全領域異常解決室と古事記の神について考察してみた
登場人物と古事記の神々
11・14,18追記。公式インスタ等でどんどん種明かしされているので、適宜更新中。
はじめに
全領域異常解決室にすっかりハマっている。
思えば、トリックもSPECも好きだった。
オカルトは苦手なのだが、こういう物語は好きなのだ。
大学時代に、風土記や古事記もちょっとだけ勉強した。
というわけで、登場人物がどういう神なのかを古事記から探ってみた。
参考にした本はこちら。
著者の三浦佑之先生には、大学時代、風土記を学んだ。
作家、三浦しおん氏の父上である。興味のある方はぜひどうぞ。
全領域異常解決室職員
まずはこの方から。
宇迦之御魂神(うかのみたま)
須佐男命(すさのを)の子。ウカは穀物を表すので、穀物・食べ物の神様である。
いつも料理を振る舞うのはこのためか。
ご本人は自覚がないようだが、第一話で「生まれ持っての素質がある」と局長に言われたこの方もやはり神のようである。
天宇受売命(あめのうずめ)
天照大神(あまてらす)が天の岩戸に隠れたとき、踊りを披露して場を盛り上げ、アマテラスが岩戸から出てくるきっかけを作った神。
まさにキツネダンスの時の小夢はめっちゃ可愛いくて魅了される。
「相変わらずですね」という雅の言葉も、昔からこういう人(神)だったよねという意味だと理解できる。
そして、このアメノウズメという神様はヒコホノニニギという神様が地上に降りるとき、地上で待ち受けていた猿田毘古(サルタヒコ)に名を名乗らせるなど、猿田毘古との関係が深い。
はい、もちろん、猿田毘古(さるひたこ)。
初めて小夢に会った時の表情も神話と合わせて考えると納得できる。
この猿田毘古、道案内の神さまなどと言われることもあるようで、
第4話で犯人たちの居場所に案内する役目を追うのも納得。
コーヒーをデリバリーするのは猿田彦珈琲からのギャグですよね。
そして第3話で迫田と一緒に小夢を助けたこの方。
発芽玄米、じゃなくて、村主虎飛矢(すぐりこびや)、通称コビー。
こちらは少名毘古命(すくなびこな)。
この神さまは小さな神で、一寸法師の原型とも言われる。また医薬の神とも言われ、コビーが「気絶に使った薬はハーブから抽出した」と言ったこととも一致する。
こちらはわかりやすい。
豊玉毘売(とよたまひめ)。海神(わたつみ)の娘。竜宮に住む。
彼女の力が相手を水のようなものに閉じ込めて呼吸できなくさせるのもこれで納得。
神隠しの被害者たち
次に、第一話で神隠しにあった5人の被害者。
この方々も神だと第6話の予告で語られている。
まずは荒波警部と同郷の大月比呂佳(おおつきひろか)。
徳島県出身、料理研究家。
この方は大宣都比売(おほげつひめ)。イザナキ・イザナミの国産みで生まれた粟の国、今の徳島県の別名でもあり、食べ物の女神でもある。
次に、健実和生(たけみかずお?)。政治家・元格闘家。
この方は建御雷之男神(たけみかづちのを)。
イザナキが火の神を産んだせいでイザナミが死んだことを悲しみ、その子を切った血から生まれた神。猛々しい雷の神・刀剣の神である。
と、ここまで神隠しにあった神はイザナキ・イザナミから生まれている。
ヒルコはイザナキ・イザナミの間に生まれた最初の子で、骨がなく葦の船に乗せられて流されてしまった。
ヒルコは自分の後に生まれた神たちを殺している、と仮説を立てると、(この仮説はハズレでした。)
他の被害者もイザナキ・イザナミの子と考えられる。
ここからは自信が全くないけれど考察してみたシリーズ
というわけで、第一被害者、大守浩志(おおもりひろし?)関東医科大学理事長。イザナキ・イザナミが最初に産んだ神、大事忍男神(おほことおしを)。
うーん、あまり自信がない。
→ハズレ 正解は大物主神(オオモノヌシノミコト)。
『口語訳古事記完全版(三浦佑之著)によれば、
うーん、しばしば女に子を孕ませ、祟り神になるってどんな神様?
