[学習支援] 読書感想文の書き方、とっておきの方法とは?
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子供のころ、作文はダイの苦手だった。教室の授業で、原稿用紙を前に、ずっと頭をひねったが、まるで言葉が浮かばない。気づくとチャイムが鳴っていた。ただ、呆然とするだけだったのだ。そんなところからか、高校にはいると文章の書き方の本を読み続けた。当時、クラスのなかでは岩波新書を読むことが流行っていて、その中で私は、清水幾太郎「論文の書き方」を読んだ。
作文関係の本は、その後何冊も読んでいたが、その中である1冊にたどり着く。それは本多勝一の「日本語の作文技術」である。本多氏いわく「英語を習うのには文法を学ぶ。しかし日本語ではこの文法を教えない。それはおかしいのではないか」と。本多氏の意見はもっともと思えた。本のなかでは、例文をいつも紹介し、正確に相手に伝える方法を解き明かしてくれている。
*読書感想文を書くメリット!
学校で、今この読書感想文の書き方を教えているかどうかは知らない。もし教えていないとしたら、勿体ないとしか言いようがないと言える。きちんと自分のものにできれば、読解力や学習の幅そして知識が広がるからだ。この読書感想文にもいろいろ方法はあると思うが、私のお勧めする方法を紹介しよう。
ポイントは複数人でおこなうこと。小学生なら親がいい。中学生以上なら友人とおこなう読書会となる。二人で読んでいき、自分の気になる箇所に付箋紙を貼り付けておく。後でその箇所について意見を言い合ってみるのだ。それをノートにまとめてみる。この作業が、書くためのまず第一歩と考えるといい。自分の意見と、他の人との意見のズレ。そこに注目することで読解力は上がってくるはずだ。
*読む本の選び方とは?
ウェブ検索すれば、本のあらすじがいくつも読めるので、これを利用しよう。あらかじめ読んでみて、読みたい本であるかを決めるのだ。最近では動画でも本解説物がかなりある。これも参考にするとよい。
ポイントは、本の時代背景にフォーカスすることだ。現代ものであっても、以前とどう違ってきたのか?過去のものならば、その時代の状況を探ることが大事といえる。これを意識しないと自分勝手な思い込みによる読み方「勝手読み」とってしまう。そこはやはり注意すべきだ。
*基本となるフォーマット?
これも色々とあるが、私のお勧めするのは一択。「起承転結」でいいと考える。文章を書くにも、スピーチをするにも、この基本構造でやるとラクだ。読書感想文の「起承転結」を解説すると…。
⑴起 →なぜこの本を読んだか?を説明する。
⑵承 →本のあらすじ、この要約を書く。
⑶転 →自分が気になった箇所について書いていく。自分の考えと同じところ、または違うところ。
⑷結 →この本で知りえた知識、これをどう?今後自分に活かしていくか?
初めは文章の長さには気にしなくていい。書き終えた後で調整するという方法だ。出来あがった後で、どこを削りどこを増やすべきかを検討してみよう。大事なのはもう一度自分の文章を読んでみること。さらに書いた文章、これを第三者に見てもらうことだ。これでさらに文章力があがってくる。
*『少年H』を題材に考える!
⑴起 →ウクライナとロシアの戦争、イスラエルのガザでの戦い。これを知るには、日本の戦前戦中の話を読むことでわかってくると思った。そのため、この本を選んだ。
⑵承 →主人公の少年Hとその家族(父母妹)が、戦前戦中を通してどう生きたかの話し。外人の住む神戸に暮らし、父は洋服の仕立て屋だった。母はキリスト教徒である。外人との交流も多くあるなか、その長男Hは好奇心の強い少年として育っていく。戦争末期、家もなくなり食べ物もなくなる。それに絶望し自殺までしようとした。だが、立ち上がり、力強く生きていくこととなる。
⑶転 →家に金がないことを悟るH少年。自らの画才で稼ぐことを思いつく。旧制中学(今の高校)の学生のときから、画家になることを目指す。自ら、当時著名な画家の小磯良平を尋ね、教えをこう。弟子はとらないと言われるが、この画伯の家に来ることは許された。しかも戦後はこの小磯の紹介で看板屋の仕事についている。
⑷結 →少年H自身の親、友人や先生、近所の人たちにも助けられ、少年Hは育っていく。人は、お互いに助け合わなければいけないものと気づかされた。また自分を信じ、その道をひたすら進んでいく。その価値を改めて知ることができた。
*まとめ
ここで書いてることも、同じような作業で行っている。ノートは2冊ほど用意して、1冊には気になった箇所を列記していく。2冊目に文章を書いていくのだ。1冊目はB5サイズで、2冊目はA4、どちらもB掛である。この2冊目に見開きで左右にビッシリ書けば、ほぼ2000文字となるようだ。目標は毎日2千字を書くこと、そう決めている。参考にしてくれたらありがたい。