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【読書メモ】『ぴーちゃんは人間じゃない?』

基本情報

タイトル:『ぴーちゃんは人間じゃない?~DHDでうつのわたし、働きづらいけどなんとかやってます~』
著者:ぴーちゃん(パレットーク)

読了日:2024年8月14日
メモ:図書館から


引用と感想

思い返せば、わたしの学生時代はほとんどがうつ状態だったので
どの時期も
『なぜわたしはみんなのようになれないんだろう』
と、思っていました

36ページ

ぴーちゃんは「人間じゃない」。
最初は、理解も共感もできなかった。

読み進めるうちに分かってきた。

「なんで皆と同じじゃないの?」
「なんで同じことができないの?」
「なんでわからないの?」
「なんで?」
「なんで?」
「なんで?」
 ・
 ・
 ・
「人間じゃないから?」

私にも覚えがある感覚。
「皆は耐えられるのに自分は耐えられない。
きっと私が社会不適合者だからだ」

幼いぴーちゃんは「社会不適合」なんて言葉しらなかったのだろう。
だから自分を人間じゃないと思た。

振り返れば私にも「人間じゃない」瞬間が、確かにあった。
(私の場合、自分はまともで周りがエイリアンだと思っていた)

編集長:
さっきの聞こえてた?
障害は個性で、それを活かせばいいって話・・・

ぴーちゃんはわたしたちに生活に支障をきたすほど、
本当につらかった障害の話をしてくれたでしょ?

それを「立派な個性だ」って他人がいっちゃうのは違うかな、って

ぴーちゃん:
それは・・・
わたしも嬉しくないんです
こんなつらい思いをするような個性
ぜんぜん、前向きに生かそうなんて思えなくて

150~151ページ

私には発達障害の傾向がある。

でも、この本を読み終わった後に自身をかえりみると私は「限りなく白に近い」グレーゾーンだろうな、と思う。

でも、でも。
どんなに健常に近い発達障害でも、
私自身は苦しんでいるときがあるのだ。

それを他人である医者や産業医や上司に「個性だよ」の一言で片づけられたら悲しいではないか。

ぴーちゃんが私のモヤモヤを代弁してくれた気がした。

ぴーちゃん:
元気、とはいいきれなかったですけど
病院すらまともに通えない自分が受け入れられなくて・・・
障害とか病気のせいにはしちゃいけないような気がして・・・

先生:
していいんだよ

ぴーちゃんがつらいのは
障害と病気のどっちにも原因があるのは確かなんだし

そうじゃないと誰だってつらいよ

162ページ

いいんだよ。
甘えなんかじゃないよ。

そのひと言がほしい。


全体まとめ

暗い。
重い。
メンタルにくる。

正直な感想である。

精神状態がよろしくない人は読まないほうがいい。
だいぶ引っ張られてしまう。

それでも気づきはあった。

どんな地獄からでも這い上がることはできる。
依存とはこういう想いですがるのか。
私の恋愛アレルギーは防衛本能かもしれない。
頼ることは悪い事じゃない。
自己否定が極まると人間じゃなくなる。
他者の共感で救われることもある。

何度も読むことを中断した。
それでも読み続けて、通読したかいはあった。

精神症状や発達障害の当事者より、周りの人たちに読んでほしい1冊だ。



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