Takuya. O

フリーランスで翻訳や編集のような仕事をしています。ここでは本の感想や旅の話、日常の風景を書いています。https://twitter.com/taq_taq

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マガジン

  • すきなよう日記

    ふと、自分が好きなものが、よくわからなくなっているのに気がつきました。好奇心が摩耗したのか、他の人のことを考えるあまりに自分の感覚を見失ったのか。原因はよくわからないけれど、この状態から再び「好きなこと/もの」を意識して生活してみるとどうなるのか。そんなことを思いながら、書き始めてみる日記です。

  • 本を地図に旅したい

    書評というより、本を読んで自分の生活や考えが具体的にどう変わったか、みたいなことを書こうと思っています。

  • 食べものについて語るつもりはないのだが。

    食べるものについては詳しくもないし、強いこだわりもないのですが、それでも毎日の食事にからめて何か書いてみるという日記です。

  • 団地フリーランス日記

    2018年からなんとなくフリーランスになって、なんとなく団地で暮らし始めました。

  • 世界一周はこんな感じだった。

    2005年から2007年にかけて、会社をやめて海外長期旅行に出かけたときの顛末です。

最近の記事

とげのあることばの「とげ」の部分を再生できればベストだ

Dec 2022 月曜日 読んだ本のなかに出てきた「刹那生滅」ということばの意味を調べる。生きてるうちにも何度も生と死を繰り返すというものの見方はいいかもしれないなと思った。 火曜日 何かとげのあることばを人に言われて気分を害しても、すぐには言い返せない。頭の回転が遅いからだと思う。でもそのまま溜め込んでしまうと心身によくない気がするので、せめて言われたことばの一部をおうむ返ししてみようと思っている。その時できるだけコアなワード、つまり、とげのあることばの「とげ」の部分を

    • それだけではややぶっきらぼうな気がして

      Dec 2022 月曜日 仕事中、あんかを使って手を温める。電気代も安価だと誰かが言っていた。小雨が降るなか、スーパーに出かける。底がはがれたトレッキングシューズ、100均の接着剤でくっつけたらまだいけそうなので、雨の日用にしている。 火曜日 ラジオ英会話のテキストを買ってみる。つまるところスムーズな会話というのは、定型表現、お決まりの表現をどれだけ身につけているかではないかと最近思う。 水曜日 ワールドカップで日本が敗退してからサッカー関連の記事ばかり読んでしまい、仕

      • とりあえず他者とは、決断するときに「肩を借りる存在」

        『他者と生きる』という本を読んだ。 まず印象的なのが「狩猟採集時代」の話。最近流行った『スマホ脳』や『ファクトフルネス』といったベストセラーでは、論の根拠として、狩猟採集時代の人間はそんなことをしていなかった、という話が使われる。 個人的にも、だいぶ前のことだけど、人間は前歯と犬歯と臼歯の割合がこうだから、こういう割合で肉と野菜と穀物を食べるのがいい、と話している人がいたのを思い出す。たしかに人々が大昔の長い期間そうやっていたという話は、人間とはそういうものだ、そうあるべ

        • 知らない人と言葉を交わせたことが何かうれしかった

          Nov 2022 月曜日 ワクチンを接種する。会場のエレベーターに乗り合わせたおじさんが「でもスムーズになったよね」と話しかけてきた。でも、から始まるのがおもしろい。一言二言だけだったけど、知らない人と言葉を交わせたことが何かうれしかった。若い薬剤師の人が「痒い」という漢字をさっと書いていてさすがだと思った。 火曜日 ワクチン接種の翌日はゆっくり本でも読もうかと思っていたが、熱が出ると本を読む気もなくなる。 水曜日 シャツのシワを取ろうと水に濡らして干してみたが、それで

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        • すきなよう日記
          6本
        • 本を地図に旅したい
          102本
        • 食べものについて語るつもりはないのだが。
          11本
        • 団地フリーランス日記
          6本
        • 世界一周はこんな感じだった。
          36本
        • はじめての沖縄、2月の旅
          5本

