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健康診断の採血が苦手、気分が悪くなる人へ

前書き

健康診断の採血が苦手な人も多いのではないでしょうか?私も苦手です!
 科学の進歩より“侵襲的”と呼ばれる検査や手技は少しずつ改善され、身体的負担は減少しているものがある中、昔から採血という行為は変わっていないように思います。
 平気な人はなーんとも思わないし、苦手な人はほんとーに嫌い。“自分だけが苦手”と思っているあなたに、どれぐらい仲間がいるのかをご紹介したいと思います。

*参考論文:人間ドック健診における血管迷走神経反応の調査と対策(人間ドック/30 巻 (2015) 3 号)

採血で気分が悪くなる正体

  • 血管迷走神経反応(vaso-vagal reaction:VVR)と言われるもの。緊張しすぎて、血圧下がって、気分が悪くなるということらしい。

  • 不快な光景、疼痛、医療行為、長時間の立位等が誘因となる。

  • 神経起因性失神の原因の一つ。

  • 採血副作用の75%を占める(日本赤十字社の平成24年度の全国集計データ)。

  • 副交感神経の緊張が高まり,血行動態的に徐脈,血管拡張による低血圧をもたらし,その結果,気分不快,冷汗,失神などの症状を生じることがある.

調査対象者の背景

  • 1つの病院の検診センターで採血した約6万人を対象にした調査

  •  平均年齢は45歳

  • 男女比は約2:1(男性が多い)

調査結果 ~概要~

  • 血管迷走神経反応(VVR)は、63293人中47人=約0.07%で起こっていた。⇒1万人に7名程度とは、思った以上に少ない気がします…

  • BMI小さい(やせ型)の方が、やや発生頻度が高い傾向(統計的な有意差はなさそうだが)。

  • 年齢が若くなるにつれて、やや発生頻度が高い傾向(統計的な有意差はなさそうだが。)

    • 29歳以下では、1000人に約3名

    • 30~39では、1000人に約1名

調査結果 ~層別(いろいろな切り口で考察)~

①年齢&性別

男女ともに29歳以下の若年層に多く発症する傾向が認められた

②BMI&性別

男女ともに低体重の受診者に多く発症する傾向が認められた

③睡眠時間&性別

女性において睡眠時間の短い(普段の平均か前日の睡眠時間かは不明)受診者に多く発症する傾向が認められた.

調査結果 ~重症度(どれだけ気分悪いのがひどかったか)~

  • 疑い&軽症&採血前で100%。回復までの対応は,軽症例がほとんどであったため安静臥床・下肢拳上(安静に寝ている、足を上げている)で対応可能な範囲。⇒気分が悪くなったけど皆さん大ごとにはならなかったとのこと。足上げて寝ていれば回復したよと。

考察・まとめ

  • 若い,低体重が危険因子。

  • 女性で睡眠時間が短い受診者はVVRリスクが高い。VVRは,自律神経を介した反射であるためストレス受容能や反応には個人差があり,睡眠不足という身体的要因が重なることで反応を促進してしまったと予想。

  • 迷走神経は消化器系に広く分布しているため空腹時ではVVRを発症しやすく,長時間空腹時の脱水傾向での健診センターにおける採血は,病院に比べるとVVRの発症が高い可能性が示唆される(他の報告と比較して考察).

⇒リスク因子を有さない自分は何が原因なんだろうか…。うん、個体差。今後は、対策や克服法などを調査していきます。

最後に

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