未知なる感動をつくる
column vol.1291
今朝、ニュースチェックしていたら、パタゴニアの新たな一手に目が釘付けになりました。
それは、同社が手掛ける食品事業「パタゴニア プロビジョンズ」が、世界で初めて「リジェネラティブ・オーガニック認証」を取得したパスタを開発したのです。
〈Forbes JAPAN / 2024年9月16日〉
地球に正しいと思ったことをトコトンやる。
だからこそ感動が生まれ、熱烈なファンが多いわけですが、最近改めてお客さんに「感動」を届けることの重要性を感じています。
そこで本日は事例を絡め、その大切さをお話ししたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊
全ては「感動」を基準に考える
感動を軸にマーケティングを考えている企業の1つが、丸亀製麺を展開しているトリドールホールディングス。
同社では、「KANDO(感動)ドリブンマーケティング」戦略を掲げています。
〈DIGIDAY / 2024年7月23日〉
トリドールといえば、2023年度の売上収益が前期比23.2%増の2319億5200万円と過去最高を記録。
その勢いは止まりません。
では、KANDOドリブンマーケティングとは何なのでしょうか?
これは、「感動」をつくることを意思決定の真ん中に置き、それを中心にマーケティングを組み立てるというもの。
具体的には
の4つを、感動創造の中心においてスパイラルアップさせるマーケティングです。
名付けて「丸亀スパイラルモデル」。
働きがいをつくり、世の中に良いことを行い、顧客に感動を与えていき、それが企業価値を高めていく。
その中で注目したいのが「未知」への挑戦です。
「丸亀シェイクうどん」や「丸亀うどーなつ」など、今までになかったアイデアを世に出し、ヒットさせている。
やはり、多くの感動は新しい出会いの中にあるわけです。
それは、冒頭のパタゴニアのリジェネラティブ・オーガニックパスタにも言えることでしょう。
こうした未知なる出会いの創出は、大丸、松坂屋、パルコなどを運営するJ.フロント リテイリング最年少社長、小野圭一さんの次の言葉にも通ずるところがあります。
感動の種が埋没するワケ
「お客さんの感動」を軸にするというのは、多くの人たちに共感されるはずですが、…しかし、なかなか世の中そう理想通りにはいきません…
なぜなら、新しい挑戦にはたくさんの壁があるからです。
トリドール社長の南雲克明さんも、丸亀うどーなつを企画した際、厳しい場面に直面します…
テスト販売は好調だったものの全店で展開するオペレーションの難しさから最初は「無理だ」と経営陣以下、全員が反対…
私だったら…、ここで諦めてしまうかもしれませんが、、、
南雲さんは
と確信し、粘り強く社員に働きかけを継続。
そして、3年間の努力が実り、実現したのです。
感動を軸にするという明確な方針を打ち出している上で、お客さんが感動している未来をイメージさせる。
そうしたことの積み重ねが大きかったのではないでしょうか。
さらに、主観だけに頼らず、お客さんのことを徹底的に知ろうとされています。
ブランドイメージに関する重要指標をつくり、週ごとにトラッキング。
さらにSNS上の声やアンケートの意見を拾っています。
データだけでは分からない場合は、社長自ら現場に足を運び、お客さんの姿を観察して仮説を立てていくそうです。
そうした地道な努力の積み重ねもあり、企画する上での感動予測の解像度が上がっているのでしょう。
非常に胸アツな話であり、非常に参考になります。
CXとEXを密接にする
新しい挑戦には壁は付き物ですが、一方で乗り越えていくことは、やりがいにもつながります。
分かりやすい例でいえば、プロジェクトXの成功談でしょう。
困難な状況が立ちはだかるからこそ、社員の心が燃え、会社(チーム)が1つになれる。
皆さんも、このNHKのドキュメンタリー番組を観て、心が熱くなったことはあるでしょう。
ヤンキー高校が甲子園に行くという物語もそうですが、挑戦は目的に共感してもらえれば、エンジンになるのです。
アウトサイド・イン(社会課題起点のビジネス創出)の考えが重要視する住宅設備大手リクシル社長、瀬戸欣哉さんも同様のことを仰っています。
同社では、「トイレは、より良い暮らしの出発点」という考えのもと、安全で衛生的なトイレを世界の当たり前するため、2013年からバングラデシュで簡易式トイレ「SATO」を展開。
〈alterna / 2024年6月13日〉
一方で、収支を考えると、…なかなか割に合わない部分もあるわけです…
ただ、そうしたことに対し、瀬戸社長は
と、熱意を語っていらっしゃいます。
トリドールの南雲社長も、EXの高まりがCXの向上につながると仰っています。
お客さんの感動の創出と、従業員の喜びや働きがいをつないでいく。
そのためのビジョンと努力が肝要ですね。
今回ご紹介した経営者の方々の言葉に触れながら、私も感動の量産ができるよう努めていきたいと思いました🫡
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!