マガジンのカバー画像

仰月集(詩)

4
月を仰ぎ見ていると心が落ち着きます。 そんな時にふと浮かんだ詩を書き残したいと思います。
運営しているクリエイター

#習作

仲良く月を食べました

仲良く月を食べました

今川焼が食べたくなって
近所のコンビニまで プラプラ歩きました

コンビニは本当に何でも売っていて
便利店 便利店

家に帰る道すがら
ちょこんとお座りしているタヌキくんに出会います

君 ずいぶん可愛らしく座ってるね
ネコさんかと思っちゃったよ
今日の夜も冷えるね
そうだ 今川焼1つ食べるかい

タヌキくんとタスクくんは
仲良く並んでモグモグ モグモグ

空を見上げると
少しだけ欠けた 黄色いお

もっとみる
夜道のおしゃべり

夜道のおしゃべり

例えば夜の道で、出会い頭の車がフッとライトを消す。
「お先にどうぞ。」

道を譲られた車は、点けていたライトを消して、またすぐに点ける。
「どうもありがとう。」

夜だからお互いの顔は見えないけれど
見えないはずなんだけれど
でもきっと、そんなときのお互いは、悪い顔はしていないはずだ。

声に出す言葉があるからこそ伝わるものもあれば
必ずしも声に・言葉に出さなくても伝わるものもある。

そのどちら

もっとみる

雨を楽しめますように

酔客となってとぼとぼと歩いて帰る道、顔に冷たいものを感じた。
気のせいかな、と思いきや、やはり雨が降っている。

いつの頃からか、雨は「忌み嫌うもの」となった。
濡れながら移動しないといけないし、気圧が下がって気分も塞ぎ込む。

ほんの少し前までは、「雨は風情を感じて良い」などと言っていた気がする。雨に濡れることさえ、ある種の詩情を覚えていたかもしれない。

願わくば、再び雨を楽しめる日が来ますよ

もっとみる