
新しい生活者の兆し
column vol.1167
昨日は【Z世代の2023 -トレンド総括-】と題して、若者心理に迫りましたが
本日は時代の変化やテクノロジーの進化によって新たに芽吹いてきた生活者の傾向について取り上げたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ😊
飲料から見える「寄り添いニーズ」
まずは身近な話題から。
最近、アサヒ飲料の白湯のペットボトル飲料「アサヒ おいしい水 天然水 白湯」が人気を集めているそうです。
〈@DIME / 2023年12月8日〉

白湯は意識高い系の方々が飲んでいるイメージですが、ついに一般化してきたというわけです。
アサヒ飲料マーケティング担当の鈴木慈さんはヒットの要因をこのように分析されています。
ミネラルウォーターには「余分なものを体に入れたくない」という飲用ニーズが見られます。天然水は何も添加されていないことが明白であるため、「何が入っているのだろう」と悩んだり、情報を取りに行かなくても安心して飲むことができるのではないでしょうか。さらに、コロナ禍によるさらなる健康志向の高まりにより、白湯を飲用する習慣が生活文化に定着したことで『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』が通年で市場に求められるようになったのでは、と考えます。
「余分なものを体に入れたくない」というニーズというのは、多くの方が共感するでしょう。
最近、消費者が食品を買う様子を観察していると、まずは原材料をチェックする姿をよく目にします。
それほど、皆さん敏感になっている。
その上で、「寄り添い」ニーズが昨今高まっているそうです。
同じくアサヒ飲料では、10月31日に微カフェインのコーヒー商品「ワンダ SLOW TIME COFFEE」をAmazon限定で発売。
マーケティング担当の万代文子さんは開発背景について、このように仰っています。
コーヒー飲用者の消費者インサイトを紐解いたところ、「がむしゃらに頑張る」「とにかく進む」ための「応援が欲しい」というニーズだけでなく、「寄り添ってほしい」「頑張れと言われるとつらい」など「自ら頑張れる気持ちになれること」を重視する傾向が見えてきました。
もちろん、エナジードリンクなど高刺激なものも人気ですが、その対局としてやさしいドリンクが市民権を得るようになっている。
飲料を通して癒されたい。
そんなニーズが見えてきますね。
年賀状をエンタメに
続いて、年の瀬といえば「年賀状書き」です。
一方、私の周りでも「年賀状じまい」をする人が増えています。
日本郵便は令和6年用のお年玉付き年賀はがきの当初発行枚数を、前年比約12%減の約14億4千万枚にすると発表。
お正月の風物詩が徐々に消え去っていきそうな予感の中、新しい年賀状の楽しみ方が広がってきています。
〈産経新聞 / 2023年11月27日〉
例えば、アプリで作成した年賀状をLINEなどのSNSで贈り合うというのはコロナ前から見られています。
年賀状は面倒臭いけど、贈るのは好き
面倒臭くなく、楽しみながら贈れる形をどのように提供していくのかというところに各社が商機を見出しているわけです。
また、年賀状自体にもっと楽しめる工夫を施す会社もあります。
例えば、はがき印刷などのWEBサービス開発や運営を手掛ける株式会社ソルトワークスが手掛ける年賀状作成アプリ「つむぐ年賀」も、その1つ。
「メッセージ動画機能」を使うと、5秒の動画を二次元コードに変換し、はがきに添えることが可能。
絵や文章だけでは形にできない表現を相手に届けることができるのです。
実際、5秒動画を添えることで
「子供たちの声を入れられて写真よりも伝わるものがあった」
「新鮮で周囲の評判が良かった」
「元気さが伝わり、生の感動を届けられた」
という喜びの声が上がっているそうです。
年賀状文化が残るのか?
変容していくのか?
はたまた無くなっていくのか?
今後の流れにも注目していきたいと思います🫡
続々増える「移住婚」
最後はこのコロナ禍を経ての変化の兆しをご紹介して締め括りたいと思います。
コロナで一気に普及した1つが、オンラインミーティング。
それは婚活でも新しい傾向を生み出そうとしています。
それが「移住婚」です。
〈iza / 2023年11月22日〉
オンラインコミュニケーションが普及したことで都心に住んでいる方と地方に住んでいる方が出会う機会が増えてきたとのこと。
さらには、リモートできる企業であれば、思い切って移住することもできます。
実際、地方移住への関心は高まっており、内閣府の今年の生活意識・行動の変化に関する調査では、東京23区在住の20代の43%が移住に関心があると回答。
最近では自治体が橋渡しを積極的に行っているケースも増加しています。
ちなみに非常に驚いたことがありまして、東京都の生涯未婚率の高さは都道府県別で1位とのことです。
出会いが多く、結婚する人が多いイメージでしたので意外でした。
テクノロジーがさらに進化していけば、いずれは国際婚も増えていくかもしれませんね。
技術革新・進化により、さまざまな壁が崩れることで見えてくる新しいマインド変容の兆しが今後、他にもますます見られそうです。
特に【僕らを救う「テクノロジー」】でご紹介したリアルタイム翻訳が社会実装されれば、仕事だけではなくプライベートにおいても生活の大きな変化が生まれるでしょう。
そんな変化をこれからも観察していきたいと思います!
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます😊