
スッタニパータ 第1章『破滅』 Parābhavasuttaṃ(パラーバヴァ・スッタ)第103偈
原文
「Iti hetaṃ vijānāma, chaṭṭhamo so parābhavo;
Sattamaṃ bhagavā brūhi, kiṃ parābhavato mukhaṃ.」
訳
「このように私たちは知る。
これは第六の破滅の要因である。
第七の破滅の要因を、どうか説いてください。」
話の背景
この偈は、仏陀が第六の破滅の要因を述べた後、
天界の神がさらに「第七の破滅の要因を教えてほしい」と問う場面である。
仏陀の教えを一つ一つ明らかにしながら、人がどのように破滅へと向かうのかを
段階的に解説する流れとなっている。
注釈・補足(Suttanipāta-aṭṭhakathāより)
「このように私たちは知る(Iti hetaṃ vijānāma)」
「Iti(イティ)」は「このように」
「hetaṃ(ヘタン)」は「これを」
「vijānāma(ヴィジャーナーマ)」は「私たちは知る、理解する」
つまり、「私たちは、仏陀の説かれた内容をこのように理解する」という意味である。
「これは第六の破滅の要因である(Chaṭṭhamo so parābhavo)」
「Chaṭṭhamo(チャッタモ)」は「第六の」
「so(ソ)」は「それ」
「parābhavo(パラーバヴォ)」は「破滅の要因」
つまり、「第六に述べられた破滅の要因を、私たちは理解した」という意味である。
「第七の破滅の要因を、どうか説いてください(Sattamaṃ bhagavā brūhi, kiṃ parābhavato mukhaṃ)」
「Sattamaṃ(サッタマン)」は「第七の」
「bhagavā(バガヴァー)」は「尊き方(仏陀)」
「brūhi(ブルーヒ)」は「説いてください」
「kiṃ(キン)」は「何が」
「parābhavato mukhaṃ(パラーバヴァトー ムカン)」は「破滅の要因か」
つまり、「次の破滅の要因を、どうか教えてください」という意味である。