シェア
Kei
2024年11月2日 07:50
くわっ!と、その目を見開き”お前は!”と、怒声を発せよ入道雲の如く大岩の如く圧倒的な畏怖をわたしに味あわせよ事の推移 わたし自身の風邪にて一週間訪れなかった間 父は隔離室に入れられ点滴を受け 頬削ぎ落ち目は窪み 久し振りに会う父は死に行く人の如く変貌遂げていた お父さん!と声を掛けても眠ったまま 「何も食べないからです。」介護士が憎憎しげに答える
2024年10月1日 07:02
あと二ヶ月で、父、奇跡の生還より丸三年経過する。脳出血で高次脳機能障害となった父は、リハビリを続けるも未だ歩けない。当初あった言語障害は回復。父の入院時より、母の認知症は悪化した。父母の三年は、私にとっても、新しい三年でありました。尊大で倣岸不遜が服着て歩いているような、巨躯の父はその肉体のみ半分になり。伊達男たる父は、全てのスーツ、ネクタイ、手を通すことも着ることも不
2024年3月13日 07:27
2024年2月25日 13:54
とある小説を読み、ある情景に我が身を重ねてしまった。老いたヒロインが、それ以上に老いた認知症の母を見舞う日々。母は動けず言葉も発せず、13年もベッドに横たわっている。それでもヒロインは母を見舞い続けるのだ。あるとき、老いた母が突然、虚空に白い腕を伸ばし、何やら掴もうとする。”何か”ではなく、”誰か”の手を捜しているのだと、ヒロインは察知し母の手を自分の両の手で包み込む。母の口から