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現代人が不足しがちな太陽のビタミン、ビタミンD3、その効果とは!?~アンチエイジング研究所マガジンVol.57~
はじめに
みなさん、こんにちは、やまだです。今回は、ビタミンD3の発見から100年が経ったということで、ビタミンD3についての記事を書きたいと思います。ビタミンD3(コレカルシフェロール)は、脂溶性ビタミンDの一種で、骨の健康維持や免疫機能の調節に重要な役割を果たします。主に皮膚が紫外線B波(UV-B)を浴びることで体内で合成され、また、特定の食品からも摂取可能です(1, 2)。
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ビタミンD3の主な働き
骨の健康維持: ビタミンD3は、腸管でのカルシウムとリンの吸収を促進し、骨や歯の形成・維持に寄与します。これにより、骨粗しょう症や骨軟化症の予防に役立ちます。
免疫機能の調節: 免疫系の正常な機能をサポートし、感染症や自己免疫疾患のリスクを低減する可能性があります(3, 4) 。また、近年の研究では、ビタミンD3が慢性炎症を抑制することで心血管疾患のリスクを低減する可能性が示唆されています(5)。 さらに、感染症の予防においても、ビタミンD3が抗菌ペプチドの産生を促進し、細菌やウイルスの侵入を防ぐ重要な役割を果たすことがわかっています。
筋肉機能の維持: 筋力の維持や転倒リスクの軽減に関与し、高齢者のサルコペニア(筋肉減少症)の予防に効果が期待されています(6)。 特に、運動習慣と組み合わせることで、筋力の向上がさらに期待できます。
ビタミンD3の作用メカニズム
ビタミンD3は、体内に取り込まれると肝臓で25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)に変換され、次に腎臓で1,25-ジヒドロキシビタミンD(活性型ビタミンD)に変換されます。 この活性型ビタミンDは、細胞核内のビタミンD受容体(VDR)に結合し、特定の遺伝子を調節します。このプロセスを通じて、骨の代謝や免疫応答、細胞の成長と分化など、多岐にわたる生理機能を調節します。
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さらに、ビタミンD3の代謝過程には負のフィードバック機構が組み込まれており、過剰な活性型ビタミンDが生成されることを防ぎます。例えば、1,25-ジヒドロキシビタミンDは、腎臓での自身の生成を抑制する一方、25-ヒドロキシビタミンDの生成を増加させることで、体内のビタミンDバランスを維持します。この仕組みは、カルシウムの適切な利用と骨の健康維持において重要な役割を果たしています。
また、最近の研究では、ビタミンD3が細胞膜上の受容体に結合し、速効性のシグナル伝達を介して免疫応答を強化することも示唆されています(7)。 このメカニズムにより、炎症性サイトカインの抑制や抗炎症性因子の産生促進が可能となり、自己免疫疾患や慢性疾患の発症リスクを低減します。
さらに、ビタミンD3の欠乏がもたらす潜在的なリスクとして、糖尿病や心血管疾患、認知症、うつ病の発症リスク増加が挙げられます(8, 9, 10, 11)。 例えば、ビタミンD3の不足はインスリン抵抗性を悪化させ、2型糖尿病の進行を促進する可能性が示唆されています。 また、ビタミンD3の適切な摂取は、脳内の神経伝達物質のバランスを整え、認知機能の維持に寄与すると考えられています。
さらに、ビタミンD3は、がん予防の観点からも注目されています(12)。 特に、大腸がんや乳がん、前立腺がんに対する保護効果が研究されています。一部の研究では、ビタミンD3が細胞増殖を抑制し、アポトーシス(細胞の自然死)を誘導することで、腫瘍の進行を抑える可能性が示唆されています。 また、免疫系の強化を通じて、がん細胞の排除を助ける役割も注目されています。
また、国立がん研究センターが15年間追跡した研究によると、血中25OHD濃度で4つのグループに分けた時に、最高位群は最低位群と比較して全がんリスクが22%低く,部位別リスク評価では最高位群の肝がん発症リスクは最低位群に比べて55%低いことがわかっています。
ビタミンD3の供給源
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