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ただの生命体

「ただ、地球に誕生した動物だ」

そんな風に感じることが多くなった。
学生生活して、就活して、中にはもう一回学生始める子もいて、自分とは何かとか“生きがい”って何だろうとか頭の中でこねくり回してるけど、ただただそういう途を辿ってきたんだという感覚が強くなっている。人間は常に目的を持ってるような崇高な生き物でもなくて、もともと持つ隠されたモノが人生を通して開花する性質なんかなくて、ただ生息している一つの生命体でしかない。

大好きな佐伯ポが画面の中で「動物基準」って言ってたように、人間だからって最初に期待を抱え込みすぎなくてもいいと思う。自分が嫌いだとか、自己肯定感高い人っていいよね、とか思う気持ちは痛いほどわかるけど、それってやっぱり自意識が過剰すぎるかもしれない。理想の自己を高く設定していないつもりでいても、実際の基準値は高いからいつまでたっても自分を受け入れることができない。なんだか悲しい話じゃないか。

自堕落に欲望のままに過ごすことも、頑張り続けることも個人の自由であって、誰かから指図を受けることでもない。まぁ、社会的動物ではあるから周囲に酷く迷惑をかけないレベルでなら、好きに過ごしやすいように暮らせばいいんだと思う。

でもせっかく「思考する」能力を備わって生まれたのだから、そこはうまく活用して生きたい。幸福感がムクムクと湧き上がってくるような、そんな日々を送りたい。人類の最大の遺産は思考だ、と思うのである。考え方次第で、視点次第で私の生活は鮮やかになったり淡くなったり変動する。気も遠くなるような昔から、把握しきれない人たちが生みだしてきた文化を精々大切にしながら生きるのが、今したいことです。

誰かが生みだして、誰かが共感して、誰かが書き加えて、誰かが伝えることで、今私たちに届いている想いや視点。そんな素敵な授かりものをうまく次にも残せればいいな。なんて思いながら、次の春から社会人がんばります。

今は今しかない限られた時間を大切に、そんな風に過ごして生きたい。

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