        記事

          均質なテクスチャーのものが好きなのかもしれない

          Nov. 2022 月曜日 ネットでランニングシューズを見ているが買うまでには至らない。足の小指の部分が破れた、今履いているシューズがまだ快適だからだ。歩くのが楽しみなくらい。ソールがはがれてさすがにもう買い替えかと思ったけど、100均の接着剤でくっつけたらまた普通に使えるようになった。小指があたって合わないと感じる靴が多いから、このシューズのように、そこの部分だけ穴が空いていたり、伸縮したりするような仕様のものがあれば、需要があるんじゃないかと思う。いや、網のようになった

          均質なテクスチャーのものが好きなのかもしれない

          できるだけ聞こえてくる音に集中しようと心がけている

          Nov 2021 月曜日 昨日会った外国からの知人にLINEで礼を言い合う。日本について欲しい情報があれば何でも言ってくれと書いたがそれには返事がなかった。 案出しの仕事。あまりいい案を思いつかなかった。最近は腕が縮こまっている気がする。最初のころはそれなりに楽しかったけど、今はそうでもない。とにかく続けていくことが大切、というかそれしか手がない。 考えてみると、昔にこういう感じの仕事ができればなあと思った仕事に近いことを今やっている。ある意味、夢が叶ったのかもしれない

          できるだけ聞こえてくる音に集中しようと心がけている

          何か食べたいと思ったときはまず豆乳

          July (2) 2106 月曜日 瞑想が脳に良いことは科学的に証明されている。と、本で読み、帰り道に呼吸だけに集中して歩いてみる。観察瞑想といって、感じたことや考えたことを頭の中で実況中継するのもいいそうだ。夕食のメインは鰯の梅酢煮。身がふわふわしている。 火曜日 昼間とても眠い。20代はとても眠く、30代になってようやくマシになったと思っていたら、それは単にコーヒーを飲み始めたからだったようだ。カフェインを止めたとたん、かつての眠さに逆戻りした。舌さえ痛くならなければ

          何か食べたいと思ったときはまず豆乳

          あれでは作業中にすぐにずり落ちてくるはずだ

          Nov. 2022 月曜日 年を重ねるほどに、マイノリティな気持ちがひとつずつわかるようになってきた気がする。人生とはマイノリティを知る過程なのかもしれない。雲間に出ている月が団地の棟の間から見える構図が、何か奥行きがあってきれいなような気がして写真を撮った。 火曜日 月食だった。昨日はそんなことも知らずに月を見上げていたのだった。暗くなってから公園の近くを歩くと、油断してひっくり返ってゴロゴロしている猫がいて、こちらに気づくと、ビクッとなって去っていった。 水曜日 オ

          あれでは作業中にすぐにずり落ちてくるはずだ

          ドラマの1話目だけを見たようなもの

          Oct. 2022  月曜日 夕食にアジの干物を食べる。そういえば朝、ラジオでも干物の話題をやっていて、市場の人もやっぱりアジが一番と言っていた。今の製法での干物の歴史はそれほど長くない、かつては丸干しが主流だった。そんな話をしていたと思ったけど、今ちょっとネット検索してみてもそういう情報は見つからない。 火曜日 街で外国人の旅行者らしい家族が何かを探している様子だったが、声をかけそびれてしまった。こういうとき反射的に声をかけられるかどうかで、自分の心の状態がわかる気がす

          ドラマの1話目だけを見たようなもの

          価値観の土地

          「山は沈黙という言葉で語りかけてきた」という表現が印象的な、冒頭の登山の話に引き込まれた。途中で命を落とす確率が何割かあると言われるなかで、あの若さでK2に挑んだ決断に驚かされる。プラン通りにいかず、高度8000メートルの雪山でビバークするシーンはまさに生死の境だ。その体験が、勢いではなく、いったん体の中に入ったものを時間をかけて取り出したような距離感の、端正な文章で描かれている。 小松由佳著『人間の土地へ』は、これだけでも一冊の本になりそうな話なのだけれど、本題はここから

