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自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと

読書感想文です。

「自分の人生に出会うために必要ないくつかのこと」
 若松英輔 著  西淑・画

 生きること、働くこと、愛すること、自分を支える言葉を探す27の旅…
とあります。「随筆集」と著者はそう書いてますが、リブリオ・エッセイに近いものがあります。なぜなら吉田兼好の徒然草、リルケの「若き詩人への手紙」と古典から有名文学、また芸術家の岡本太郎のピカソ論、着物の染色家であり批評家の志村ふくみ「一色一生」など、幅広い本について論じられている一冊。
 日本経済新聞社の毎朝土曜日の朝刊に「言葉のちから」として連載されたものがまとめられている。



 どこから読んでもいいし、できれば「読む」だけではなく「用いて」欲しいとのこと。「…皆さんにとってこの本が、簡単には、読み終わらない本になることを密かに希って、世に送り出したい」と著者は語る。

 さすがに日経新聞に掲載されただけあり、ビジネスマン向けの書き方なのでしょう。ちょっと固いというか難しい熟語も用いられ、柔らかい文章を読むことが多い最近の私には、なかなか読み進むのが難しい部分もあったな…というのが率直な感想でもありました。
 紹介されている方々や本が魅力的なのでじっくりと腰を据えて読みたいと思った一冊。実は、お正月前に図書館で借りて、予約している人がいないのをいいことに延長をかけて読んでいたのだけれど、そろそろ返却をしなければという思いにかられつつ、「簡単には、読み終わらない本であれ」という著者の思惑にはのった形にはなりましたね(笑)
 西淑氏の静かに静謐に見守るような挿絵が添えられてあり、その絵が本を灯すようにあるのが好きな感じでもありました。

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