第二被害者、石狩愛美(いしかりまなみ?)。ジュエリーデザイナー。
イザナキ・イザナミが産んだ女神、石巣比売神(いはすひめ)、砂を司る神とのこと。ジュエリーデザイナーと関係するかな。→はい、これもハズレ。
正解は、伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)。
石を固める女神。古事記では天宇受売命(あめのうずめ)と一緒に出てくる。
天の岩戸でアマテラスに差し出すための鏡を作ったり、ヒコホノニニギという神様が地上に降りるとき、天宇受売命と一緒にお供したりしている神様。
第5被害者、刀田楓真(とうだふうま?)大手広告代理店代表取締役
イザナキ・イザナミが産んだ神、風木津別之忍男神(かざもつのわけのおしを)。楓から風木と考えてみたのだが、もはやかなりこじつけである。→はい、これもハズレ。
でも風って広告っぽくない?
正解は、布刀玉命(ふとだまのみこと)。祭祀を司る忌部氏の祖先神とのこと。
伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)や天宇受売命(あめのうずめ)と一緒に天の岩戸の場面や、ヒコホノニニギという神様が地上に降りるときにお供している。
興玉雅(おきたまみやび)とは何者か。
この方だけはこじつけようにもどうにもならない。
ただ、ヒルコと対峙するゼンケツのメンバーはスサノヲ系の神のようだ。
スサノヲというのはアマテラスの弟だが、アマテラスの怒りを買い、高天の原から追われ、地上界にきた神である。高天の原にいる神は天つ神(あまつかみ)、地上にいる神は国つ神(くにつかみ)と呼ばれる。ちなみに「つ」は上代の助詞で「の」ということ。
現代でも「まつげ」という言い方で残っている。「眼の毛」ということになる。
スサノヲはもともと天つ神だったが、その後国つ神になったのだ。
さて、興玉雅(おきたまみやび)。
今まで通り、似た音で神様を探す。
それもスサノヲ系で、となると当てはまるのが、
宇都志国玉神(うつしくにたま)。これは大国主命(おほくにぬし)の別名。因幡の白兎で有名な大国主命である。スサノヲの六世の孫。
しかし、共通項は「たま」のみ。
11/14追記。いやいや大国主命は大隈邦男(吉田鋼太郎さん)だった。
吉田さん、魔王?って感じで、あのオオクニヌシノミコトとは思いつかなかった。
うさぎ、助けるキャラ?
いやいや人は見かけによらないから。
次に「雅」に注目。雅という漢字は実はカラスを表す。
カラス?
神話時代にカラスといえば八咫烏(ヤタガラス)である。
興玉雅は八咫烏なのか?
しかし八咫烏は神ではない。
熊野本宮大社のHPによれば、八咫烏はスサノヲのお仕えとのこと。
とすると、スサノヲなのか?
うーん、わからない。
これは今後の放送で明らかになるのを楽しみに待とう。
11/14追記。なんと名前もそのまま興玉神。びっくり!
興玉神についてはこちらで考察してみた。↓
おまけ
実はこの方も神のようである。
11/14追記。
このかたは神じゃないと宇喜之さん言ってましたね。
失礼しました。でもなんかありそうな気配。
大直昆神(おほなほび)。禍を直す神。イザナキの子であるこの神とお名前がよく似ている。
しかも今の彼の仕事も「禍を直す」=「国家安全」と共通しているではないか。
うーん、ヒルコに狙われなければいいが。
この可愛らしい少女もまた神さま。
生嶋未琴(いくしまみこと)ちゃん。
市寸嶋比売命(いちきしまひめのみこと)。宗像大社の御祭神。
この可愛らしい神はアマテラスとスサノヲの剣から生まれたとのこと。古事記ではスサノヲの子とされている。
興玉がこの子を見つめる眼差しには何か特別なものがあるようにも思える。
やはり興玉がスサノヲだからなのか。→違った(11/14追記)
来週が楽しみすぎる。