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「宇宙産業」が みんなの身近に

column vol.1198

…本当は、もっと早く記事にしたかったのですが…、

JAXAが開発した無人探査機「SLIM」が20日に見事月面着陸を果たしましたね!

アメリカや中国などに続き5ヵ国目の達成

また1つ宇宙が近くなりました。

そして一昨日、SLIMが着陸降下中月面で取得した技術データ画像受信できたと発表。

さらに、同機の太陽電池西を向いており、月面で太陽光が西から当たることで発電の可能性があるということも併せて報道されました。

〈TBS NEWS DIG / 2024年1月22日〉

ちなみに着陸時、高市宇宙政策相

「SLIMの月面着陸は、我が国としてのアルテミス計画への参画や、火星を始めとする天体への探査を進める上で、大きな意義を持つ

とコメントされていましたが、まさに今回の成功は日本に大きな希望の光を照らすでしょう。


「JAXA」総額1兆円規模の支援

「アルテミス計画」では、2025年以降に月面に人類を送り、その後、ゲートウェイ(月周回有人拠点)計画などを通じて、月に物資を運び、月面拠点を建設月での人類の持続的な活動を目指しています。

トランプ元大統領の政権下の2017年スタート

高市さんが「大きな意義がある」と話すのは、月輸送機、有人月着陸機、月面ローバー、月面モジュール、核熱発電機など、あらゆる機材開発に対し、入札制度によって、民間企業が参入できるからです。

〈Forbes JAPAN / 2024年1月23日〉

世界の宇宙ベンチャーは1万社を超えていますが、日本でも着実に増えています

特にスポットライトを浴びている会社の1つが「ispace社」でしょう。

同社の無人月着陸機「シリーズ1ランダー」は、月面探査を推進するべく、昨年4月に月面着陸を実行

その様子は、TBSの人気テレビ番組『クレイジージャーニー』でも放送されたので、ご存知の方も多いでしょう。

…残念ながらその試みは失敗したのですが…、失敗をバネに今年、2号機「レジリアンス」が月面輸送に挑戦

さらに次の3号機は、何といってもアルテミス計画における正式なプログラム(CLPS)として2026年に打ち上げられます。

宇宙産業の規模は2022年において3840億ドル(53兆7600億円)に達し、2040年には1兆ドル(140兆円)に成長すると予想。

日本も昨年10月、JAXA宇宙戦略基金(SBIR)を設け、10年間総額1兆円規模の支援国内民間企業に行う方針を明らかにしました。

非常にアツい産業であることが、ここで確認できたかと思います😊

さまざまな産業に波及が期待

ちなみに、なぜ各国こぞって月に行きたいかというと、火星移住への足掛かりをつくりたいわけです。

地球から直接行くと大変なので、月を経由する。

中間地点として月が期待されている大きな理由は、「水の氷」があるからです。

氷を溶解すればとなり、水を電気分解すれば水素酸素が生成できます。

水と酸素クルーが月面に長期滞在するためのとなり、水素や酸素ロケットの推進剤衛星探査車の燃料となる。

この仕組みを支えるインフラが整えば、月面における人の長期滞在が可能になり、月面開拓が効率化され、打ち上げコストが大幅に低減されます。

同時に、この一大公共事業を進めるには、調査、輸送、機材投入、建設など、あらゆる民間サービスが必要となる。

さまざまな分野に経済の熱が波及していくわけです。

今回月に着陸したSLIMも、実はタカラトミーの技術が使われているのです。

〈TBS NEWS DIG / 2024年1月19日〉

えぇっっ…??おもちゃメーカーの技術…???

と驚かれた方もいらっしゃるでしょう。

SLIMを撮影するための月面探査ロボット=SORA-Qには、球体から車輪を出し、形を変える仕組みがあるのですが、これはタカラトミーの変形ロボット「トランスフォーマー」の技術が使われています。

この他にも、月の表面にある「レゴリス」という細かい砂の上を走るため、車輪の動きには「ZOIDS」シリーズで人気を集めている組み立て式おもちゃの滑らかな関節の動きが使われているのです。

宇宙に関係しているのはおもちゃ業界ではありません。

ファッション業界に繊維を提供している東レ宇宙服を開発。

森永乳業「ミルク生活」は2020年、JAXAより粉ミルクとしては初の宇宙日本食として認証を取得しています。

他にも、挙げればキリがないですし、いつか当社のデザイナー宇宙グッズのデザインを手掛けるかもしれません。

逆に言えば、自社の持っている技術をいかに宇宙産業とリンクさせるのか?

そんな視点を持てると大きなビジネスチャンスにつながっていくでしょう😊

「いつもの生活」への宇宙からの風

生活面も同じです。

宇宙産業が発達することにより、地球に居ながらもたくさんの恩恵が受けられます。

例えば、地球観測衛星のデータ活用です。

衛星データの先鋭的な活用を試みる国内ベンチャー「Solafune社」は、地球観測衛星が取得するデータを独自のプロトコル(規約)で解析することによって、農作物の生育予測と収穫時期を推定

石油タンクの蓋の影から原油の在庫量が分かったりもします。

また、アフリカにおける鉱物資源の違法採掘の状態を明かにし、途上国の水質汚染からマラリアの発生率も予想できるとのこと。

また、「Space Port Japan」設立理事で、国内における宇宙法の第一人者である弁護士新谷美保子さんは、このように仰っています。

宇宙産業と聞けば、ロケットや衛星の打上げが印象的で、自分には縁遠い話と考えてしまう読者諸賢も多くいらっしゃると思います。でも、そんなことはありません。宇宙空間を利用したインフラによって構築されるサービスは、いずれも地球上の私たちに還元されるからです。例えばイーロン・マスクが創業した通信衛星コンステレーション企業「スターリンク」の運用はすでに始まっており、昨年はウクライナでもサービスが開放されたことがニュースになりました。また、地球上の二地点間を移動するために、一時的に宇宙空間を通行して、世界の主要都市間を1時間以内で結ぶ計画も実現可能だとされています。そして何よりも宇宙から取れる情報が重要です。

〈Forbes JAPAN / 2024年12月25日〉

私たちが今後よりダイレクトに宇宙産業の大きな恩恵を感じる1つは、何と言っても自動車の「自動運転」でしょう。

測位衛星から得られる衛星測位情報自動運転に利用され、また地上の情報と組み合わせた地理空間情報として、さまざまな活用が考えられています。

〜とうことで、全てのビジネスパーソン、全ての生活者にとって無縁ではない「宇宙との未来」

新谷さんは続けて、このように熱く語っていらっしゃいます。

人口が急速に減少し、経済成長さえ落ち込もうとしている日本は、テクノロジーに活路を見出す必要があると考えており、その中でも宇宙産業はまだ日本が覇者となる可能性が残っている数少ない産業の1つです。宇宙ビジネスにおける全ての分野で勝たなくとも、技術力で主要なインフラの根幹を押さえることで「日本の存在抜きに宇宙産業は回らない」というポジションを確立するべきであり、これは広義の安全保障にもつながります。

なるほど〜、日本の希望の扉はきっと宇宙につながっているのでしょうね😊

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