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1日の時間にオーナーシップはあるのか?

column vol.704

昨夜は大学時代の劇団仲間数名と久しぶりに再会しました。

そのうち2人は、大学卒業以来の対面

普段の飲み会はだいたい21時には帰るところですが、昨日は日が変わるギリギリまで話が止まりませんでした。

仕事を始め、いろいろなことが頭の中から抜けきる時間をいつ以来過ごしたのだろう?

かなり精神的に解放することができました。

という恩恵もあったので、本日は「ゆとり時間」をテーマにお話ししたいと思います。

人の集中力はどれほど続くのか?

自分の日常を振り返ると、業務時間については昼食やトイレなどを除けば、休みなく全力疾走をしているイメージです。

そのことで仕事において一番成果を挙げられるというよりは、心に余裕が無いといった方が的確かもしれません。

クライアントや周りの要望を必要以上に受け止めてしまい、休みなく全力疾走してしまう。

一方で、休息を小まめにとることの有効性も頭では分かっています。

その一つが「マイクロブレイク」です。

〈日本の人事部 / 2022年6月24日〉

これは、数分から10分程度までの短い休憩のこと。同僚と雑談をしたり、軽食や飲み物を買いに行ったりする時間がこれに当たります。

アメリカ、ノースカロライナ州立大学心理学科のソフィア・チョウ先生たちの研究により、小休止をとることで、終日、精力的に仕事に取り組める可能性が高まることが分かったのです。

集中力の持続時間は大人の場合、平均50分と言われています。

これは、以前52分仕事をしたら、17分の休憩を入れると最も生産性が上がるという「52:17」のルールでも触れさせていただきました。

そして、もっと言えば、実は50分間ずっと集中しているわけではなく15分周期で集中力の波があるため、厳密に言えば15分しか集中できていないのです…(汗)

だからこそ、成果を挙げるためには「休息を小まめにとる」が正解になります。

トルコには「時間の無駄」という言葉がない

しかし、ついつい休息を忘れてしまう。「時間は限られている。早く終わらさないと」という心理が働いてしまうのです。

一方、「時間は有限だ」という概念が無い国もあります。

それがトルコです。

〈NEWSポストセブン / 2022年6月29日〉

トルコではまず、「おはようございます」の次に「お元気ですか?」と会話を続けることが基本にあるそうです。

そこでゆっくりとコミュニケーションを図る。「時間に追われる」という概念がないとのこと。

また、「計画を立てる」ことにストレスを感じるようで、日本人の感覚で先々の予定を決めようとすると、「近くなったら決めよう」といなされます。

これは、もともと「人生は計画通りにはいかない」という考えからきており、「計画を立てて上手くいかないから、悲しみが生まれるのだ」と定義しているのです。

さらには、仕事の納期や、物の貸し借りに至るまで、こちらから日にちを指定すると怪訝な顔をされるとのこと。

日時は納品する側、物を返す側が決めることであるという文化なのです。

つまりには、時間に対するオーナーシップ(当事者意識)が強い

自分がやることについては、それをいつまでにやるかは自分が決める。

日本にはあまりない感覚ですが、オーナーシップを意識するということは多少なりとも必要であると感じるのです。

時間へのオーナーシップを意識するために

この「オーナーシップ」を持たせるための取り組みを先進的に行った企業があります。

レノボです。

3~4月『Work For Humankind』というプロジェクトを実施しています。

これは、世界各国から公募した参加者が、チリの離島、ロビンソン・クルーソー島約3週間滞在し、仕事を続けながら現地でのボランティアに参加するという内容。

ボランティアについては、本業の仕事をしながら週20時間以上の時間を活動に当てることが条件となっております。

この背景にあるのは、同社が世界10カ国を対象に実施した働き方に対する意識調査の結果にあります。

調査によると、18~40歳の5人中4人が、場所にとらわれない働き方が社会、コミュニティ、雇用者、従業員にとって有益だと考えており、61%は、地域コミュニティへの還元や好影響を「非常に重要」と考えているとのこと。

そこで、『次世代のワーケーション「ワーク・“ボランティア”・ライフ」は実現するか』というテーマで同プロジェクトが実行されたのです。

日本から本プロジェクトに参加したフリーランスクリエイターの山口智さんも

サステナビリティの領域でボランティアをしながら、意味ある貢献ができるということで、『これは応募しなければ!』

と思い参加。3週間の経験を通して、「自分の時間にオーナーシップをとってもいいのではないか」と思うようになったとのこと。

確かに、週20時間以上のボランティア活動を行うためには、日常の業務の中で時間に対するイニシアチブを意識していかないと難しい。

もちろん、クライアントや周りに心を寄せて仕事をすることは大切だとしつつも、一方で自分のオーナーシップも大切にする。

仕事に全てを捧げる時代ではないからこそ、このバランス感を大切にしないといけないですね。

ということで、この後は7月最初の休日を存分に楽しみたいと思います。



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