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水を貯める”タンク”をつくる仕事

森松工業(株)で働く森下さんを、もとまるが訪問!

森松工業(株)は、水を溜めるタンクやお湯を貯める圧力タンクなどをつくる会社です。森松工業は、私たちの生活に欠かせない水を当たり前に使えるよう、日本で初めてサビに強くて長持ちし、壊れにくいステンレスという金属を使ったタンクをつくりました。今回は、製品をつくる工場を管理している森下貴光さんの仕事を見学しました。

森松工業のステンレスタンクは高い技術で薄さと強度を両立する球面デザインが特徴

タンクをつくる仕事から工場の責任者へ

本社工場で工場長を務める森下貴光さん

森下さんが高校生の時、ふるさとである福岡県に森松工業の工場が建てられました。その時、「ステンレスタンクのパイオニア」と書かれた看板を見て、「ここで働いてみたい」と感じ、森松工業に入社しました。最初は、工場でステンレスを熱でつなぎ合わせる溶接作業で、タンクをつくる仕事をしていましたが、知識と経験を身につけて、工場の責任者を任され、2021年から本巣市にある本社工場の工場長として働いています。
 
入社時にも本巣市を訪れたことがあるという森下さんは、約30年振りに訪れた本巣市に対して「モレラ岐阜ができたり、新たに高速道路が通ったりと、新しいものや情報がどんどんまちに入っている印象で、これからの可能性を感じます。私たちが扱うキレイな水の源である美しい川もあり、河原でバーベキューができるなど、水や川が身近なのがいいですね」と、本巣市の魅力を話してくれました。

もとまるパークにあるタンクも森松工業のもの

森下さんが管理する工場では、私たちの家庭に水を送るためのタンクや、その水を受け取って病院や学校、建物で使うために貯めておくタンク、火事が起きた際に使用する消火水槽など、私たちのまちでも見かけるさまざまなタンクがつくられています。現在(2024年1月)建設中の本巣市役所新庁舎にも、この工場でつくられたタンクが設置される予定です。
 
こうしたたくさんの製品をつくる中で、森下さんはそれぞれの製品をつくるスケジュールを管理したり、完成した製品がお客様の要望にしっかり応えられているかを確認したりしています。

オブジェのようなユニークな形のタンクも

安全にものづくりを楽しめる環境を

工場には、男性はもちろん、女性や外国人などたくさんの技術者が働いています。約200名の従業員全員が事故やケガをすることなく働けるように、安全を管理することも森下さんの大切な仕事です。森下さんは、1日に何度も工場の中を回って従業員に声をかけ、病気やケガの人がいないかを確認。また、古くなった機械を直したり新たな設備を取り入れたりと、働きやすい工場づくりをしています。
 
何か問題があった時には、すぐに各部署の責任者を集めて解決策を話し合い、適切なアドバイスでそれぞれの部署をサポートしている森下さん。多忙な時には、自らタンクをつくる作業を手伝うこともあるといいます。

ステンレスパネルのつなぎ目を溶接

「トラブルが起こった時も、1人で解決するのではなく、みんなの意見を聞くようにしています。多くの人と困難なことを乗り越えた時には、やりがいや楽しさを感じます。従業員全員が楽しく元気に働いている姿を見ることが、一番の喜びですね」と、森下さんは仲間とともによりよいものづくりを目指すことに、充実感を得ています。

工場を回って製品の品質や作業の安全を確認

災害時の水の復旧も大切な使命

森松工業では、地震や台風などの自然災害が起こった時に、水の入ったタンクを被災地へ運んだり、被害を受けたタンクを現地で修理をしたりして、できるだけ早く水が使えるようにする復旧作業も行っています。全国の工場には、常に100基ほどのタンクが準備されていて、森下さんもこれまで東日本大震災や熊本地震、広島での水害などの被災地へ行ったことがあるといいます。

自然災害の被害を受けた現地に出向き、水の復旧に向けて活動

「まだ時々余震も起こる中、仮設タンクを組み立て、壊れたタンクの補修を行ったことは忘れられません。被災地に行けない時も、一刻も早くタンクを送れるようにしています。給水場ができて多くの人が水を受け取っている映像をテレビで見た時は、ほっとすると同時に、この仕事に誇りを感じます」と、森下さんは復旧活動への使命感を語ります。

「当たり前に水が使える環境を守るのが私たちの使命」と語る森下さん

次世代を担う若手を育てたい

若手従業員に技術の指導やアドバイスをする人材教育にも注力

「もともとタンクをつくっていた経験もあり、工場の作業も大好き」という森下さんは、工場に新しく入った従業員に溶接の技術を教えたり、若手の従業員にアドバイスをしたりと、社内教育にも携わっています。また、地域からも中学生の職場見学や高校生のインターンシップなどを受け入れ、ものづくりの楽しさを伝えています。
 
「当社は、入社してからしっかりと技術を教えるので、経験がなくても技術を磨けば誰でも活躍することができます。ものづくりをしてきた経験をいかして、今はひとづくりも楽しんでいます」と、森下さんは次の世代へ技術を伝えることにも、熱心に取り組んでいます。

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