見出し画像

そこに、美術があった



仙厓義梵さんの絵を観に美術館へ赴いた。

熱心に観ていたせいか、
まだ過敏期間が治ってなく人と居るのに疲れてしまうせいなのか
分からないが
どっと疲れて出るころには身体が怠い。

人の居なさそうな、いつも通らない細道を帰る。


するときれいな彫り物が現れた。

…美しい。


そのまま通り過ぎようとしたけれど
近くで見たくなった。


凛々しいお顔。

松を見上げ何思う。


そしてさらに下の壁に沿うようにさり気なくたたずむ草花が
可愛らしい。

そのあと八百屋で買い物。
微妙に知り合いなせいで無理に愛想を作っている自分。
昨晩迷ったけれどここが安いから来たが
やっぱりやめておけばよかったかな。

思わぬ芸術品を観てHP回復するがまた更に減った感じがした。

学生さんがわんさか。
そうかこの辺りはバス道路が近いので人通りが多いのだった。
仕事している間はしょっちゅう来ていたから
つい来てしまった。迂闊。


美術館を出たころよりさらに重くなった足取りを
ウオークマンの音楽で雑踏を紛らわせながらとぼとぼ、しかし
早く帰りたいので気持ちは急ぎ目に歩む。

すると、猫ちゃん。

こんにちは。

にゃー。

早く帰りたかったのに、猫を見た途端気が緩んだ。
丁度椅子があったのでそこに座ってトントンと叩く。

猫ちゃんもそこにお座りになる。

なでてアピール。

分かってますとも。
なでなでタイム開始。

数分撫でて手が疲れてきたので

もういい?つかれた というと

にゃー。

ゴロゴロ言わせながら。

写真をとらせていただいたのでもう少し撫でてから
もう行くね、と言って気持ちよさげに寝転んだのを
見送って去った。



猫はポーションでホイミ。
HPがまた少し回復。
そしてここまでくれば家まであと少し。

すると何かいる。

毛虫。

はっぱをもぐもぐしていらっしゃる。

しゃがんでガン見。

へえー
触角のある方が頭だと思っていたらお尻の方なんだ。
頭の方が小さいのね。

などど思っていたらもぐもぐを止めはっぱと反対方向へ移動している。

食事がオクサレ気味で頂けなかったのか。
それとも
私の顔圧に耐えられなかったのだろうか。

しかし
植物から大分離れたコンクリ―トのここまでどうやって来たのだろう。
地道に来たのか。木から落ちたのか。

人嫌いのせいか
幼少期だったらみむきもしなかっただろう毛虫が
今は癒される存在になっていることに気づく。


綺麗なものや癒しを求めつい美術館へ赴きがちだが

特別な場所に行かなくても、そこかしこに美しいものは沢山あった。

木彫りの配置や精巧さや木目。

建物のデザインや配色。

猫の歩き方やシルエットや表情。

そこらへんに生えている草花でも感動できることを改めて思いだした。

先日観た小学生のカタツムリの絵はクリムトを彷彿とさせられ

毛虫の模様なんて草間弥生のアートのようなものではないか。

美術館のような少しかしこまった場所もいいが

人疲れしそうなときは無理に行かずに

そこらへんの自然の中にある美を見つけるのも面白いかもしれないと感じた
1日だった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?