未来宛のポスト。短編小説。
未来に手紙を送れるポストがあった。
幼なじみの与田さんとは文通をしていたが自然としなくなった。
歳をかさねるたびに、日常が変わる。普段できていたことも、やらなくなったりできなくなったりする。
そんな感じで文通もお互いにしなくなった。
最後の手紙はいつだろうか。
高校一年生の夏休み。
久しぶりに与田さんに手紙を書いてみた。
ポストは新しくなっていた。
ポストにはこう書かれていた。
未来宛はこちらです。
未来宛?タイムカプセルのことか?
何年か後に届くようになってるのかな。
未来宛に送ってみた。
数日後。与田さんから手紙が届いた。
宛名は昔の君へ。
と書かれていた。
内容は与田さんが大学生になり卒業した後の事が書かれていた。
与田さんは夢に向かって頑張っていた。
何の夢かは書いていなかった。
本当に未来から手紙が届いたのかな?
もう一度手紙を書き、未来宛のポストにやってきた。
未来宛に手紙を送り、帰ろうとすると、そこには手紙を持った与田さんがいた。
久しぶり。与田さん元気だった!?
「お、お久しぶりです。お、お元気です!」
与田さん。このポスト知ってる?未来に手紙が送れるみたいだよ。
本当かな。
与田さんも未来に手紙送るの?
「お、送ってみようかなって思ってたけどどうしようかなって」
そうなんだ。
あ、そういえば与田さんの夢ってなにかな?
「夢ですか?夢ですね。えーと。そのー」
まだ考え中?
「いえ。もう決まってますけど」
いいなー!
じゃあまたね。与田さん!
「さ、さようなら」
数日後。未来の与田さんから手紙が届いた。
何度か未来の与田さんと文通をしていると楽しかった。
けれど。
未来の与田さんは結婚してますか?
と送った後から手紙は来なくなってしまった。
それから何度か送ってみたが返事はなかった。
そして。
ポストがない!未来宛のポストがない!
何で急に!
それから気持ちがぐらついていた。
それから秋から冬に変わる季節の頃。
あ、そうか!俺って!
そして大学を卒業した頃。
「昔の君からの手紙届いたよ!」
昔の与田さんからの手紙も届いたよ!
手紙、書いてくれててありがとう。
手紙には君と結婚すること、と与田さんの夢が書かれていた。
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