求心力をつくる「叩かれ台」
vol.88
理生さんに【「余白思考」で常識を超える】という記事をご紹介いただいたこともあり、本日は「余白」についてのおまけ話をお届けしたいと思います。
皆さん、アイデア出しのミーティングに案を持ち込む際、なるべく練ったものを出そうと心がけていらっしゃいませんか?
実はそれよりも「隙」、つまりは「余白」があった方が良いという考え方もあります。
この隙とは、「他の人の意見やアイデアを盛り込む」ための余白です。
よく企画案を出す時に「叩き台」という言葉がありますが、そうした余白を持った考え方を『仕事は1枚の表にまとめなさい。』の著者で、ソフトバンクCSR本部長の池田昌人さんは
という言葉で表現しています。
〈PRESIDENT Online / 2024年4月6日〉
まず、アイデア出しとは、参加者全員が自分なりの考えを練って持ち寄るわけですので、当然、各々が自分の案に思い入れがある状態なわけです。
いわば、「自分のアイデアを通したい」とライバル心を持っている状態と言い換えることができます。
だからこそ、名案を浮かんだ場合、誰からも突っ込まれないように詳細まで練りに練りたいはずですが、もちろん、それは十分に練っていただきつつも
アイデアシートや企画書の素案を最初に出す段階では、あまり詰め込まない方が良いと思います。
凄く良いアイデアなんだけど、まだ十分に詰め切れていないと思わせる状態でチームメンバーに見せた方が良い。
なぜなら、無事、自分のアイデアに決まったとしても、チームメンバーの協力を得ないといけないからです。
…やはり、自分のアイデアを推し進めたいという気持ちもあるわけで、どうしても他の人のアイデアに取り組む場合は自分事化できなかったり、心の熱が冷めてしまうことは多い…
一方、チームでの仕事はメンバーがポジティブな気持ちで取り組めた方が成果は出しやすいわけです。
そうした2つのことを上手く調和するためにも、誰も何も言えないような状態で案を固めてしまうより、最初から「叩かれる」ことを戦略的に設計し、メンバーたちの意見やアイデアを取り入れていく方が上手くいく。
企画の骨子は絶対に折れないように理論武装し、詳細の部分は皆が参画できる余白を残しておくというイメージです。
もちろん、事前に詳細まで考えておくことは必要で、仮に周りから意見やアイデアが生まれなかったら、自分が用意していた内容で進められるようにしておいた方が良いでしょう。
(また、詳細まで考えておくことで、骨子をさらに強くすることにもつながります)
ただ、なるべく他の人の想いを取り入れた方が、自分一人のやりたいことではなく「チームみんなのやりたいこと」になる。
そんなイメージです😊
これも「余白思考」の「本質」と「余白」に通じますね。
これは企画という話だけではなく、仕事において全てに言えることで、自分のやりたいことに対して、どのように他の人の思いを重ねていけるかが、チームで仕事をする上で非常に重要だと思います。
当社の社訓に「成果を分かち合う」という言葉があるのですが、「評価も分かち合う」。
つまり、手柄をみんなで分け合うような心の余裕を持っている人が、結局は組織(チーム)の中心になっていく。
そんなことを日々仕事を通して感じています。
…なかなか頭では分かっていても、心でできないことなのですが…
「余白思考」のおまけ話として、今回はお届けさせていただきました。
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!