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適度な「不確実性」がカギ
vol.1360
今日は仕事で東京・葛飾区に行ってきました。
葛飾といえば、こち亀やキャプテン翼のゆかりの地。
ちなみにキャプテン翼ついて、主人公の大空翼が小・中学校時代を過ごした街として描かれる静岡県の「南葛市」は、高橋さんの出身高校である都立南葛飾高校の略称から名付けられたというのは、ご存知でしょうか?
そして今は、原作者である高橋陽一さんが葛飾のJリーグチーム「南葛FC」のオーナー兼代表を務めていることで「南葛」という名前が再びフューチャーされているのです。
ということで、葛飾を歩き、小学生の頃を思い出す。
そして、小学生の頃の思い出といえば「カプセルトイ」です。
今日も外出先の至る所で、よく見かけました😊
カプセルトイが度々ブームに
カプセルトイといえば、私が小学生の頃に熱中したのが、こち亀、キャプテン翼と並んで当時の少年ジャンプを賑わせたキン肉マンの「キン消し」です。
毎回、ガチャガチャを回すたびに、ドーパミンが爆発するほど興奮したのを覚えています。
そして、このカプセルトイこそが本日のテーマ「適度な不確実性」の話の、まさに肝。
ヒットのヒントと言えるのです。
その理由を話す前に、いかにカプセルトイが凄いかということを先にお伝えさせていただきます。
カプセルトイは、人によっては「えっ、いまさら??」と思うかもしれないのですが、定期的にブームになっていて、今は第5次ブーム。
2023年度の市場規模は約1150億円で、前年度(約720億円)から59.7%もアップしています。
〈ITmediaビジネスONLINE / 2024年12月13日〉
カプセルトイ専門店も数々生まれており、店によっては、買ったカプセルトイを撮影するためのブースが併設されている所も。
こうした専門店は2020年頃から増えていて
●ガチャガチャの森
●gashacoco(ガシャココ)
●ガシャポンのデパート
●#C-pla(シープラ)
●カプセル楽局
など、多くのブランドが登場。
日本カプセルトイ協会によると、昨年度は200店舗以上の専門店がオープンしたとのこと。
まさに群雄割拠のカプセルトイ戦国時代なのです。
不確実性がコミュニケーションの種
なぜ今、カプセルトイが勢いを増しているのか?
様々な要因はあるのですが、『ガチャガチャの経済学』の著者の小野尾勝彦さんの次の分析が面白いと思いました。
「ユニークな商品を見つけたときの驚き、見事コンプリートしたり、めったに出ないレアアイテムをゲットしたりしたときの喜びをインスタグラムなどに投稿する。(中略)ガチャガチャは手ごろな値段でコミュニケーションを仲介できるツールなのです。いわばガチャガチャはSNSという新しいメディアのネタとして最適だったのです」。
何が当たるか分からないというドキドキ感がありつつ、何が当たっても、そこまでガッカリすることはない。
そして何より、当たったものを通して友達とのコミュニケーションが生まれることがポイントになります。
人気のキャラが出れば誰かに言いたくなる。
微妙だったら、誰かと交換する。
そして最近では、SNSを通じて、そうした一喜一憂を発信することだってできるわけです。
それは、先日【「面白がり」を育む】という記事で紹介したミスタードーナッツの「ポン・デ・ディグダ」現象も、そこがポイントでした。
こうした誰かとコミュニケーションしたくなるという気持ちとSNS発信が相まって、カプセルトイブームは熱を浴びているのです。
昨今のSNS熱との共通点
SNSといえば、そもそもSNS自体が「適度な不確実性」がユーザーを惹きつける要因になっている。
TikTokは、まさにアルゴリズムによって自分に最適な動画が次々と目の前に現れますが、でも何が出てくるか分からないという不確実性もある。
よくある動画だなと思うこともあれば、おっ新しい!と思うこともある。
これもカプセルトイのガチャガチャ感を体感できているわけです。
そして、極め付けなのがBeRealでしょう。
私のアカウントでも度々登場していますが、ランダムに来る通知から、2分以内に写真を投稿しなければならないルールで、若者の間でブームになりました。
〈NHK NEWS WEB / 2024年9月2日〉
いつ通知が来るか分からないという不確実性。
でも、このプラットフォームは、基本的には気心知れた仲間同士で楽しむもの。
仮にスッピン姿や、寝グセヘアーでも、ご愛嬌となるわけです。
…まぁ、BeRealは授業中やバイト中に通知が来るなど問題もあるわけですが…、「適度な不確実性がヒットの種」という今回の話につながるということで受け止めてくださいませ。
個人的に最近楽しんだ適度は不確実性は、おみくじです。
おみくじは必ず初詣で行うのですが、これも非常に適度。
大吉や吉などが出れば素直に嬉しいですし、小吉・末吉なら、まだまだ運が上がる余白があると思える。
その流れで、仮に凶が出ても、今が運勢としては一番底で、「メ(芽)」が出ているから「これからだ!」と前向きな気持ちになるわけです。
だから、結果何が出ても「ラッキー」と感じる〜
でも、毎回何が出るんだろうとワクワクしてしまう。
皆さんも、皆さんを魅了する「適度な不確実性」を探してみてください。
そして、自社のビジネスにおいて、それを仕掛けられると何かヒットのきっかけになるかもしれませんね。
私の仮説は適度な不確実性がありますが(笑)、ぜひ前向きな気持ちで捉えていただけると幸いです😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!