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「和敬清寂」が心を繋ぐ
column vol.838
仕事において、やはり人間関係ほど大切で難しいものはないというのは同感いただけると嬉しいのですが、衝突しそうな時ほど、頭に浮かべる言葉が「和敬清寂」です。
和敬清寂とは
お茶をたてる主人と、そのお茶をいただく客が互いの心を和らげて、敬い合い、精神だけでなく茶道具や茶室、露地を清浄な状態に保つことで澄み切ったこだわりのない境地に達することができる。
という意味になります。
考えが違う人々が、一緒に生きるためには、お互いに尊敬し合わなければならない。
そして、そうした心は清らかで静かな心境からしか生まれない。
昔から茶道の精神を言い表した言葉で、禅でもよく取り上げられているのです。
相手への理解は「心の清寂」が生む
…私は茶道を嗜んでいるわけでもないですし…、私が和敬清寂を語るのは恐れ多いということは重々承知なのですが…、お互いが理解し合うには「清らかで静かな心境からしか生まれない」という考え方に非常に共感しています。
やはり、考え方の違う人と話していると、心の中が騒々しくなります。
…つまり平たく言うと、「腹が立ってしまう」…ということです…
しかし、心の中が騒がしい状態で、対話してもなかなか上手くいかないというのは誰もが感じることだと思います。
だからこそ、冷静に相手と向き合い、理解する。
こちらが理解することで相手も清寂を取り戻し、こちらを理解してくれるようになる。
こうした考えは、心を“合わす”合気道にも通ずるところがあります。
マンガ「グラップラー刃牙」の渋川剛気のモデルとなった合気道の達人、塩田剛三先生は「合気道で一番強い技は何ですか?」という弟子の問いに
それは自分を殺しにきた相手と友達になることさ。
と答えたという逸話は有名です。
私はコロナになる前の5年間、合気道を嗜んでいましたが、この「心を合わせる」ということを考えることができました。
この時の経験は、今の人付き合いにとても活きていると感じています。
「心の清寂」を取り戻すためには
…と、頭では分かっていても、ついつい腹を立ててしまうのが人間なのではないでしょうか?
「心の清寂」をどのように取り戻せば良いのか?
そのヒントとなるのが、イェール大学「心理学と幸せな人生」の授業を担当しているサントス教授の教えにあると思いました。
〈lifehacker / 2019年9月10日〉
どんなに良い大学を卒業しても、どれだけ社会的に成功を収めてお金を稼いでも幸せだと感じられない。
その原因をサントス教授は「感謝を忘れること」にあると説いていらっしゃいます。
人は何かを手に入れると、どうしてもそれが「当たり前」になってしまう。
ですから、サントス教授は「それが、もしも無かったら」と考えることで「ある」ことへの感謝を取り戻せると仰っています。
これは人間関係も同じと言えるでしょう。
もしも、考え方の異なる人と衝突し、腹が立った時、「この人がいなかったら」と考えてみます。
そしたら…!
……、…、、、う〜ん…まぁ…それだと…、別の意味で…清々しい気持ちになってしまうかもしれませんね…
コホンっ…、失礼しました…(汗)
ここは「この人がいなかったら困ることは?」と考えてみます。
他にも、この人が自分よりも優れている点ということを想像するでも良いかもしれません。
私は全ての人に対して「一人一敬」という気持ちを持つようにします。
つまりその人の尊敬できる点を必ず最低1つは頭の中に入れておくようにしているのです。
そうして、何かぶつかった時は、その1つなり2つを心の中に入れて清寂を取り戻す。
やはり、人間一人では何もできないですし、ましてや私のような凡人は尚更です。
清寂を常にして大事を成す
立場が上がれば、その分、関わる人も増えていきますし、大事を成すにはそれだけさまざまな人を仲間にできることに越したことはないでしょう。
ちなみに清寂の「寂」とは、どんな時にも動じない心。
何事にも動じない人は、やはりカッコいい。
なかなかそんな人には成れませんが、成る意識だけでもあると多少は違うと信じています。
私の好きな言葉に「知識→意識→無意識」という標語があるのですが、知識を持ち、それを意識する。
最初はなかなか実践できなくても、繰り返し意識すれば、きっとそれは無意識でできるようになっていくはずです。
もちろん
知識→→意識→→→→→→→→→→→→→→→→無意識
…と、意識が無意識に変わるのは、なかなか長い道のりではありますが、「和敬清寂」を意識し続けたいと思います。
本日も最後まで読んでいただいたことに感謝いたします。
ありがとうございました。