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高めたい「旅の作法」

column vol.984

4月に入って人出がさらに増えましたね

金曜日ギュウギュウの満員電車3年ぶりに味わいました…

休日である昨日も川崎代官山横浜と街を移動したのですが、どこの駅も人の多さに圧倒されました…

コロナは「XBB」など新たな変異株が蔓延しているものの、5月8日からは5類になることもあり、コロナは社会の中で過去のものになりつつあるのでしょう。

そして、昨年との大きな違いは外国人の多さです。

日本政府観光局の発表によれば、今年2月訪日外国人観光客は、約148万人とコロナ禍前の2019年の約260万人の約6割までに回復。

円安もあり、この後のGWにはますますの外国人観光客の姿を目にすることになるはずです。

特に人気観光地の京都ではさまざまな新しい傾向が見られます。

「賃金の引き上げ」予定の企業は5割超

面白いと思ったのは「宿坊」人気です。

もともと人気ではありましたが、“アメージング” な観光として、海外の方々からますます注目を集めています。

〈テレ朝NEWS / 2023年4月8日〉

天空の聖地とも呼ばれる、世界遺産の高野山では大人1人1万円台から5万円台の部屋があるのですが、連日50〜60人ほどの外国人観光客が宿泊。

この人気を受けて、地域全体でも、外国人観光客の取り込みを強化しているようです。

伝統工芸品や至る所にヒノキをあしらった1泊8万円の部屋を新設したり、日帰りで体験ができる新たな富裕層向けのプランも始めているとのこと。

町では外国人向けに公共交通機関が整えられたり、新たな飲食店のオープンなども控えているそうです。

もちろん、国内の観光客も京都好きの人は多いので、日本人観光客の宿泊数だけでも今年の1月には、コロナ前の2019年と同水準まで回復しています。

当然、国内外問わず多くの観光客が訪れれば、経済は潤います

京都市が2月28日に発表した中小企業経営動向実態調査を見ても、2022年に賃金水準を引き上げた企業は約6割

2023年に引き上げを予定している企業も5割を超しています

景況判断も、観光関連は、7.3ポイント上昇し、82.8

これはコロナ禍以降では最高水準です。

観光客の回復が飲食業や宿泊業に好影響を与えていることが分かりますね。

「SNS検索」により旅の作法が低下

と、経済面では非常に良い傾向が見られる京都ですが、…やはり多くの人たちが集まることで懸念されるのが「観光公害」です…

〈YAHOO!JAPANニュース / 2023年3月27日〉

3年前までとは異なる傾向もあるようで、市内に住む女性Aさんはこのように話していらっしゃいます。

観光客が急増し、インスタなどを見て街歩きをする人が増えてきているせいで、個人の住宅のところにまで観光客が入り込み、写真を撮るなど、住民にとっては不愉快な行為も増えてきている。

ここで注目したいのが、コロナ禍前と比較すると、SNSなどで情報収集する傾向が一層強くなっているそうです。

それは、複数の飲食店経営者も指摘しており、個人経営の店舗でも、画像などだけで来店し、マナーを守れていない観光客もいるとのこと。

料理店の経営者Bさん

観光客が多過ぎると、他府県から通ってきてくれていた常連客が混雑を嫌って、来なくなってしまうのではと、心配している

と語っております。

確かに、日本人の自分に置き換えて考えても、昔は『地球の歩き方』などガイドブックを読んで海外に行っていたので、そういった本は旅先だけではなく、その国のルール&マナーまで教えてくれていました。

コロナ前の数年は、Webサイトや、SNSブログなどで情報収集するようになりましたが、私の場合はガイドブックの経験があるので、自ずとルール&マナーを調べていました

ただ、もしもそういった経験がなければ、SNSの断片的な情報で旅をしてしまっていかたかもしれません…

自分の欲しい情報が断片的に簡単に手に入る時代だからこそ、改めて各国における旅の作法をしっかりと学ばないといけないと感じるニュースでした。

「迷惑観光客お断り」キャンペーンに注目

…ということで、何か解決策を講じていく必要があるのですが、その1つの参考になりそうなのが、オランダのアムステルダムで行われている「迷惑観光客お断り」キャンペーンです。

