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Kei
2024年11月13日 00:00
母が食べ物をこぼすと、早朝、父より電話あり。母に似合うエプロン(涎掛け)を持参せよとの指示にて、何とか、好きそうな赤い小花模様のビニール状エプロンを選ぶ。大層、似合った。母、鏡観て微笑む。昼食時、ホームの介護主任さんに、外すよう言われる。「専用のエプロンを皆つけていますから」と。父、激怒。「此処はルールルールか!持って来たモノを付けさせぬとはどういう事か!」すっ
2024年11月2日 07:55
もう少し、色付いているでしょうか。うらぶれ荒み絶望という、またぞろ私の求める域に到達しかけた頃この、原風景たるわたしの記憶が祖父の棲む地が祖母の声がまだだよ、と押し戻す。父と同じじゃないか。オヤジ、迎えに来て下さい!と泣く父・・似て来た自分を痛感する。おじいちゃん・・まだ、駄目?はい、弱音吐いて醜悪に這いつくばってでも生きます。頑張って、ソチラで、褒めて
2024年10月17日 09:30
つげ義春の「無能の人」、映画化もされたから知ってる方も多いかと思います。主人公は石を売って歩くんですね、いつも川原で石を集めてる。ふと、私の父も兄も石を収集してた事を思い出しました。放蕩三昧の若き日の父は、ここで書けない程のエピソード沢山あり。宝石だって何だって買えた当時の父が、何より大事にしていたものが沢山の石でした。その石を父が母に「これ、凄いだろ」と見せたそうな。母
2024年9月27日 06:46
母は花が好きだ。ホームの玄関先に金木犀の香りが、およそ苦手な方には咽るように匂い立っている。庭には白、ピンク、濃いピンク、三色のコスモス、名の分からぬ花々。秋の日差しの中、母を連れ外に出る。以前、車椅子に乗った母は「まぁ、綺麗。」と顔綻ばせ、花を手で掴もうとした。今年の秋は母の反応が薄い。金木犀の香りが、こんなに風に乗り、貴女とわたしを包んで満たしてくれているという
2024年4月10日 06:48
どうか・・わたしを、そして、あなたの息子とあなたが大事になさった嫁(わたしの母)をお見守り下さい。おじいちゃん、おじいちゃん、泣き言を言わず、静かに息を引き取ったあなたに似ても似つかぬあなたの息子、我が父は・・今日も今日とて、口角泡飛ばし、文句ばかり言っております。七夕の短冊・・毎年同じ願い事なの。*馬に乗って荒野を駆け巡りたいまぁ・・裸馬で高校に通った悪童たる父ですから・・さ
2024年3月30日 07:49
わたしは、そもそも宝石に興味が無い。唯一、冠婚葬祭用に真珠を持っている程度だ。本日、母の口から唐突に出た言葉が「オパール!!わたしのオパールは!?」であった。父が事の詳細をのたまう。「日本じゃオーストラリア産が人気あるが、メキシコ産のオパールは赤い。価値在るオパールはメキシコオパールだ。俺がこれに買って来てやったものだ。家にあるか?」・・・シラナイ。 オパールを検索すれば、
2024年3月28日 07:55
くわっ!と、その目を見開き”お前は!”と、怒声を発せよ入道雲の如く大岩の如く圧倒的な畏怖をわたしに味あわせよ 事の推移 わたし自身の風邪にて一週間訪れなかった間 父は隔離室に入れられ点滴を受け 頬削ぎ落ち目は窪み 久し振りに会う父は死に行く人の如く 変貌遂げていた お父さん!と声を掛けても眠ったまま 「何も食べないからです。」介護士が憎憎しげ
2024年3月26日 07:36
拉致問題、首相が本気出しゃ、解決するにきまっとる。望むだけの金出してやらんか。気の毒に・・親御さんが生きとるうちに、娘返してやらんかい!しかし・・お前、海辺に住んどらんで良かったのぅ。ぼやっとしとるから、簡単に拉致されたのぅ。がはは。やれやれ。ぼやっとしてると思うのは、昔も今も、おとうさん、貴方だけですってば!私を一番知らないのが、貴方と母だとは・・あぁ、情けないやら笑える
2024年2月22日 15:47
積乱雲を見るとわたしは、父思い父に畏怖し父に焦がれた既に巨大な体躯は見る影もなく半分ほどの痩躯となりし父のそのぎょろりとした眼を見出すときあぁ、まだ父は父なのだ、と思うのだ。