ゼネラリストの生きる道
理想は、すべてにおいて2番でいること。どれか一つがずば抜けているのは、自分らしくないと思うんです。
高橋由伸(プロ野球選手)
プロの選手なら、1位を目指すのは当然だと思っていたので、この言葉を聞いて、私は驚きを覚えた記憶があります。
実際に高橋由伸選手は、打撃のタイトルを取れなかったんですよ。
でも、それぞれが高いレベルの選手でした。
ヒットもたくさん打ち、ホームランもあり、チャンスの場面でも強く、守備でも魅せる。
それぞれの分野でナンバーワンにはなれませんでしたが、記憶に残る選手の一人だったと思います。
ちなみに、野球は好きですが、今は巨人ファンではありません。その話はまた今度するということで、今日の本題です。
私はこの話を聞いて、ビジネスの世界でゼネラリストでもそれぞれのスキルが高いレベルにあれば、うまくやっていけるのではないか。そう言う事を考えたのです。
一般的に、ビジネスの世界ではゼネラリストとスペシャリストを比較される事が多いです。
ゼネラリストとは、広く、広範囲の知識を持つ人です。
野球で例えると、そこそこ打って、足もそれなりに早くし、しっかりと守れる選手です。
一方でスペシャリストとは、一つの事に特化して優れた才能を持つ人です。
野球だと、足が速い選手が、代走と言って代わりに走るランナーの役目をする選手がわかりやすいかなと思います。
最近、ビジネスの世界ではスペシャリストを多用し、ゼネラリストは不要になってくる話も多く聞かれます。
でも、ゼネラリストも生きる道はあると私は考えています。
なぜなら、私自身がゼネラリストとしてうまくやって行けてるし、こう振る舞えばある程度はやって行けると踏んでいるからです。
例えばデザインとプログラミングのスペシャリストが一人ずつ居たとします。
そして、デザインとプログラミングのスキルがそこそこ持ってるゼネラリストが居たとします。
この3人の中で、現時点で一番上に立つのはゼネラリストなのです。
実はこれ、私の昼の仕事の例を出しているのですが、私自身、デザインとプログラミングの勉強はそれなりにしていました。
ただ、スペシャリストに太刀打ちできるスキルまでは持ってません。
しかしながら、技術的な話もスペシャリストの二人とそれなりに出来ますし、噛み砕いた形でお客様に伝えるようにする事が多く、まとめる立場に私が指名されました。
このように、ゼネラリストにも生きる道はあるのです。
ゼネラリストは何でも出来る良い部分を持ってますが、その反面、器用貧乏とよく言われます。
極めるまでは行かなくても、そこそこ高いレベル、具体的には、上位20%に入れるレベルで話ができる状態にして、スペシャリストと渡り合える部分を作ること。
そして、他の長けている部分をうまく使って活躍すること。
そうすることで、日本の会社組織の中ではある程度生きていけると私は考えています。
ここで組織の話をすると、ゼネラリストばかりの組織はダメです。
なかなか結論が出ず決定しないので、会議が延びる事が多いなと感じます。
じゃあ、スペシャリストの集団を作れば良いじゃないかと思うでしょう。
ところが、スペシャリストばかりの組織も案外ギクシャクするのです。
実際に、別の部署がスペシャリストばかりの集団なのですが、毎週会議で罵り合ってるのを傍目で見てるので、ちゃんと調整役の出来るゼネラリストは必要だなと本当に思います。
今の世の中、スペシャリストを求められる風潮にあります。
ゼネラリストとしては、今の現実を踏まえて、幅広くかつ今の業務をしっかり深く理解しておく事。
そして、技術を磨いたりスキルを身につける事を続けること。
そして何よりも、コミュニケーション能力を育てることが、ゼネラリストがリーダー的な立場として振る舞える道ではないかと考えます。
スキルを磨き、スペシャリストに転換すると言う考えも一つですが、残念ながら時間が掛かりますし、スキルが未来永劫通用するかもわかりません。
それであれば、今の業務を掘り下げることや、一緒に仕事する仲間を理解すること、そしてコミュニケーション能力を育てることが、ゼネラリストがうまく立ち回っていく近道な方法なのではないかと私は考えます。
「あなたはスペシャリストやからねぇ」
と会社で言われる、実はゼネラリストの意見を書いてみました。
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