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シン・シニアの活力
column vol.1304
83歳の義父がいるのですが、35歳年下の私よりも好奇心旺盛で、新しいものが大好き。
常に色んなことに挑戦しており、非常に刺激を受けているのですが、
義父だけではなく最近、シニアの方々の活力が一層世の中に広がっていると感じます。
〈ITmediaビジネスONLINE / 2024年9月4日〉
例えば、WebやSNSなどデジタルメディアを駆使する方々は増えている。
モバイル社会研究所の調査によると、70代のシニア世代におけるスマートフォンなどのデジタルデバイス所有率は8割を超えており、他の世代の利用率に近付きつつあるのです。
〜ということで、本日は【シン・シニアの活力】と題して、熱き事例をお届けしたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ!
シニアとZ世代の間に
過去にも「アクティブシニア」と呼ばれる消費活動の盛んな高齢者層が注目を集めました。
しかし、年金制度の変更もあり、定年後に積極的に働く方々は増えている。
さらに、コロナによりデジタルデバイスを所有する傾向が高まりました。
こうしたことから、博報堂では「消齢化」というキーワードを掲げ、世代間の違いが縮小していると指摘。
SNSなどを駆使し、時間もお金も余裕があることから、自分の容姿や趣味に投資する行動が増えるなどの態度変容も見られているのです。
博報堂では、この傾向をこのように解説しています。
「令和シニアのこれらの傾向はミドル世代にはみられないものである一方で、Z世代などの若年世代との共通項が意外に多く、特にエンタメ・レジャーなど余暇にかかわる部分でZ世代と近しい検索行動をとることが分かっています。
これらの行動の変化から、令和シニアは「Z世代化」しているのではないか?その結果、「グランフルエンサー」のような存在が出現し、今後この動きは消齢化に伴って加速するのではないか?と令和シニア研究所は考えています」。
シニア世代とZ世代は似ているとなると、我々ミドル世代が一番年寄りマインドなもかもしれませんね…(汗)
確かに、おしゃれな服装や日常の様子を、Instagramを通して発信する「グランフルエンサー」を始め、趣味や仕事のスキルを生かした情報発信を行うYouTubeクリエイターなどが増えています。
例えば、パリのファッションブランド「メゾン キツネ」が経営するカフェで活躍する石井庸子さんがそうです。
〈CHANTO / 2024年10月5日〉
自分らしさを追求する82歳
石井さんは、御年82歳。
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いかがでしょうか?
おしゃれで素敵な女性ですね。
You Tubeや雑誌で人気になり、『パリに暮らす日本人マダムの「手放す幸せ」の見つけ方』という書籍まで出されています。
そして、石井さんが多くの方々に支持されているのはおしゃれなだけではなく、常に「自分らしさ」を追求していらっしゃるからです。
石井さんは
「たいていの人って、YouTubeではわざわざきれいな服に着替えたり、上品に話したりするでしょう?でも、私ったら口が悪いから、普段とまったく変わりなく、なんでもつい正直にぽんぽんと言っちゃうわけ。だけど、そんなところがむしろおもしろいんですって」
と仰っているのですが、きっと、飾らないフランクな姿勢を見せられるのは、それだけ自分のコアが確立しているからでしょう。
私もこれから50代を迎えますが、石井さんのような大人に憧れます。
自分らしさを自然なカタチで大切にし、好きになる。
それができているからこそ、人との比較に対して良い距離感を保てることでしょう。
きっと私の場合、自分の性格を考えたら、比較から完全には解放できるとは思ってはいないのですが(笑)、
でも、心がざわついた時でも、いつも自分に還れる人間ではありたい。
そう思うのです。
そして、そういう余裕が外見からも滲み出る。
そんな大人を目指していきたいと思っております😊
普通の人も輝く時代へ
もちろん、グランフルエンサーだけが輝いているわけではありません。
70歳までの定年引き上げや継続雇用、定年制の廃止などが「努力義務」になりましたが、70歳というバーを超えて活躍される方も増えています。
例えば、従業員約500人が働く大阪市のネジ専門商社「サンコーインダストリー」で総務部長付課長を務める玉置泰子さんは、70歳どころか、御年93歳。
90代の今もなお役職者なのです…(驚)
〈現代ビジネス / 2024年8月29日〉
入社以来67年間、総務畑一筋。
経理や庶務を担当するうちに、経理の仕事で使う道具はソロバンから電卓に変わり、51歳の時、パソコンが導入されます。
新たなスキルを習得するには及び腰になるそうな年代ですが、玉置さんは積極的にチャレンジ。
60歳を過ぎて表計算ソフトの使い方も習得し、今ではパワーポイントも使いこなしているそうです。
玉置さんも、分からないことは20代の同僚にためらいなく質問し、年下の上司に丁寧な言葉遣いで接する。
そして、相手から訊かれない限り昔話はしないといったスタンスを守る、素敵大人女性です。
そんな玉置さんの仕事哲学が
「仕事の中心は会社。任された仕事では自分が主役という気持ちでいれば、年齢のギャップで周囲とギクシャクすることはない」
というお言葉に詰まっています。
謙虚に自分らしく、向上心を持って生きていく。
その積み重ねの甲斐あって、玉置さんは2020年、「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録にも認定されているのです。
ちまみに、90代ということでいえば、玉置さんよりも3歳お姉さんの96歳で北海道の菓子店で看板娘として活躍する方もいらっしゃいます。
後志地方の留寿都村で100年以上続く元祖みそまんじゅうの店「梅屋」の坂田愛子さんです。
〈Sitakke / 2024年10月1日〉
…し、しかも、趣味の日本舞踊や、ボランティア活動もしているスーパーウーマン。
その活力の源について、坂田さんは
「人のために一生懸命頑張ろうというね。そういう気持ちがあるからでない?だからやっぱり社会貢献することも、活気のひとつじゃないですか。何でもやりたいことあればさ、目的あれば、やっぱり生きられるんじゃないかな」
と仰っているのです。
「目的」と「社会貢献」。
生涯現役で活躍したいと思う人生の本質だと感じました。
最近は、シニア世代のことをシルバーではなく「プラチナ」と呼ぶことが多くなりましたが、その輝きに刺激を受けながら、私も「シン・シニア」に向かっていきたいと思います🫡
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!