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日々のこと・随想

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日々の記録。
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時刻表復刻版のたのしみ

 JTBパブリッシングが新幹線開業時の時刻表の復刻版を出したのは、2019年夏のことだった。  時刻表復刻の試みははじめてではなかったものの、紙での復刻は珍しい。 なぜこのタイミングで出したのかと思って読み返してみると、巻頭にこうあった  なるほど、いまさら知ったけど、一種のオリンピック関連本だったのか。  開業時の新幹線は、東京から新大阪まで。《ひかり》と《こだま》がそれぞれ一時間に一本ずつ走るだけの、ずいぶんのんびりしたダイヤだった。いまでいう東海道新幹線しかなかったか

『旅するツール・ド・フランス』と『シドニー!』

 ツール・ド・フランスは毎年やってくるが、毎年特別だ。世界の自転車レースの中でも圧倒的なバリューを持ち、注目度や経済的規模もケタ違い。日本でも、というか日本でさえ、ツール・ド・フランスは公式プログラムが出版されるし、放映権を持っているJ SPORTSの中継は、ほかのレースと趣が変わる。7月のお祭り騒ぎは3週間続き、祭りが終わると、気候は何も変わっていないにもかかわらず、心のなかではひとつの夏が終わったことを感じてしまう。  今年の5月に『旅するツール・ド・フランス』という本が

不幸な時代の監督ではなく

 時事的なネタをこんなタイムリーに書くことはあまりないのだけれど、いろんな情報が入ってきたりいろんな結果が見えてきたりする前に書いておくことにも意味があると思い、パソコンに向かっています。  今日は夕方に急に親戚が来ることになり、だったらせっかくなので焼き鳥でもしようということで、西陽を浴びて外で火起こしをしていた。  陽は西の山に沈みかけ、風はあくまで心地いい。  そこに松井監督休養のニュース。  休養といったって、「はい、よく休みました」といって戻ってくる監督なんてまず

香川県人のトリセツ(うどん偏愛編)

 全国にご当地のうどんは数多くあれど、そのほとんどは控えめにエリア限定で棲息している。唯一の例外として讃岐うどんだけが全国制覇の野心を持ち、「うどんといえば讃岐うどん」という認識を日本中に植え付けてしまった、というスルドイ分析をしたのはたしか椎名誠だった。  そして全国制覇と引き換えにというか、その押しの強さの代償というか、「うどんといえば香川(讃岐)」と同時に、「香川といえばうどん」という認識も持たれることになってしまった。  おそらく大半の香川県人は「うどんなんかでいいの

プロスポーツだもの

 何年か前まで、4月なるとブログで「今年も野球がはじまっている」という記事をあげていた。毎年続けていたけれど、2018年の記事を書いてアップロードまで少し温めているうちに機を逸して投稿せずじまいになり、それを最後に書かなくなった記憶がある。内容は毎年、今年の西武ライオンズの状況とか注目すべき選手の紹介とかパ・リーグの展望とかで、最後は今年のパ・リーグは西武の優勝という景気のいい締めくくりをしていた。  景気のいいことを書いても当時の西武は2008年を最後に優勝から遠ざかってい

本を本棚に並べ終える前に

 「持ってきた本を本棚に並べ終えたら、またお会いしましょう」と颯爽と2023年を締めてから、早くも3ヶ月が経ってしまった。本棚はまだ全然片付いていない。本が溢れかえっている。本棚が片付くのを待っていたら2024年の大晦日を迎えてしまいそうだったので、私は意を決してパソコンのワープロソフトを立ち上げたのだった。  言い訳がましい言い訳をすると、ってそれは純度100%の言い訳なのだけれど、今年の冬は寒かった。何が暖冬だ、朝起きたら部屋の気温が5度になっているじゃないか。と私は腹立

一年の終わりに 2023 〜年越し蕎麦は引っ越し蕎麦〜

 今年もこのタイトルの投稿です。ぎりぎり2023年に間に合いました。  今年は年末感のない年末でした。毎年大晦日の昼はカレーライスを食べるのですが、今日カレーを食べながら、「そうか今日は大晦日なのか!」と気がついたほどです。というのは大袈裟ですが、12月23日に「明日はクリスマスイブなのか!」と思ったのは本当です。  なぜこんな感覚になっているかというと、今年は特別に妙な慌ただしさがあって、その妙な慌ただしさの理由は、引っ越しです。  いやあ大変でした、段ボール180箱近い引

