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「One More」をデザインする
column vol.1140
11月に入って各社決算の発表が続いていますが、軒並み好調の企業が多いように感じます😊
社員の賃金アップに向けて、利益を1円でも高く積み上げていきたいというのが経営者の本音だと思いますが、それを叶えるためも「客単価アップ」は重要な視点です。
実際、客単価アップへの企業努力をヒシヒシと感じる事例を多く見かけます。
そこで本日は、その努力の一端をご紹介させていただきます。
セブンイレブンの「カップ総菜」
まずは皆さんが恐らく一日一回は訪れるでしょうコンビニについての取り組みです。
最近、お店に行くと「カップ総菜」を見かけませんか?
![](https://assets.st-note.com/img/1699259838367-VGr6A49adL.jpg?width=1200)
プラスチック容器に入った小さめのサラダやおかず。
多彩な種類の商品が陳列されていると高揚感もあり、私もランチタイムはついつい手を伸ばしてしまいます。
実は、このカップ総菜がまさに客単価を上げるための肝入り商品なのです。
〈読売新聞 / 2023年10月24日〉
「もう1品」と手を伸ばしやすいカップ総菜は単身の方や共働き世帯の増加を背景に売り上げが拡大。
各社で新商品の投入や売り場の拡充といった動きが出ています。
コンビニの雄「セブンイレブン」でも発売してから6年で25種類まで増加。
売り場の拡充についても、ファミリーマートでは今年4月に店頭に並べる商品数を倍に。
セブンイレブンは商品棚を2段から4段に増やし、取り扱う種類も充実させました。
さらに、皿を使わずに食べられる気軽さが受けていることもあり、各社は消費期限を延ばすために容器の改良も進めているのです。
ちなみに、私の家から一番近いコンビニがファミマなのですが、ここではおつまみとしての需要を意識し、濃いめに味付けした商品が豊富。
妻が仕事で不在の夜は、晩酌のお供として楽しんでいます。
そうした差別化も含めて、今後もコンビニによる「カップ惣菜」競争には目が話せません。
青山商事×「ウーノ」
続いては「コラボ企画」です。
親和性の高い企業同士が手を結び、販売機会を拡大しようとする試みを1つご紹介させていただきます。
青山商事では「スーツスクエア」など22店舗で、ファイントゥデイが展開するメンズコスメ「ウーノ(UNO)」の取り扱いをスタート。
「身だしなみ」というテーマでアライアンスを組んでいるのです。
〈WWD JAPAN / 2023年10月30日〉
スーツが値ごろな価格で手に入ることから、20代の利用も多い同業態。
社会人としての身だしなみに興味を持ち始めた若い層に向け、時短で完結するスキンケアを揃えています。
また、「若い世代向け」ならではのアプローチだと思ったのが、メイクアップ商品の提案です。
若い世代ほど「メイク」への抵抗が低いことに狙いを定め、BBクリームの「フェイスカラークリエイター」シリーズや、リップクリームの「オールインワンリップクリエイター f」、アイブロウの「ランスクリエイター f」を用意。
さらには、男性に馴染みの薄いBBクリームやアイブロウは、店舗スタッフが使い方をレクチャーすることで、より一層利用のハードルを下げようとしています。
店舗スタッフの提案力を高めるために、先月、資生堂所属のヘアメイクアップアーティストである中村潤さんに協力を仰ぎ、講習会を実施。
「もう1品」というお客さんの気持ちを引き出そうとしているのです。
今回のコラボについて、青山商事の今井康友TSC営業部副部長は
スーツを売っているだけではお客さまとの接点はなかなかつくれない時代になった。身だしなみをトータルコーディネートする場として存在感を高めていきたい
と抱負を語っております。
今回の2社の取り組みにより、 ビジネスシーンでも「コスメ男子」が広がっていくことが予想されますね。
JR東海の「1.5席分」スペース
「ビジネス」という観点でいえば、「出張」に関する「ワンモアデザイン」の事例があります。
出張といえば新幹線。
JR東海は東海道新幹線の車内で仕事をする乗客向けに、「1.5席分」のスペースを確保した新たな座席を先月から販売しました。
〈TBS NEWS DIG / 2023年10月7日〉
東海道新幹線の「7号車」にある3人掛けシートの真ん中の席にパーティションを設置し、1人で「1.5席分」のスペースを広々と使えるようになったのです。
こんな感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1699262539994-cCwiZ7InEl.png?width=1200)
資料などちょっとした荷物を0.5スペースに置くことができる😊
…個人的にはパソコンを打つ際、自分の腕が隣の方の体に当たらないようにと、かなり気を遣ってしまうので、広々スペースは嬉しいところです。
ちなみに、パソコンということでいえば、キーボードを打ちやすいようにテーブルが手前に傾くよう改良されています。
新たな座席は「のぞみ」のほか、「ひかり」や「こだま」でも購入することができ、指定席の料金に1200円を追加で支払うことで利用可能に。
とことんビジネスパーソンが仕事をしやすいスペースにすることで商品(座席)価値を高め、価格を上げていく。
まさに、デフレ経済脱却を目指す今の日本のトレンドにも沿っていると感じます。
他にも、まだまだ客単価アップへの企業努力をお届けしたいと思ったのですが、今日はこの辺で🙇
皆さんのヒントになればと願っております😊