枝豆の旬はいつ? ~有機農場との出会い #2~
エシカルコンシェルジュが「おいしい!からつながるエシカル」をテーマに地球とからだにやさしい料理や生活をつづります。
みなさんは枝豆の旬っていつかご存じですか?私は生まれてこの方ずっと夏だと思ってました。山田農場と出会うまでは・・・。
不定期ですが山田農場さんでは、畑でのイベントが開催されます。その時の旬のお野菜の収穫体験とその恵みを皆でいただくというのが主ですが、先日は枝豆食べ放題!イベントがあったので参加してきました。
採れたての枝豆を心置きなく食べられるってものすごく贅沢じゃないですか?居酒屋に行くと何はなくともとりあえず枝豆!おしゃべり中もつい手が伸びてしまうし、日本人にとって枝豆はもう脇役ではなく主役級だと思うのです。
予定していた日が雨の予報で急遽前日での開催となったせいか、5家族ほどの参加でとてものんびりな雰囲気。畑に到着すると、山田さん自ら畑の案内をしてくださいました。いつも届くお野菜がどんなふうに育っているのか、ワクワクです。
農薬を使わないので植える時期や品種を工夫したり、水を好む野菜は隣同士に植えたりと様々な知恵がありました。除草剤なども使用していないため、雑草ともうまく共存しているように見えました。こちらの写真は手前が生姜、奥のほうの大きな葉っぱが里芋です。また、虫よけのビニールは土にかえる素材を利用するなど、ここにも環境への配慮が感じられます。
畑の見学が終わると、いよいよ枝豆を茹でます!すでに収穫してきてくださった枝豆を好きなだけとって、実をむしって、この窯で湯がいてくださいます。育てるのどれだけのご苦労があったかと思うのに、こんないいところだけを体験させてくださるのには、本当に頭が上がらない思いでした。
ゆであがるころにはふたを開けると枝豆のなんと甘い香り!こんなに濃い枝豆の香りは初めてです。
品種は小糸在来といって千葉に古くから伝わっている在来種の枝豆で、房に産毛のようなものがたくさん生えています。これは害虫であるカメムシなどから身を守ってくれるので、有機栽培には向いているそうです。野菜も種が途絶えてしまわぬよう、様々な生命の維持装置が働いているのです。
畑には房総地鶏の小屋もありました。房総地鶏は卵もお肉も食べられるそう。ただし販売用ではなく、家族で食べるだけのものだそうです。一般的な鶏卵は赤い鶏冠に白い体のイメージですが、こちらは体も一回り大きく肉付きもよくとても健康そうです。
通常、大量生産されている鶏は本来は120日のところ、50日で成長させるためにさまざまな薬を投与されて、狭いゲージの中に何羽もひしめき合って飼育されています。日本はアニマルウェルフェア(動物福祉)の後進国と言われていて、未だにこのゲージ飼いが90%以上を占めているのが現状です。EUではゲージ飼いが徐々に規制視されてきて、消費者も平飼いや放牧を好んで買うような文化が徐々に当たり前になってきています。
なぜゲージ飼いがよくないかというと、本来鶏は餌よりもまず、巣箱を求める動物だからです。また、砂浴びで羽を虫から守り、止まり木を好みます。それらがないゲージでは多くのストレスを鶏たちにかけ、また、砂浴びなどができないために感染症にかかりやすく、抗生物質などの薬漬けとなってしまうわけです。
私たちが生きるためには卵やお肉は大切なたんぱく源となりますが、一方でそれが大量生産、大量消費となるとこういった弊害が私たちの見えないところで起きているわけです。
山田さんの農場は、本来人間が適正な量を適正なだけ食べるということの大切さや、野菜や動物を育てそれを循環させていくことの神秘を教えてくれた気がします。