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「身近な憧れ」がカギ

column vol.1305

昨日は、Z世代の “世代感” についてお話ししましたが

この世代が今注目しているメディアの1つが、2021年12月に小学館の新プロジェクトとして始動した「Steenz」でしょう。

〈毎日新聞 / 2024年10月2日〉

こちらは、政治経済問題環境問題ジェンダー問題などの硬派な話題から、芸術エンタメなど趣味・娯楽系の話題まで、10代の好奇心を刺激するような幅広いジャンルの記事毎日無料で配信。

メインコンテンツは、10代の若者のインタビュー記事「気になる10代名鑑」なのですが、ここではZ世代にとって身近に感じながらも、憧れ(共感)を感じる人たちが登場します。

今の若者にとって、この憧れの距離感が非常に重要で、手に届きそうな距離感だからこそ自分に重ねやすく、シンパシーが生まれる

今日はそんな「身近な憧れ」を上手くつくり出しているビジネス事例をご紹介したいと思います。


企業が頼る「マイクロインフルエンサー」

「身近な憧れ」を象徴するのがマイクロインフルエンサーでしょう。

マイクロインフルエンサーとは、SNSで1万人から10万人程度フォロワーに支持されるインフルエンサーを指します。

(ちなみに、千人から1万人未満のフォロワーの場合はナノインフルエンサー

マイクロインフルエンサーを起用したマーケティングがここ数年、盛んになってきています。

ちなみに、日経新聞では

『一人のタレントより100人の一般人』の時代が来るかもしれない」

と予見。

〈日本経済新聞 / 2023年7月3日〉

実際、作業服大手のワークマンは、同社の商品を愛用しているユーチューバーらに声をかけ、「公式アンバサダー」として約50人を認定。

2019年にアンバサダーになった浜屋理沙さん「チャックがなくて不便」といった改善点も臆せず発信し、共同で商品開発も手がけています。

また、カルビーは22年、ファンコミュニティー「絶品部『やめられない、とまらない課』」を設置。

専用SNSに400人超が参加し、好きな食べ方や味の感想を発信し合う仕組みをつくり、熱狂的なファンと深い関係を築き商品も共創しています。

さらに、マイクロインフルエンサーと企業をつなぐサービスも登場しており、22年に東証グロース市場に上場したトリドリには4万5000人のインフルエンサーが登録

利用企業(約3400社)がPR案件への参加を募集すると、マイクロインフルエンサーたちが手を挙げ「PR」などと明記したうえで発信しています。

平均フォロワー数は2万5000と小粒なのですが、案件実施数は43万に達しているのです。

「リアリティ」を発信する

マイクロインフルエンサーに期待することとしては、身近な憧れであることだけではなく「中立」であること。

顧客の代表として発信することが大事になります。

つまり、「リアリティ」がカギを握るわけです。

そうした中、インフルエンサービジネスで高い支持を集めているのがフリマサービス「ピックユー(Pickyou)」

インフルエンサーやモデルの私物のファッションアイテムを購入できるというプラットフォームです。

注目なのは「ストリートスナップ動画」で、かつて一世を風靡したスナップ文化がSNSで再燃しています。

〈FASHIONSNAP.COM / 2024年3月20日〉

インフルエンサーにその日の私服を聞く「今日なに着てますか?」というショート動画は、昨年9月に始動してから約半年間TikTokInstagram総再生回数2300万回以上を達成。

このスナップ動画を先行して9月から投稿を開始したことを機にSNSのフォロワーは急増しています。

ですから、先程のワークマンのアンバサダーの事例のようにマイナスをも発信するような懐の深さが企業には大切になるのです。

また、企業がマイクロインフルエンサーを起用する最初の一歩は、フォロワーインフルエンサーを探すことでしょう。

例えば、Instagramでアカウントを運営している会社であれば、モリバスなどの分析サービスを使えば簡単に見つけることができます

もちろん、こうした分析サービスは有料なので、予算がない会社は、SNSでアンバサダーを呼びかけるなど、できるところからスタートすることが良いでしょう😊

これからは「顔を見せる」経営者

自社のSNS運営ということでいえば、やはり企業の顔である経営者が発信することが有効でしょう。

昨日の記事にも書きましたが、就活生も企業アカウントから職場のリアルを探ろうとしている。

そうしたことを踏まえると、職場の文化を生む経営者の人となりを発信することで、その会社に合った人財も集まりやすくなるわけです。

フォーブスでも【これからのAI時代で成功するのは「顔」を見せるクリエイターと経営者だ】という記事で、経営者がSNS発信することの意義を語っています。

〈Forbes JAPAN / 2024年7月16日〉

「今まで以上にコンテンツがAIで生成されるようになる世界では、ほかの“ノイズ(雑音)”とは一線を画し、一人の人間としての人格が見え、人々がフォローして話を聞いて学びたい、そう思える人がより大きな価値をもつようになるはずだ」

と記事の中で訴えかけており、

『経営者の顔>会社のロゴ』で、経営者の『顔』が見える会社ほど、認知度も信頼も高まる流れが生まれている」

と予見しているのです。

先ほど、リクルートの有効性を話しましたが、当然、新しい仕事の受注や、投資家の関心にもつなげることができる。

経営者は営業だけではなく、広報の視点を持って発信することが大切ですね。

昨日はテスラが自動運転のロボタクシーと、ヒューマノイドのオプティマスについて発表しましたが、イーロンマスクさんも、その様子をXで発信

株価は爆下がりしてしまいましたが…、世間の目を引くマスクさんの広報戦略の上手さは、やはり注目する点が多いと感じました。

〜ということで、微力ながら私もnoteを活用しながら、自社に興味を持っていただけるよう心がけたいと思います🫡

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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