          価値観の土地

          これ意外とおいしかったよ、安いけど

           外に出て、ルートビアを自販機で買って、オレンジ色の街灯の下の道をぶらぶらと歩く。小さな塾があり、中では子供たちが勉強しているようだった。ビールを買って帰ろうと、商店に入る。 「これおいしかったよ」  店の中をうろうろしていると、お客のおばちゃんが言う。寝間着の上にはんてんをはおったような服装で、サンダル履き。近所の人のようだ。「これ意外とおいしかったよ、安いけど」。輸入品のウエハースを指している。僕に勧めているようだ。  同行人は「あぶらかす」という商品が気になったら

          これ意外とおいしかったよ、安いけど

          気がつけばテリヤキチキンライスの食券を買っていた

           街の中心部に近づくと、国道脇にある商店に人がたくさん集まっていた。そこ以外は人も歩いていないようなひっそりとした雰囲気だったので、ちょっと異様に思えた。前に台湾に行った時も、夜に同じような光景に出会ったのを思い出す。あれは確か、競りのようなことをしていた。  やがて道の右手がアメリカ軍の敷地になる。道路を挟んだ向かい側が繁華街というか飲食店が集まっているエリアのようだった。細い道沿いに路上駐車の車が並んでいる。公共駐車場があったので、そこに車を駐める。 「寒いねえ」

          気がつけばテリヤキチキンライスの食券を買っていた

          ちょっとした会話が、ちょっとした何かを変化させる

           昨晩は寒かったので、布団をもう一組出して二重にして眠った。部屋の真ん中に置いてあったテーブルをずらすと、その下にはほこりが積もっていた。昨晩買っておいたものを食べて朝食にする。  近くの森林公園を歩く。お金もかからずローインパクトでいい。ルートのわきに罠のようなものをいくつも見かける。公園のおじさんに聞くと、マングースを捕獲するためのものらしい。天然記念物のヤンバルクイナを襲うからだそうだ。おじさんは、ルートに迷っていた自分たちに、軽トラを止めて道案内をしてくれた。「看板

          ちょっとした会話が、ちょっとした何かを変化させる

          みんな最初は様子を見ていたのだ

           さらに北上して辺野古の方に走る。米軍敷地の入り口あたりに近づくと、道路脇に、木を組んで作った露店のような造作物が並んでいる。飛行場の辺野古移設に反対する人たちのブースのようだ。活動家らしき人や、腕章を巻いた新聞記者らしき人が見えた。何となく見るのがはばかられて、そのままスーッと車で通り過ぎる。  この現場で何が起こっているのか。反対運動をしているのはどんな人たちなのか。どんなふうに活動しているのか。どんな雰囲気なのか。興味はいろいろある。あるからこそ、辺野古まで車を走らせ

          みんな最初は様子を見ていたのだ

          ベテランがちょっと手を抜いた感じでキャッチボールをしている

           手がしもやけで、すべての指が痛い。何も物を触れないくらいだ。同行人は電車内でラジオ体操をしている。早朝のまだ暗い三宮の街は冷えている。昨晩は眠れなかった。同行人の携帯から、ブリンブリンという通知音が何度もして、その都度目が覚めてしまったからだ。  神戸空港からフライト。スカイマークは安っぽさもなく、かといってサービスも過剰ではなく、過不足がなくていい感じ。那覇空港に着いて、手ごろな「空港食堂」で食事。店の入り口で売られていた弁当を食べる。空港内の売店でも手作りっぽい弁当が

          ベテランがちょっと手を抜いた感じでキャッチボールをしている

          人は忙しくない、そう思い込むところから始めたい――バリー・シュワルツ著『なぜ働くのか』

           仕事に悩む人への処方箋、みたいなイメージで読み始めたら、全然違った。目からウロコというか、けっこう衝撃的な話のように思う。  『なぜ働くのか』の著者、心理学者のシュワルツ氏が焦点を当てているのは「人間に関する理論が人間を作ってしまう」ということ。心理学でいう自己予言成就である。  例えば、「人間は利己的である」という理論が”発見”され、世の中に広まってしまうと、人間は自分たちは利己的なものだと思うようになり、実際にそのように行動を始める。そうやって予言が現実のものになる

          人は忙しくない、そう思い込むところから始めたい――バリー・シュワルツ著『なぜ働くのか』