、民間企業や大学などに資金を供給して、商業化支援やフロンティア開拓、先端技術や基盤技術の開発強化を支援するためのものです。
宇宙戦略基金の他にベンチャーキャピタルなど資金供給を担うプレイヤーが民間企業と連携、共創するためのラウンジスペースも設ける予定とのこと。
実は、三井不動産も1990年代後半から、官民と地域が一体となった「日本橋再生計画」の中で、「新産業創造」の戦略カテゴリーとして宇宙ビジネス領域を掲げて取り組んできました。
日本橋が未来への「架け橋」となるのか?
ちなみに、いつか火星に人類が住むようになったら、不動産会社も宇宙進出するわけですが、そうした青写真も今後は見えてくるでしょうね。
そんなことも夢想しながら、動向を見守りたいと思います!
宇宙での新たな「写真撮影」
宇宙旅行や、宇宙での生活。
そうくれば、やはり日常化するのは「写真撮影」ではないでしょうか?
そうした未来の一歩につながるイベントをソニーが仕掛けております。
同社では宇宙感動体験事業「STAR SPHERE」を進めているのですが、超小型人工衛星「EYE」を用いて、参加者が宇宙から撮影できる新たなサービス「宇宙撮影体験」を実施。
3月~4月に実施した第1回の体験にはたくさんの応募があり、抽選で選ばれた30組の方々が宇宙撮影を体験しました。
〈DRONE / 2024年4月15日〉
この宇宙撮影体験は、参加者自身が地球を周回している「EYE」へ撮影指示を送り、宇宙からの撮影ができるというサービス。
宇宙空間における「EYE」の位置やカメラアングルなどをシミュレーションしながら、カメラのシャッターを切る箇所をリクエストできます。
そして後日、「EYE」が撮影した1枚の宇宙写真が届くという流れ。
実は現在、4月22日(月)まで、第2回の募集をしており、5月〜6月に体験ができます。
(今回は60組まで参加枠が拡大)
“映え” も大気圏を超える時代になったというわけですね😁
〜というわけで、本日はザ・宇宙関連企業以外の事例をお届けさせていただきました。
私の仕事であるマーケティングも、いつか宇宙に飛び立つ日を夢見て、本日は筆を置きたいと思います。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!