本望
──月に1回くらい
こうゆう楽しみがあるといいね──
ようやく口に出せたおねだりは
それしか言えなかった
本当なら、
毎週会いたいし
朝までずっと一緒にいたいし
家なんか帰りたくない
週末はすっかり私たちの1日を終わらせようとしてくる
コロナ禍で
すべての人工物が
定時を早め、
私たちを帰宅へと誘う
それなのに
大自然は
いつも通り
太陽をかかげ
月を受け入れ
星を送らせる
1日を勝手に時間に置き換えたのは
人間だけで
本当に生物が本能的に生きるのであれば
定刻だから閉まる
なんてゆう時間軸は存在しないはずなんだ
雲の流れを羨み
日差しを全身に浴びて
夕焼けの暁を眺めながら
湖畔に移る輝きや
月に浮かぶ星を愛でて
明日が来るのを
ひたすら一緒に体感できたら…
寒くなったら同じ宿に入って
お互いの温もりを分け合いながら
すぐにどこにもいかないで
空間の中に寄り添っていたい
やっぱり
君とは離れたくない