大人のための語り直し『ファンタジーを読む/河合隼雄(河合俊雄編)』大人にも作用するといい
読み終わったメモ。『ファンタジーを読む/河合隼雄(河合俊雄編)/分類B909カワ2』図書館で借りた本。ファンタジーの作用を思った。
◇ファンタジーを大人にも
児童文学は大人も読んでいい。著者が紹介するのは西洋のものばかりになってしまったといっている。日本の名作もいいけど、西洋の方が壮大な深みを感じるそうだ。
子どもは「たましい」の真実が見えるらしい。それは無垢のなかにあるように思う。今さら子どものように素直に読めてるかわからない私は大人。物語が素直に入ってこないときがある。自分の偏屈さを思ったりする。筆者はいう、つまらなく感じる作品もある、それが難点だと。そうか安心した。好みは人それぞれだよね。
◇「たましい」いっぱい
大人になると感動も経験からなのか複雑な解釈や意味づけをしたがる。考えすぎ、無理にわかろうとしなくてもよいのだ。
YouTubeで『銀河鉄道の夜』の朗読を聞いた。カンパネルラとジョバンニの旅、生と死。朗読者の語りがとても心地よかった。夜の3日ほど寝床で聴き過ごした(爆睡)。
ときに省みさせる物語がある。「ずんとくる」、私にもそんな本がある。
◇さまざまなペアの重要性
ル=グウィン「ゲド戦記」、物語のなかのペアは必ずしもそのペアの関係が深まることが第一の目的ではない。男女、兄弟、老若だったりが何かを実現する。主人公が変容していったりする、それが大切という。
リアライゼーションという言葉
光と影は物語のなかで戦う。旅のなかで光と影のあれやこれやも、すべて自分自身だったと気づく。旅するのは、何とかしたいから。何かをなすときの協力者(ペア)は必要と思う。
◇大人も何者でもない感じ
子どもの思春期は成長過程ゆえにアンバランス。中高年もまたアンバランス。思考も体も衰え瞬発力がなくなってくる。それは第二の思春期だと、どこかで言っている。何者でもない、何もなしえていない、戸惑う。そんな感じは誰にも言えず、自分の内面が対立している。おじさんおばさんの成長過程と思えばポジティブかも。
児童文学で癒される、勇気を与えてくれるかもしれない。
朗読を聞くの、目が疲れなくていいな
ではでは