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夢は叶った!念願のバルオープン。しかしその先に待っていたのは。



お店の設備は十分に出来上がってきたがopenの日は決まってなかった。

元々自分はお店の施工が終われば、ここから出ていく予定にしていたから、そろそろ自分の役目も終わりかなと思い、元々計画していた旅計画についてぼんやり考えだしていた。

そんな矢先にお昼ご飯を食べていた
タイミングで親父から一言告げられた。

『おーほんじゃ今日からオープンなー』

この男(親父)はホントに何を考えてるんだ。
普通はopen日までは最低1ヶ月前からチラシ制作、プレスリリースをし、色んな告知をしてなんならプレオープンから始めるのが定石だろう。

『え、俺も厨房立つん?料理とかまだ作る練習して無いし何出すか知らんけど?』
そもそもどんなメニューを出すかも聞かされていない。

親父はニヤニヤしながら事務所の引き出しからメニューを持ってきた。

『これでいく。作り方はこっちにまとめているから。』

親父からメニュー表と料理毎のレシピをまとめたノートには80を超えるメニューとそれぞれの作り方が記されていた。


この男はどこまでふざけているのだろうか。


俺はその日から作った事もない料理を、お客さんに出さなければならない事になり、それはすなわちお店を始める上で一番大切な、開業費の回収、OPEN当初のいわば『ご祝儀』の様なものを全て放棄することを意味していた。

どうすんべ。。。。


親父がメインで料理を作るとはいえ席は25席ある。自分も料理を作らないと間に合わないよ。。しかも素人同然の2人でか。

そんなこんなで俺の放浪旅の予定はいとも簡単に崩れ去った。



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