9月20日 「木村文紀の引退試合を観る」

9月20日(水曜日)  西武ドームに日ハム・木村文紀の引退試合を観に行く。相手チームの主催試合で引退試合を行うことは珍しいけれども、木村はもともと西武の選手で、西武時代の方が長い上に活躍もしていたから、西武のファンの方が思い入れはずっと強かったに違いない。  木村文紀(きむら・ふみかず)の略歴を簡単に書くと、埼玉栄高校出身で、2006年の高校生ドラフト1巡目で西武に入団。ドラフト制度が混迷して高校生と大学・社会人に別れていた時期で、「高校生ドラフト1巡目」という変わった称号

8月24日 「夏の終わり」

8月24日(木曜日) 所用があって自転車コギコギ20分。 用事が終わって公園寄れば、日差しは強いが秋の風。 雲はくっきり青さは深く、木々の緑に目を細める。 今年も夏は終わるんだなと、思ったある日の昼下がり。

8月19日 「13日でのべ7軒」

8月19日(土曜日)  長かった帰省を終えて自宅に戻ってきた。  台風と大雨の影響で一昨日まで新幹線は大荒れ、土讃線も昨日まで運休があったから、無傷な状態で予定通り移動できたのはこの夏に関しては幸いだった。もちろん、計画を立てる時点では列車の運行状況なんて分からないから、無傷なのはまったくの偶然ではあるのだけれど。  夜10時に家に着くと、室内は34℃だった。ベランダのツルムラサキたちは予想に反して無事だった。  長期不在は家の心配がつきまとう。泥棒が入っていないかとか、火

8月14日 「通学路」

8月14日(月曜日)  台風はだんだん西寄りの進路予測になっている。紀伊半島に上陸しそうだ。明日は新幹線で計画運休が発表された。帰省とそのUターンは他人事ではないので気に掛かる。  曇り空の中、散歩に出て小学校までの通学路を歩いた。このあたりは僕が香川を出てからものすごく宅地化が進み、田んぼがどんどん埋め立てられた。僕が通っていたころは田んぼの中に道が続いて、高台にある小学校へ上がる道が遠くからも見えたけれど、田んぼだったところに家が大量に建って、新しい道もできたので、小学

8月13日 「ミッション」

8月13日(日曜日)  墓参りをする。こんなところ車が入れるのかと思うような山道をMTの箱バンでぐいぐいと上り、三代前からの墓にたどり着く。とてもじゃないが僕は運転できない。歩いて行ってもよさそうな距離なのだけど(そしていい運動になりそうなのだけれど)、当たり前のように車に乗り込む。そしてそんな場所に家があって当然のような顔をしてワゴン車が停まっていたりするから、うーむ侮れない。  こうしてお盆の勤めを果たす。  マニュアル・トランスミッションこぼれ話。  香川の人は「マ

8月6日 「進路予測」

8月6日(日曜日)  台風6号は太平洋から沖縄本島方面へ向かったと思ったら、沖縄を過ぎてからくるりと向きを変えてUターンして、さらに方向を北へ転じて九州へ進むという予測が出ている。動きが遅い上に暴風域が広い。この奇妙な動き方は、自然の機嫌ひとつで人間なんてどうにでもなってしまうのだぞと、台風に言われているような感じがする。  9日に新幹線で西進するつもりでいたのだけれど、どうも雲行き(文字通り)が怪しい。いまだルートも速度も予測にかなりバラツキがあるものの、そのころの交通に

8月5日 「SWATCH」

8月5日(土曜日)  6月24日、祖父の墓参りに行った帰り、腕時計が止まっていることに気づいた。電池式で時々電池が切れるのだけれど、まだ切れるには早すぎる気がした。蒸し暑い日で、ガラスの内側が結露しているようにも見えた。家に帰って電池を交換しても、秒針が動くことはなかった。  15歳の3月、高校の合格発表を父と見に行って(合格していた)、菊池寛通りのステーキ屋で一緒にステーキを食べた。そのまま当時瓦町駅にあったそごうの時計屋で腕時計を買ってもらった。それ以来、22年間、僕は