No.067 ミステリクイズ


問題文

人気作家の死体が自宅で発見されました。
被害者は右脇腹をナイフで刺されており、死因は出血多量。
凶器のナイフは引き抜かれており、死体の周りは血の海でした。

第一発見者は編集者で、通報は午後3時10分。
事件当日は午後2時ごろから雪が降っており、そのおかげで玄関で足跡が一つ発見されました。
その足跡は編集者の履いている靴と一致しました。

一方で、他に被害者の自宅へとつながる足跡は発見されませんでした。
被害者の死亡時刻は午後3時ごろであり、その時間帯には雪は十分に降り積もっていたと思われます。
警察は編集者を疑いましたが、編集者の服には血痕は全く付着しておらず、またルミノール反応も検出されませんでした。

さて、この事件の真相は何でしょうか?






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ヒント

編集者の服には血痕は全く付着しておらず、またルミノール反応も検出されていない。
つまり、編集者に殺人は不可能であり、犯人ではありません。

被害者の死亡時刻には雪は降り積もっています。
もし犯人が被害者の自宅で被害者を殺したのならば、犯人の足跡が現場に残るはずです。
しかし、そんな足跡は見つかりませんでした。
つまり、犯人は自宅には入っていません。



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解説

編集者の服には血痕は全く付着しておらず、またルミノール反応も検出されていない。
つまり、編集者に殺人は不可能であり、犯人ではありません

被害者の死亡時刻には雪は降り積もっています。
もし犯人が被害者の自宅で被害者を殺したのならば、犯人の足跡が現場に残るはずです。
しかし、そんな足跡は見つかりませんでした。
つまり、犯人は自宅には入っていないことになります。

どういうことなのか?

自殺とは考えにくいです
(自殺をするならもっとほかの手段を用いると思われます。また、他殺に見せかけた自殺の線もありますが、それこそターゲットの容疑がすぐに晴れないようにもっと工夫する必要があります)。

事故の可能性もなく、殺人であることは間違いありません。

以上のことから、残された現実的な可能性としては、犯行は屋外で行われたということです。

被害者の死因は出血多量であり、およそナイフを引き抜いたときに死亡したと考えられます。
つまり、ナイフを引き抜きさえしなければ、ナイフが栓の役割を果たし、刺された後も少しの間は生きていたと思われます。
被害者はナイフで刺された後、自宅へと戻り、そこで刺さっているナイフを引き抜き、出血多量によって死亡した。
つまり、この事件は内出血殺人である可能性が高いです。

内出血殺人を仮定すると、残る問題は被害者の足跡が無いことになります。
現場にあったのは編集者の履いている靴の足跡です。
ただこの問題は靴を入れ替えることで簡単に解決します。

真相はこうです。

1 編集者は雪の降る前に被害者宅にいた。
2 被害者は何らかの用事で編集者を自宅に残し、一人外へ出かけて行った。
3 雪が降り始めた。
4 被害者は屋外でナイフで刺された。
5 被害者は刺された後も、死んでおらず家まで戻ってきた。
6 被害者は自宅へ戻り、ナイフを自ら抜き、死亡した
7 編集者は靴を被害者のモノと入れ替えた
8 編集者は警察に連絡した
(7と8の順番は逆でも良いです)

編集者がどうして靴を入れ替えたのか?
いろいろ考えられますが、犯人を庇うためというのが、何となく良い気がします
(足跡から警察の捜査は屋外での犯行から屋内での犯行とミスリードされます。自分も疑われる可能性は十分にありましたが、実際、殺していないので殺しの証拠は出ないはずだと考えていたのでしょう)。 


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