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#16|「物語り」の力|2024.11.14

吟遊詩人の世界@国立民族博物館

近くまで行く用事があったので、ついでに万博公園内の国立民族博物館に立ち寄って、展示みた。

アジア・アフリカを含め、世界各国に存在する「吟遊詩人」たちの伝統や風習を、8つのブースによって紹介した展示。エチオピア高原の吟遊詩人、タール砂漠の芸能集団、ベンガルの吟遊歩行者と絵語り、ネパールの旅する楽師、モンゴル高原の遊牧民、マリ帝国の歴史を伝える語り部、そして日本からは瞽女とラッパーの志人が取りあげられてる。

いちおうツーフロアでの展示だけど、2階は+αの情報と体験型のオリエンテーション的なスペースなので、メインとなる展示はワンフロアで、結構さくっと見れた。わざわざ遠出してこれだけ見に来たって感じだと、若干物足りない気もするので、何かのついでに観るくらいがちょうどいい気がする。

それすらめんどい(いく時間ない)ってひとは、図録買えばいいと思う。

というのも、この図録がかなりいい感じで、なんなら展示より、こっちが本体ぐらいの情報量。たしかに展示会場でひたすら文字情報を読むのは疲れるし、仕事柄あとで参照するテキストが手元に残るのはありがたいので、展示はさくっと、図録でどすんと、ってのは個人的には結構アリなバランス。

河出書房新社から出版されてるので、ふつうに書店で買えるはず。

時同じくして読んでた本(これも河出から出てる)。

西洋的なイメージの「吟遊詩人」をアジア・アフリカ的な文脈から捉え直す展示と、白人男性のイメージがある「カントリー・ミュージック」に黒人やクィアの文脈を導入する本書は、マイノリティによるストーリーテリングの再評価という点で、結構共通する機運を読んでて受け取った。

こう並べてみると、「物語り」(ストーリーテラーとストーリーテリング)に注目が集まってる感じもする。

とはいえ、自分は書かれた言葉が好きだしなーとかぼんやり考えつつ、兵庫県民なので週末選挙いく。

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