
村を出よう
vol.1368
私は企業のマーケティング活動をサポートしているので、この20数年、様々な会社を見てきました。
そして毎年、初めましての会社とお付き合いしているので、常に新参者の立場を経験しています。
つまり、50歳近くになっても、日々「転校生」のような気分を味わっている(笑)
興味津々な目で見られたり、「どんなもんなのかぁ?」というような目で見られたり、毎回「仲間意識」を持たれるために、もがいているわけです。
大変なのですが、一方、得られるものはかなり多い。
私については、まぁそこまで大した話ではないですが、転校生ポジションを繰り返して成功を収めている有名人がいらっしゃいます。
マルチタレントとして活躍する西野亮廣さんです。
「常に『よそ者』であることで、常に“ゼロからのスタート”を繰り返してきたことで、『どうやって信頼を築き、成果を出すか』の型が自分の中でできている気がします。 おかげで、今となっては『ゼロからスタートする不安』よりも、『どうやって信頼を得てやろうかしら?』というポジティブな感覚の方が強いです」。
〈GOETH / 2025年1月17日〉
なるほど、熱い話です。
〜ということで、本日はあえて「よそ者」として挑戦するメリットをお届けしたいと思います。
ぜひ、最後までお付き合いくださいませ😊
「よそ者」の経験が人を磨く
西野さんと言えば今、コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が第97回アカデミー賞の短編アニメーション部門のショートリスト(15作品)に選出され、話題になっていますが、芸人から始まり、数々の挑戦を繰り返してこられた方。
ご本人も
「あらためて自分の活動を振り返ってみると、キングコング西野亮廣の活動というのは、 芸人から絵本作家コミュニティーに顔を出して、 その数年後に、起業家コミュニティーに顔を出して、その数年後にアニメーションコミュニティーに顔を出して、 その数年後に日本のミュージカルコミュニティーに顔を出して、 その数年後にブロードウェイコミュニティーに顔を出して、 その数年後が今回です。 自分でもビックリするぐらい「ゼロからのコミュニケーション」の連続で、たぶん、転校を繰り返している子って、こんな気持ちなんだと勝手に思っています」
と語っていらっしゃいます。
しかし、冒険でお伝えしたように、「よそ者」経験したことの恩恵を多分に受けている。
新しい分野に進出するたびに、新参者扱いされ、ネガティブな目を払拭するために努力する。
その繰り返しを続けることで、大きく成長し、今の成功を掴んだというわけです。
そこまでのスケールではないにしろ、私もマーケターとして小売、メーカーなどジャンルを問わず、様々な企業の仕事をしてきたことで、本当に色々な文化・考え方・やり方に触れられたことは大きい。
決済も合意形成の取り方も、千差万別、その全てが自分の成長に大きく寄与してくれていると感じています。
意識的に「よそ者」になる
一方、同じ業種や会社にいても、なるべく変化を避けがちな人もいる。
それは何の仕事をしていても同じでしょう。
よそ者を積極的に選ぶか否かは、本人の選択です。
私は「やったことないこと」をなるべく選ぶようにしているので、新しい分野の仕事に取り組んだときは、適応するために、その業界の人と知り合ったり、これまで読んだことのないようなジャンルの本を手に取ったり、1つ1つの行動を、今までの自分のテリトリーの外に向かわせるようにしています。
そこでまた1つ成長できますし、これまでの分野への恩恵がある場合も多い。
新しい知見が、既存の仕事において有効に働くからです。
それに、そもそも既存の仕事をしていても、異業種の人と話すのが良いと言われています。
例えば、マサチューセッツ工科大学・メディアラボ教授のアレックス・ペントランドさんによると、革新的な組織とは「3つのTalk」が溢れていると仰っているのです。
Talk a lot(たくさん話そう)
Talk equally(平等に話そう)
Talk outside(外部の人と話そう)
外部の人、特に異業種の人と話すことで、異なる視点やノウハウが混じり合い、化学反応を起こし、イノベーションが生まれる。
西野さんもよそ者を恐れず、「芸人」「絵本作家」「起業家」「アニメ」「ミュージカル」「ブロードウェイ」といった様々なステージに挑戦してきたからこそ、今回のアカデミー賞につながったということはあるでしょう。
ご本人は記事の中で
「アラフィフになってくると…いや、もうアラフォーあたりで、『それまで動いていなかった人』は今いる場所から動けなくなっています。 理由は『怖いから』です」
と語り、若者に動く勇気を説いていらっしゃいますが、それは、アラフィフの私も負けずに挑戦しないといけないことだと捉えています😊
よそ者を経験できる組織を築く
と同時に、経営を司る身としては、社員がよそ者の恩恵を享受できる組織をつくっていかなければならないと考えています。
そんな想いを後押ししてくださるのが、MicrosoftやGoogleで活躍し、今はテクノロジーによる課題解決と価値創造で企業支援やプロダクト開発エンジニアリング組織づくりの作成支援を行っている、Tably株式会社代表取締役・及川卓也さんのインタビュー記事です。
及川さんは今、20代の若者だったら、以下の3つの条件を会社選びのポイントにされるとのこと
(1)世の中の役に立つ仕事ができる
(2)自由な社風
(3)守りに入ることなく挑戦している会社
〈エンジニアtype / 2025年1月14日〉
非常にどれも心に刺さります。
マーケティングは「売る仕組み」と表現されることが多いですが、言い方を変えれば「企業と生活者」「行政と住民」「人と人」の心と心を結ぶ仕事。
そうした価値を社内にもっと浸透させながら、これまでの自由な社風を大切にする。
そして、「守りに入ることなく挑戦している会社」であることを追求していきたいと思っております。
会社自体が、既存の分野、関係性に留まらず、どんどん新しい分野の仕事に挑戦していく。
組織はついつい「村」化しやすいものなので、新しい挑戦をすれば、自ずと皆が村を出て、様々な人たちとつながるようになるでしょう。
そして、挑戦をみんながワクワクしながら楽しんでいく。
そんな会社を築いていきたいと考えております〜
それには、まずは自分自身が率先して村を出て、今まで以上に様々な挑戦をしていきたいと思っております🫡
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!