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支援と援助は似て非なるもの
支援と援助は違います。
誰かを助ける時に、間違って使っていませんか?
いつものように、初めに言葉の意味について確認をしてみます。
「支援」の意味は、人に対して力を貸すことです。
また、「援助」とは、困っている人に力を貸すこと、とあります。
人に対して?困っている人に対して?
似ているように思いますよね。
でも、違うのです。
支援は、「部分的に助ける」ことです。
これに対して援助は「全面的に助ける」ことです。
また、英語に訳すと違います。
支援は「support」、援助は「assistance」です。
サッカーで応援するサポーターは、脇役的な立場です。
一方でアシスタントは、代わりにやる立場なので、主役の立場なのです。
また、支援も援助も、お金が掛かるイメージを持っている方がいらっしゃると思います。
どちらもお金を掛けるのですが、支援は金額が小さく、援助は金額が大きいのです。
ここからは私の経験を基にした考察となります。
「ダメな男子を捕まえてしまう事が多いので、どうしたら良いか?」と私の所に相談に来られる人がいらっしゃいます。
私がよく言うのは、相談者に対して、相手に「援助」をしているのではないですか?「支援」をしてますか?と確認をします。
本当に相手のことを想うのであれば、支援して、自立心を促す事をしてあげるべきなのです。
ところが、自分で何でもかんでもやってあげることで、相手に援助している形になっていることがあるのです。
もし、相手に本質的な力を付けて欲しいと願うのであれば、我々は「支援」をするべきなのですよ。
なのに「私が居ないとこの人ダメなのね」と言う考えから、何でもやってしまう。これがよろしくないのです。
ある程度、相手を尊重しながらお付き合いをしたいのであれば、相手の自立心を促すように仕向けることが大切です。
例えば、片付けが早く出来たり、いつもよりも部屋が散らかっていない場合は褒めてあげて、「次もこうだったら嬉しいなぁ」とさりげなく言ってみるのです。
料理を作って貰った場合に褒めてあげたり、嬉しいと言う気持ちを伝えてあげるのも良いでしょう。
そうすることで、相手の自尊心を高めることが出来るのです。
これが支援なのですよ。
これは子育てでも言えると思います。
何でもお母さん、お父さんが先に子供のことをやってしまうこともあるでしょうけど、これは「援助」です。
それよりも、子供と一緒に共同作業でやってみて、子供が出来たら褒めてあげる。
例えば、洗濯物をたたむのを教えたり、たたんだ洗濯物を衣装ケースに片付けるお願いをして、出来たら褒めてあげる。
こういった形で、子供に自信を付けさせながら、支援をするのです。
自分が出来るからと言って、全部やる。
これでは相手が育たないのです。
相手と一緒に歩きながら、相手を褒めて動かす。
こういった「支援」の精神を持って、人と接することが出来れば、人を育てることも出来ますし、自分の負担も軽くなりますよ。
今一度、ご自身でやっていることが「援助」になっていないか確認してみましょう。
それがきっと、やさしさにつながるのだから。
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