〈Forbes JAPAN / 2023年4月9日〉

このキャンペーンは現在は英国人限定となっているそうで、今後はヨーロッパ各国に広げていこうとしています。

キャンペーンの話になる前に、…なぜ、英国人に限定しているかについて少し触れておいた方が良さそうですね…

どうやら一部の英国人(特に若者)が長年に渡ってアムステルダムで迷惑行為に及んでしまっているとのこと…

多人数で数日間滞在し、カフェやバーで酒を飲んだり大麻を吸ったりした後、風俗街を訪れ、迷惑行為に及ぶ。

そのような人たちに訪問を思いとどまらせるため、同市でも努力を見せています。

アムステルダムは何世紀にもわたって旧市街での売春を合法としてきましたが、4月からは多くの店の営業時間を午前6時までではなく午前3時までに制限

これまで翌朝までの営業を許可していたバーも、午前2時までの営業としました。

加えて5月には、公共の場での大麻使用を禁止する予定とのこと。

今後は「豊かな歴史や食文化、芸術への愛」がある街であることをアピールしていくそうです。

その上で、キャンペーンの内容は以下の通りです。

18〜35歳の英国男性が対象で、検索エンジンに「アムステルダムで男だけのパーティー」「アムステルダムの格安ホテル」「アムステルダムでのパブ巡り」といった特定の言葉を入力するとポップアップが表示され、新しい規制や、迷惑行為に科せられる多額の罰金犯罪歴が残る可能性に関する警告がなされる。

そして、このキャンペーンはヨーロッパ各国だけに広げるだけではなく、オランダ人も対象にしていくということ。

なぜなら、オランダ人も近年、イタリアの首都ローマでサッカーファンが暴動を起こしたり、スペインで観光客が大暴れしたりしたことで、同様に批判されているからです。

そうして国内外問わず、旅の作法を高めようとしているわけですね。

AIの力でリテラシー向上につなげる

こうしたアムステルダムが行っているポップアップ表示は、今後のSNS検索観光にも活用できるのではないかと思っています。

迷惑行為というのも、本人にその気はなく「知らない」ということで行われてしまう場合も往々にしてあると思います。

例えば、歩きタバコ&ポイ捨てが当たり前の国の人が日本を訪れれば、日頃の習慣が出てしまう可能性はあります。

AIがこのまま急速に進化していけば、ユーザーや地域などのデモグラフィック自動的に分析し、日本の公共マナーとの相違があり、迷惑行為につながりやすい国や地域の観光客に対しては、リテラシー向上のためのポップアップ表示することもできるわけです。

(もちろん、SNSのアプリを運営する企業との合意が必要ですが)

また、すぐにできることでいえば、その地域で起こりやすいトラブルをまとめたサイトを行政が主導となってつくり、SNS広告で属性に合わせて広告配信することだってできるでしょう。

もちろん、他にも対策は必要になるのですが、SNS検索観光が増えているというのであれば、そうした特徴に合わせた一手は打っておきたいところです。

いずれにせよ、ある国の常識かの国の非常識になるということを理解しながら、お互いが気持ちの良い旅行を楽しめると良いですね。

ちなみに私の話をしますと、本当はこの夏に近場でも海外に行きたかったのですが、円安&航空券代が高い…ということもあり、年内は国内に留まりそうです。

ただ、国内でもまだまだ行っていない魅力的な場所があるので、どこにしようかと考えながら、楽しく計画を練っていきたいと思います😊

今年海外旅行に行く予定の方は、ぜひぜひ良い旅を楽しんでくださいませ。

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