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コンビニの未来

column vol.1302

石破茂首相最低賃金2020年代全国平均1500円に引き上げる目標を掲げたことを受け、最低賃金を巡る議論活発化しています。

経済同友会は昨日、3年以内全国加重平均1500円に引き上げるよう石破首相に要望。

一方、中小企業の意見を束ねる日本商工会議所は、最低賃金の大幅引き上げには慎重な検討が必要との姿勢を示しています。

私が専門とする小売業でも人手不足の解決賃金上昇兼ね合い非常に難しい問題となっていて、フランチャイズで成り立つコンビニ業界では、頭の痛いオーナーが多いはずです…

そうした中、コンビニ各社は人手に頼らない方策を打ち出す動きが見られています。

そこで本日は「コンビニの未来」と題して、省人化が進むコンビニ業界の一例をご紹介いたします。

ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。

「Real×Tech」の未来

コンビニの未来ということでいえば、最近「未来のコンビニ」の姿を明らかにしたのがローソンです。

ローソンは現在、三菱商事に加えKDDIとも手を結び、テクノロジーの力を使ってイノベーションを起こしていますが、その実験店舗「Real×Tech LAWSON」東京の高輪にオープンさせようとしています。

〈食品新聞 / 2024年9月22日〉

例えば、アバター接客・リモート接客などを導入。

AIロボ品出し在庫管理発注業務をサポートしてくれます。

(ちなみに、飲料品出し作業では1日約2000本の補充が可能とのこと)

取り組みの背景には深刻化する人手不足解消があり、竹増貞信社長

 「色々なものをロボティクス化デジタル化しお客様に最適な商品を提供するなかで、オペレーション負担を3割削減する。新たな付加価値をのせた人にしかできないサービスを現場レベルで考え、実証実験を行い、全店で展開していく」

とコメント。

また、コンビニが果たす社会のインフラとしての役割も意識されており

 「新たな経営体制のもと、食料やエネルギーなど安全保障に貢献している三菱商事情報通信インフラでデジタルテックカンパニーのKDDIのサポートうけ、微力ながらも暮らしの安心安全保障の一端を担う大きな責任を感じる」

と、その決意を口にされています。

まさに、これからの日本に適したコンビニの姿が見えてきます。

「省人化×エンタメ化」がカギ

一方、そもそもモノを買うだけならネットで十分な時代ですので、やはり「コンビニに行きたい」という動機づくりが必要です。

そうした中、同じくローソンヒントになる好事例があります。

実は同店では一部店舗クレーンゲームを導入し、売上アップを果たしているのです。

〈Business Journal / 2024年9月20日〉

2年前から京都の一部店舗でクレーンゲームを設置し始めたのですが、今年3月から首都圏に拡大

さらに8月5日、2025年度中にクレーンゲーム機の設置店舗数を1000店に広げると発表しました。

近隣にアミューズメント施設がない地域や、外国人旅行客が多く訪れる地域の店舗などでは、集客効果が高いそうです。

ローソン広報部によると、設置店の中には当初想定の2倍以上の売上となっている店舗もあるとのこと。

必ずしもクレーンゲームを置けば売上が上がるというわけではないですが、私が注目したのは、「訪れる理由づくり」「省人化(で楽しめるコンテンツ)」兼ね備えているところです。

その上で、全国的にゲームセンターは減少しているが、クレーンゲームの人気は高まっているというところに目を付けたのが秀逸。

今後は、コンビニがエンタメ性を重視する傾向が強まるのではないでしょうか。

人型ロボットが接客する日

現在は、アバター接客、リモート接客というカタチですが、近い将来、人型ロボットが接客する日も近いのではないかと思っています。

お隣の中国では、8月に北京で開催された世界ロボット大会で、27体もの人型ロボットが披露されました。

〈36Kr Japan / 2024年9月26日〉

その投資規模は大きく、中国テックメディア・智東西の統計によると、2024年6月末までに、今年の中国国内のロボット業界では69の投資案件があったそうです。

開示されている投資案件のうち1億元(約20億円)規模のものが12件あり、投資総額75億元(約1500億円)前後に達しているとのこと。

そして同国で今、大注目されているのが汎用型ロボットメーカーの「衆擎機器人(ENGINEAI)」です。

2023年10月に設立された新興企業ながら、設立からわずか10ヵ月で、初の二足歩行ロボット製品「SA01」を発売。

3万8500元(約77万円)という販売価格で業界の底値を打ち破ったのです。

それまでの業界最低価格は「宇樹科技(Unitree Robotics)」「Unitree G」という人型ロボットで、9万9000元(約200万円)

いかに、「SA01」が革新的かということが伝わったのではないでしょうか。

年内に数種類の等身大の人型ロボットを発売する予定で、産業用および家庭用として活用でき、自動車、電池、半導体など幅広い産業分野をカバーしています。

人型ロボットといえば、テスラ来年末までに「Optimus(オプティマス)」の販売を計画していますが、これからの数年で人型ロボットの開発・導入が一気に進んでいくでしょう。

そうなると、コンビニの未来はまた大きく変わっていく

「Real×Tech」の新しいイメージをどれほど解像度高く想像することができるか。

それは、コンビニだけではなく全ての業種に当てはまること。

時代の風を追い風に変えながら、明るい未来に近づけていきたいものです😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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