社内行事が “心” を繋ぐ
column vol.878
本日、我が社は仕事納め。
午前中は大掃除をし、その後、せっかく社員が皆集まったのだからとオフィス内で3年ぶりにプチ納会を行いました。
ピザやお寿司、お酒などを並べ、簡易的に行ったのですが、実はこのプチ納会は私たち経営陣でも、マネージメントセクションでもなく、中堅と若手の2名が発起人になってくれました。
コロナがだいぶ落ち着いてきたとはいえ…、3年も会社として酒を酌み交わす機会がないと、我々から声をかけづらい状況だっただけに…、非常に救われました…
普段は業務の話ばかりですが、それ以外の話をゆっくりとすることができ、今回発起人となってくれた2人には、非常に感謝しております。
…とはいえ、私たちも社員に甘えてばかりはいられないので、来年は社内行事を自らも企画し、皆に楽しい時間も味わってもらえるようにしたいと考えております。
さて、世の中を見渡すと、当社だけではなく、社内行事が復活した例がよく散見されます。
まずは、ENCOUNTの【“時代遅れ”企業の社内行事が復活 忘年会・書き初めや3年ぶり社員旅行…あえてやる理由】という記事の中から、各社事例を共有させていただきます。
〈ENCOUNT / 2022年12月21日〉
忘年会から書き初めまで「社内行事」が続々
衣食住の生活インフラを手がけるベンチャー企業「ビジョンズ株式会社」では11月、韓国への社員旅行を実施。
社員旅行を実施する理由としては「社員同士の交流を深めて欲しい、会社の成長を実感して欲しい」という狙いがあるそうです。
そこで、2018年から社員旅行をスタートし、1年目は石川県金沢市、2年目は沖縄県那覇市に旅行。
20年の3年目は北海道を予定していたそうですが、コロナ禍の影響により中止となり、満を持しての今回の旅行だったそうです。
特に同社では、主力事業である住宅設備事業で現場工事スタッフと本社社員が対面で交流する機会が少ないようです。
この社員旅行を通じて本社と現場の間でコミュニケーションを促進することで効果はてきめん。
適材適所の人材配置で工事を発注できるようになったことにより、工事完工数の増加に加え、クレーム数が低下。
大きな成果に繋がったとのこと。
他にも、医療系人材プラットフォームを運営する「MRT株式会社」は全国5拠点・従業員約180人を抱えており、結束力を高めて日々の業務の質の向上を目指すためにチーム制度を導入。
社内行事を積極的に行い、忘年会・書き初め・初詣といった伝統行事にも参加しているそうです。
各チームには営業活動によって得た利益の一部を給与以外の形で従業員に還元する「チームビルディング費」が支払わられ、使い方に関しては常識を逸脱しない範囲で自由に使用することができるとのこと。
コロナ禍でリモートワークが導入されると自チームであっても、なかなか対面で交流することが少なくなります。
他部署となると、さらに希薄になってしまいますので、イベントを通じて社員間の交流が生まれることによるメリットを総じて皆さん感じているようです。
社内行事「良い機会」全体59%・20代70%
昭和のスタンダードだった社内行事への回帰は、上記2社だけではなく世の中全体の潮流のようです。
様々なコミュニケーションサービスを提供する株式会社JTBコミュニケーションデザインが実施した、「社内イベントのコミュニケーション効果に関する調査~ハイブリッド型(リアル×オンライン)に着目して~」の報告書がまとまっている記事があるので共有させていただきます。
〈PRTIMES / 2022年12月7日〉
まず、コロナ禍以降に社内イベントに参加した1,030人に、参加して良かったイベントについて、どのような方式で実施されたかを聞くと、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド型が約60%を占めていたとのこと。
やはり、コロナに対するさまざまな考え方もありますし、リモートワークの浸透により、職住近接から離れている方もいます。
そもそも、そこまで社内行事に積極的ではない人もいるので、参加しやすさ(柔軟性)は前提になるようです。
それでも「社内行事についてどう感じるか」という問いでは、「社内イベントは、人と会って直接話ができる良い機会だと思う」が59%に。
しかも、20代に絞ると70%が「良い機会」と回答し、社内行事での交流について、若い世代で特に評価されていることが分かりました。
また、「社内行事は、社長など経営陣から直接話を聞く良い機会だと思う」との意見も55%に上り、コロナ禍以前の調査より14ポイントの伸長となっています。
そして極め付けは開催方法についてです。
社内行事の効果は、「職場の中でコミュニケーションが増えた」、「仕事に対するモチベーションが上がった」などなのですが、いずれもオンラインとリアル半々、リアル多めハイブリッドで高い効果が得られたことが分かりました。
また「同僚との距離が縮まった」では、リアルの比率が高いほど効果的とのこと。
参加への柔軟性は担保しながらも、リアルはやはり強いということが実証されていますね。
社内行事も目的ではなく「手段」
一方で、社内行事に失敗する例もあるそうです。
社内行事の良くなかった点について聞いたところ、「一方的に聞くだけで退屈した」(30%)が最も高く、「毎回同じ内容で、マンネリ感があった」(20%)、「一部の社員のみだったこと」(18%)という結果に。
コロナ禍以前の調査と比較すると、「一方的に聞くだけで退屈した」が突出する結果となりましたが、これはオンラインで参加している社員は特にそう感じるようです。
また、4位には「社長や役員の話が長すぎた」が挙げられ、先ほど「社長など経営陣から直接話を聞く良い機会」という声がありましたが、長過ぎる話にはやはり否定的な意見が集まります。
コロナをきっかけに改めて人と人とのコミュニケーションの大切さを感じる人が多く、社内行事への回帰が見られていますが、気をつけないといけないのは、社内行事をやることが目的化されることや、悪い意味での慣習化に陥ってしまうことです。
とりあえず「毎年やっているから」とか「社長(経営陣)がやれと言うから」となると、昭和の時と同じく、どこか煩わしいものとして社員が感じてしまうでしょう。
社内行事の本来の目的は、なるべく多くの社員が楽しみを共有し、お互いを理解し合うことにあります。
究極的には、その目的が果たすことができれば別に社内行事にこだわる必要はないはずです。
実際、社内行事を良い機会だと思えなかった41%の人たちがいるので、社内行事のみならず、交流の多様化を経営を司る人間としては考えていかないといけないなと受け止めております…
今年は昨年度までのコロナで苦しんだ日々から一転して、かなりビジネスチャンスを拡げた年となりました。
恐らく、副社長に就任して4期目の今期は最高益となることは間違いないのですが、先代社長の他界や、新規案件の急激かつ大幅な増加による戸惑いや疲労があった年で、稼ぎとしては良い年でしたが、どこか暗い影があった年でもありました…
もちろん、社会情勢としての暗さも影響しているとはいえ、リーダーとしての視座を上げ、器を広げないといけないなと、正直、反省の気持ちでいっぱいです…
来年は今年以上に社員の笑顔が見られるように、冬休み中に自分を再教育し、1mmでも来年良くなるように努めたいと思います。
それが納会の後、ほろ酔い気分で思った、私の総括でした。