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高級酒を販売するとは その1 本日の紹介酒 問天 生酛純米 2016

日本酒の飲み方に正解も間違いも無い

日本酒の飲み方に正解は無いし、間違いも無いと言うのが本来有るべき消費者目線に立ったお酒の飲み方だと思います。ただ、日本人の悪い所はどうしても正解と言うか正確なお酒の飲み方を求めてしまう部分があると思いますし、日本酒を飲む人が全てきき酒師になる必要も無ければ、ソムリエになる必要は無いと思います。

自分なりに色々試した方が日本酒は楽しめます

ではどうすればもっと日本酒を楽しめるのかを考えると、当然の事ながら美味しいと思われる飲み方に関して、正解も不正解も無いし色々自分なりに考えて楽しみながら楽しんで飲む事で飲み手にあった飲み方が発見されますし、仮に一口目に印象の悪かったお酒であったとしても、温度帯や合わせる食べ物、器を変える事でお酒の味わいや印象が全く違った感じになる事はよくある事ですし、外気温や季節、お酒を飲まれる方のその日の体調によってもお酒の味わいは全く変わってきます。

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日本酒のプロの仕事とは

※SakeDiplomaバッジ(JSAより引用)

世の中にはソムリエをはじめとして、きき酒師や酒匠等日本酒に関する資格を持つ方が沢山居られますし、プロの方のすべき事とは、日本酒に限らず酒類をお客様の要望に合わせて、商品や飲み方をお薦めしたり提案するのがプロの仕事だと私は認識しております。


近年出てきた日本酒の高級酒に対して感じる事

では、最近色々出てきた日本酒の高級酒についてどう感じるのかに関しては、私は非常に良い事だと思っていますし、高級酒を販売するのに必要なものとは、日本酒そのものに対する一定以上の知識は当然で、日本の国の文化や歴史、経済、マーケティング、ビジネス、社会人としての資質や教養の部分が問われてきますし、高級酒に限らず一杯の日本酒を売るとは単にお酒を売るのでは無くて、日本の国に関する文化や農業、歴史、経済等や販売する方の思いを一杯の日本酒と共に注ぐ事が出来て初めてプロとして日本酒を販売したことになると思います。(ただし、本当にそこまで出来るのかを問われれば、そんな簡単なものではないと思います)

フランス国旗

フランスワインとの比較に関して感じる事

※画像はWikipediaより引用

私は以前からフランスの文化は学ぶに値しますが、フランスと言うよりもヨーロッパに対してコンプレックスを持つ必要等全く無いし、日本の国に関しては、国としての歴史は世界一長く経済と技術の部分に関しては、安土桃山時代から現在まで、明治維新と戦後の混乱期を除けば、400年以上世界的な先進国であった訳で、日本の酒文化って話になれば、そもそもワインと比較するのが間違いだと考えています。また、日本の国の文化や歴史を売るって視点からビジネスを行うので有れば、ワイン以上の歴史や文化を売る商品として扱われるのが本来有るべき姿だと思いますし、高付加価値の日本酒がある事が普通だと考えています。

経済酒に関して感じる事

では、経済酒は何故必要なのか?って部分に関して、マーケティングやビジネスの視点から考えれば、何のビジネスに置いても必要な事は、まず自社の周辺20キロ圏内に置いて、自社商品の一定の商圏、或いは、大手企業に置いては全国レベルの自社商品に関するマーケットが必要なのは事実だと思います。つまり自分の会社の商圏おいて一定のマーケットを確保しない事には、普通商売として成り立ちませんし、経済酒と呼ばれる普段飲みの商品こそ、日本酒メーカーであれ、類似業界であるビールメーカーであれ、そこに新しい技術やお金をつぎ込まないと、まずマーケットの確保は難しいと思います。

世界一多い日本の一世紀以上続く老舗企業の数

日本は、規模の大小に関わらず、一世紀商売以上をする老舗が世界一多い国です。そもそも日本が太平洋戦争に破れたとは言え、日本の国自体は続いていますし、戦争に負けたからと言って日本が国として自虐的な教育、文化を持つ事や、特定の国からの内政干渉とも思える態度に対し国としても日本人としても毅然とした態度を取らない事は大きな間違いだと思います。また、マーケティングやビジネスの視点から考えれば、日本酒を必要以上に安売する事や、ワインよりも安くて当然って考え方自体が間違いでもあります。仮に販売する立場のプロが、日本の国の文化について理解出来ないって事になれば、販売者としての資質的な部分が欠けるって話になってきます。


日本酒に対して付加価値をつける意味とは


一杯の日本酒を売る事に付加価値をつけると言うのは、単に日本酒を売る事では無くて、日本の国の文化を売るって事であります。また、今市場に出てきている高級酒を販売する事に対して、プロの販売者が酒蔵にリスペクトを持たずに否定的にとらえる事。また、以前から個人的に感じる日本酒に関わる人たちが、大手の酒蔵を否定的に捉える事も恥ずべき事だと思います。

づぼらやのひれ酒

実際に一世紀続いた老舗に長年勤務した経験から

私自身は、大阪の日本一有名な飲食店で13年勤めましたが、新型コロナのパンデミックの影響を受け店が閉店になり、現在城崎の旅館に勤務していますが、私が老舗から一番学んだ事は、単純に食事を売るのが老舗のビジネスでは無くて、食事を販売する=お店の1世紀の歴史や文化、大阪の食文化を販売するビジネスだったと思いますし、その食文化を販売するには、食はもちろん社会人としての幅広い知識や日本の国の文化を理解する事だったと思います。実際にその老舗で長年勤めてはった上司は、学歴こそ有りませんでしたが、大卒の方以上に社会人としての資質や教養、知識を持ち合わせていました。

日本酒を飲む方にお願いしたい事

プロとして日本酒を販売する事は、単に一杯の日本酒を販売するのでは無く、その日本酒に対して、酒のプロとしての知識は勿論、社会人としての知性や教養、知識、経験、自分の思いを一杯の日本酒に注いで販売する事がプロの仕事であると思います。ただ、日本酒の飲み手の方には、日本酒の飲み方に正解や不正解は無いにせよ、日本酒を造る方の思いや、販売する方の思い、日本の文化を一杯の日本酒から少しでも感じていただければ、幸いだと思います。

本日の紹介酒

問天 きもと純米2016 (長野県 大町)

主体となる香り

原料香主体、淡いハーブの香り有

感じた香りの具体例

炊いた白米、サワークリーム、マシュマロ、GF、スウィーティー、和梨、スペアミント、千歳飴、青竹、瓜、ミネラル

具体的に感じた味わい

ふくらみがありややトロリとした飲み口で、ふくらみがありとろりとした旨味が主体、後味はスッキリキレが良い、スウィーティーやスペアミントを思わせる含み香を感じます。

このお酒の特徴

ふくらみがあり、トロリとした旨味を感じる切れの良いお酒

温度設定のポイント

15℃前後にて、ふくらみがあり後味のすっきりした味わいを引き出す
45℃前後にて、ふくよかでトロリとした味わいを引き出す

この日本酒に合わせてみたい食べ物

マグロのかまの塩焼き、鰤の照り焼き、フィレステーキ、焼きプリン等

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