それぞれ描かれる『ジヴェルニーの食卓/原田マハ』それぞれよかった
『ジヴェルニーの食卓/原田マハ/分類913』を読んだ。原田さんの描く物語にハマってきた。この本の4つの物語、それぞれよかった。
全身全霊で闘っているのは芸術家ひとりじゃない。彼らを支える目線から、その時代の格差や、彼らの辛苦が垣間見える。でもそういう悲哀もさらりと感じた。それよりも互いを支え合う尊敬のような、友情のようなあったかさが伝わってきて心地よかった。その本物作品を見たことはないのに見たような気がしてくる。
「うつくしい墓」 巨匠にマグノリアの花束を届ける若いマリアのドキドキが伝わってくる。
「エトワール」 14才の踊り子も巨匠もエトワール(主役)になるため、星(エトワール)になるための真剣さが刹那。
「タンギー爺さん」 芸術家の卵が出入りする画材屋の店主は彼らの父のような存在。その作品に囲まれる幸せって、どんな感じか想像。
「ジヴェルニーの食卓」 目に映る自然の光はふたつの家族の交流。愛となり作品となるのだな。
マティス、ドガ、セザンヌ、モネ。
出会える機会があったらその時に、その絵に思いを寄せてみたい。
私がはじめて読んだ原田マハさんの本はこちら、
芸術の秋と読書の秋が一緒に楽しめたような気がしたなぁ。
ではでは