正義・倫理に悩む
「車の接触事故」を起こした男性。
任意保険に加入していなかったため、激昂する相手の言われるがままに示談金150万を承諾。
その後カードローンやキャッシングで金を工面したものの、首が回らない状態でした。
まだ30代。
独身ならば「働いて返せ」と答えますが、現在の彼は「主夫」。
公務員の妻に稼ぎを委ね、小さな子供の育児をしているといいます。
つまり返済原資は「妻」ということ。
「過失のある人間を助けるなんて!」という批判は百も承知ですが、
その責任を「別の人」が抱えているとなると、話は変わります。
突き放すには、彼女や子供があまりにも不憫に思えました…
「これはあなたのためじゃない」と伝えた上で、
一般的な債務処理の仕方をお教えし、面談を終了。
この仕事をしていると「正義・倫理」というものが時々分からなくなります。
今回は係争相手が「被害者個人→ローン会社」に切り替わったことで、自分を納得させましたが、彼に過失があることは確かです。
「茶筒をどの角度から見るかで、見方や立場を変える」
とある弁護士が言っていた「正義の納得どころ」という話を思い出します。
聖人君子を名乗ることなど到底できないですね…